1)昨日翻訳したブログ記事についての感想を書く。資料など一部は朴裕河氏のものを利用していると思われるが、内容は基本的な点を含めて朴裕河氏の意見とは違う。朴裕河氏の考えと「帝国の慰安婦」の内容は、大分前になるが本をざっと読んだ時の記憶と日本記者クラブでの朴裕河さんの話で新たに大凡の理解をした。
https://www.youtube.com/watch?v=llipwYlkbIY
朴裕河氏の本では、挺身隊と慰安婦の違いを正しく指摘し、日本軍による組織としての拉致などが無かったことなどを客観的に記述している。しかし、慰安所経営&運営する業者と軍とは緊密な関係であったと記述している。さらに、慰安婦が単なる売春婦ではなく、兵士の疑似家族的な役割すら果たしたと書かれている。つまり、兵士と伴に戦う存在であった様である。
朴氏は「帝国の慰安婦」の序文で、現在の認識として「支援者たちが要求してきた日本の法的責任や国家賠償とは異なりますが、植民地支配にかんしての謝罪の気持ちがあるとすれば、それを慰安婦問題に込めて、日本が主体的に示してほしいとする考えです」(11頁)と書いている。つまり、朴氏は慰安婦の支援者筆頭の挺対協の姿勢とは一線を画している。朴氏の考えを過激に言い換えれば、挺対協は慰安婦問題を乗っ取ったと言える。以下に挺対協と慰安婦問題について前・在韓国特命全権大使の武藤正敏氏が分析したサイトを紹介する。http://ironna.jp/article/2582
昨日のブログ記事には、挺対協の主要メンバーが何人も北朝鮮スパイとして逮捕されているという記述があり、従って、北朝鮮のオルグ機関とみなせると思う。現在の韓国の情況を見れば、挺対協は慰安婦問題だけでなく韓国そのものを乗っ取る尖兵となったと解釈できる。
そして、その運動の目的は韓国と日本の間に楔を打ち込むことであり、それに慰安婦問題を大きく育てて用いたと書かれている。この指摘の少なくとも出発点は、朴氏の理解と共通であると思う。
2)朴氏の慰安婦問題に対する考えは、日本による朝鮮の植民地支配の一環として朝鮮人慰安婦は理解されるべきというものだろう。韓国の反日活動家たちが、その考えに基いて問題を世界に主張し日本を貶すことは非常に困難である。何故なら、当時は帝国主義の時代であり、時代を遡って植民地支配を(現在の政治活動の中で)批判することは、歴史修正主義者のすることだからである。
そこで、インドネシアやフィリピンで日本軍下級兵士が、そこに住む女性を強制連行して慰安所に連れ込んだ犯罪を、朝鮮人慰安婦全体に一般化する虚偽の話に作り、慰安婦の日本軍による強制連行説として世界中に宣伝したのである。
つまり、韓国人の不満の原点に朴氏の指摘する植民地支配があり、それに挺対協などの反日過激派組織と(慰安婦問題において挺対協に殆ど乗っ取られた)韓国政府が、虚偽の慰安婦物語を作り反日感情を大きく育て上げたのが、韓国に存在する慰安婦問題だと思う。しかし、核芯に植民地支配への民族的怨念がある限り、その問題は日本が韓国に植民地支配されない限り解消しない。
従って、韓国がその怨念を晴らすべく日本を対象として取る行動は、本心と建前に大きなズレがある。つまり表向きには、20世紀終わり頃から国際的に高まったフェミニズムや人権の考えを利用して、慰安婦問題を国際的にして日本を侮辱する方法である。つまり、本心には植民地支配にたいする怨念が不滅の核として存在するので、大きな反日を女性の人権という薄い衣(幻の衣)を付けて揚げたのが、あの少女像である。
従って、日本側からの史実と法的根拠を論理に基づいて説明する類のアプローチでは、門題は解決する筈がない。一言で言えば、朴氏の指摘した慰安婦問題は、日本が持てる手段を使い切った以上、今後は韓国自身が克服すべき問題だろう。朴槿恵大統領の様に、今後の多分全ての大統領が、「日本と韓国の加害者と被害者という歴史的立場は、1000年の歴史が流れても変わることはない」と言うだろうが、これは外交というよりも日本への宣戦布告というべき言葉である。韓国の遺伝病のとばっちりを、日本が受ける類の戦争である。
3)その観点に立ち、慰安婦問題を理路整然と整理したのが、昨日のブログ記事だろう。非常に分かり易く論理明快である。慰安婦問題を創造したのは、北朝鮮系の反日活動家とその中心にある挺対協であり、それをオルグしたのは北朝鮮など日韓の間に楔を打ち込みたい国の政治組織だという話である。
説得力があるのは、ストーリーに対応する資料がしっかりと揃っているからである。一方、慰安婦問題を作った人たちが虚偽の慰安婦問題の立証に用いたのは、朝日新聞の全くの捏造記事や、必ずしも信頼性の高くない慰安婦の方々の証言だけであった。
つまり、日本軍による組織としての強制や、一般的に虐待と看做される性サービスを強要されたということは、挺対協の用意する元慰安婦の方々の証言以外の証拠は無い。(一般的ではなく)特別な例として、虐待に近いケースは在っただろうが、それは個別補償の対象となっても慰安婦(全体の)問題とはならない。
慰安婦制度の中で犯罪的なケースがあれば、その個別補償は日韓基本条約締結時に日本政府も考えただろう。それを韓国は拒否して一括としての経済協力金という名称の補償金を手にした。従って、韓国がこの件で日本攻撃が出来るのは、改めて確認した慰安婦制度の一般的違法性でなくてはならないのである。
ただ、日本人は汚い言葉で、慰安婦の方々や正当に主張する代理人の言葉を罵るのは止めるべきである。朝鮮は嘗て日本の一部であり、未だ存命中で日本と朝鮮の過去の関係を知る人々を窮地に陥れるからである。(補足1)また、朝鮮人慰安婦の方々も元兵士の方々も日本国の一員として伴に戦ったことを忘れてはならないと思う。その意味でアジア女性基金は、一定の役割を持ったと思う。
また、韓国の方々は近代史を勉強し直し、李氏朝鮮の末期の停滞した国家の姿を知り(補足2)、そこからの近代化の一環の中で、(腹立たしいことでもあるだろうが)日本への併合時代が果たした一定の役割を学べば、「千年の恨み」などという後ろ向きの姿勢は消えるだろうと思う。しかし、朴裕河氏の慰安婦への考え方には、植民地時代への強い拘りがある。失礼だが、例えば、両班と下層民という身分制度の下で、李氏朝鮮時代の社会の暗い雰囲気と荒んだ人々の心に対する十分な理解がなされていないのではと思う。(私もあまり知らないので、このような台詞を言う資格があるとは思えないのだが、敢えて言う。)
補足:
1)韓国で、95歳の韓国人男性が日本統治時代を「肯定」する発言をしたところ、居合わせた男の怒りを買い、殴られて死亡するという事件が起こった。「愛国心ゆえ」の犯行だと男は供述、韓国ネットユーザーなどからも擁護の声が上がる。https://www.j-cast.com/2013/09/13183859.html?p=all
この事件で犯人を擁護する意見がでるところが、韓国の病気を証明している。同様に、併合時代の韓国を評価する意見は、その時代を知る層に多い様である。http://scholarsinenglish.blogspot.jp/2014/10/i-am-91-years-old-and-i-want-to-tell.html
2)中学校か高校の歴史教科書にでている漫画である。韓国の方は何故、一方的に日本を敵対視するのか、もう一度考えてもらいたい。
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