1)日中首脳会談:
今日の読売新聞一面には、中国と習近平主席と安倍総理の会談についての記事が掲載されている。会談内容は、①首脳同士の対話の機会を増やす;②日本は一帯一路構想へ協力すると伝達;③周主席は歴史問題の適切な処理を要求;④北朝鮮問題と東シナ海での問題協議、である。合意事項として明確なのは、最初の対話の機会を増やすことくらいである。
注目されるのは、②と③である。②は一方的に日本が譲歩した感じであり、③はこれまで通り中国の日本攻撃の武器を再確認したものである。日本と中国は既に平和条約を締結しており、未来志向の関係を築いた筈である。それにも関わらず、③を持ち出すのは通常の感覚では難癖である。つまり、日本と中国は③を中国が持ち出す姿勢が残っている限り、本格的な友好関係はありえない。
2)米中首脳会談:
一方、トランプ大統領は習近平主席との会談において、北朝鮮問題における周主席の努力を評価し、長くかかるかもしれないが問題は解決するだろうと発言した。http://www.yomiuri.co.jp/feature/TO000301/20170709-OYT1T50002.html この会談で、周主席は「中国と米国との間の良い大国関係を築きたい」という趣旨の発言をおこなった。これは世界の覇権国として棲み分けをしたいという意味に取れる。この後の方の大事な発言を、読売新聞のネット版等掲載していない新聞記事が多い。
3)日米首脳会談:
日米首脳会談はその開催が危ぶまれた。米側に時間的余裕がないというのがその理由である。会談では、北朝鮮の核の脅威についての確認のほか、トランプ大統領は米国の対日貿易赤字の縮小が必要だとの認識を示した。ただ、日米FTAには触れなかったという。http://www.sankei.com/politics/news/170708/plt1707080041-n1.html
また、トランプ大統領は、安倍総理と中国習近平主席との話し合いにふれて、「中国との関係改善は望ましいことだ」とコメントしたという。
4)日米&米中会談の感想:
米国の対日姿勢は、今までの緻密な協力関係(つまり、米国が日本を保護国的に扱うという関係)から、日本は独自に自国の方向を考えるべきだというものへ徐々に変化しているのだろう。また、北朝鮮問題を武力で解決することは、日韓の熱心な要請が無い限り行われないと考えられる。つまり、日韓どちらから見てもあり得ないということになる。
また、従来の発言にあった、トランプ大統領と金正恩とが話し合うという解決の方向、つまり朝鮮戦争を終決して北朝鮮を承認するという方向も、トランプ政権が始まった時はあり得ると思えたが、現在その話は消滅したのだろう。トランプ大統領も従来の米国大統領のように、伝統的なシナリオライターが書いた方向で進むのだろう。私はそのように考える。
その従来の米国の支配層は異なった方向、つまり、中国或いは米国の力で、朝鮮半島の地図を現状のまま固定し、北朝鮮をもっとマイルドな政権にすることを考えている可能性がある。何れにしても、トランプ政権のリーダーシップの範囲ではそれは起こらない様な感じがする。
米国の対日貿易赤字の問題は、FTAの前哨戦なのか、もっと深いところからの発言かはわからない。一般に貿易赤字はその国全体について考えるべきで、二国間の問題にするのはおかしい。もし、後者なら、トランプ氏は大方の評論家のいうように、日本にとってもあまり良い大統領ではないかもしれない。
トランプ大統領については、評論家の馬渕睦夫氏の尻馬にのって、今後の新しい世界の枠組みをつくる大統領として高く買っていたのだが、結局大したこともできない可能性が大きくなってきたと思う。
5)日露首脳会談:
一方、プーチン大統領と安倍首相の会談は、米ロ会談が時間をとったことが原因で遅刻したプーチン氏が、それを安倍総理にわびる場面から始まったという。プーチン氏の遅刻はいつものことだが、詫たのは始めでだという。外務官僚らは驚いていたというが、プーチン氏は日本風の考え方を学んだのかもしれない。兎に角、この事実は前進の可能性があることを示唆している。
千島地域での経済共同活動については、首相とプーチン氏の会談で積極的とはいえない露政府担当者を動かす構図は変わらないと言う。安倍総理も日本の法的立場を害さないことが前提だという話でとどまっている様だ。これでは大きな成果を産む形での進展は無いように思う。
習近平の歴史問題への言及や、トランプ政権の東アジアからの後退姿勢を考えて、日本も対露姿勢をもう少し積極的な方向に変えた方が良いように思う。http://www.sankei.com/politics/news/170708/plt1707080038-n1.html
== 以上は全くの素人のメモです。適当に読み飛ばしてください。==
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