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2019年3月17日日曜日

日本復活の処方箋:日本の中の隠れた境界線を破壊すべき

1)人間の歴史は、一緒に生きる仲間の範囲を決めて、その外との間に境界線を引く行為の物語だと考えられる。人は農業を覚えてから、その仲間の範囲が地図上の境界線に一致する場合が多くなったが、そうではない境界も依然として大きな存在である。

ニュージーランドでの銃撃事件の報道を見て、そのように考えた。同じ国に住んでも、仲間の範囲を決める境界線が複雑に入り組む状況を、20世紀後半から21世紀の世界は人為的に作ってしまったのである。その結果、意図的、恣意的、偶発的な境界線上の争い、殺し合いの頻度が増加するは、当たり前である。

イスラム教信者とキリスト教信者の間の境界線は、それらを固く信じる人達にとって、地理上の境界よりも明確だと思う。経済が上手く行かなくなると、ガス爆発のようにあのような事件が起こる可能性がある。防止策としては経済状況の改善と、地理上の境界線のみを残して、他の境界線が出来ないように、国家の指導者が政策立案するしかない。

その様に考えると、安倍政権は大きな犯罪的行為をしたことになる。新入管法である。頭の悪い人が政界を牛耳る我が国の未来は暗い。そのそもそもの原因は、日本の政界が隠れた特別区の人物に独占されているからである。

2)日本復活の処方箋:

上記の明確に境界線が見える場合は、その対策や予防の方法は比較的簡単に考えつく。経済的弱者を作らないことと、異質の文化を持つ地方からの移民は受け入れないことなどである。

一方、偏光グラスや透視メガネなどを用いないと見えない類の境界があり、それが現実の政治を左右する場合もある。あのような新入管法(移民法)が簡単に日本の国会で可決されるのは、日本の政界が非常に狭い範囲の無能な連中によって支配されているからである。

それは、代々政治を職業とする田舎の人たち、元官僚の権威に従順な人たち、そして、明治革命を行った薩長土肥の人脈にある人たちの複合体である。それを守る為に彼らが利用する法的手段は、2倍以上ある一票の格差と小選挙区制、更に当該選挙区の住民でなくても立候補可能な選挙制度である。東京に住みながら、中国地方や四国地方の小さい選挙区から立候補できるのである。(補足1)

つまり、江戸末期に天皇家を利用して実権を握った薩長土肥の人たちは、殆どが東京に移り住んだ。そこから群馬など周辺諸県に移った人(例:楫取素彦群馬県令)も多かったと思うが、それらの人脈にある比較的優秀な人物が東大文系卒から官僚になり、その後“政界に天下り”をして日本を牛耳ることになった。日本(或いは東アジア全体)では、其の種の支配層的人脈にある人物は、将来の成功を80%程度それに依存して決めることが可能である。(補足2)

改善方法は、見えない人脈で作られた境界を破壊することである。例えば、これまで似たことを何度も書いてきたが、選挙区を道州制中選挙区制に替えて、立候補資格をその住民に限定し、更に一票の格差を完全撤廃することである。日本を10位の道州に分割して選挙区とし、現在の都道府県単位の選挙区を廃止するのである。勿論、選挙区だけでなく将来的には現在の都道府県を廃止すべきである。(補足3)それは第二の廃藩置県的改革である。

面白みの全く無い東大文系卒から官僚になった人間の天下り先でしかない日本政界と、東京一極集中の日本に未来などある訳はない。(補足4)政界には、もっと広い範囲で人材を送り込む必要がある。

官僚にはリーダーシップに従属する性質の人物が適する。一方、政治家はその反対側の性質が適している。つまり、政治家はリーダーシップを発揮する人間でなくてはならない。

土佐の家系から出た吉田茂は元内務官僚であり、日本国のリーダーシップをとる立場にありながら、マッカーサーの権威の蛇口となってマッカーサー内閣の筆頭官僚となった様に見える。その後の自民党長期政権を担った、岸信介、池田勇人、佐藤栄作、中曽根康弘など多くの元首相は、全て同様の経歴を持つ米国の傀儡政権の筆頭官僚だったに過ぎない。(補足5)

それを無批判に支持してきたのは、全く無能な田舎出身の自民党議員と、理想家なのか他国の利益代表なのかわからない野党議員である。前者は、東京の元官僚政治家たちが全国の田舎に作り上げた人脈の出身だろうと思う。

小中高の18歳までの教育において、明治以降の日本史はそのエッセンスを抜いて駆け足で教育されるのは、その歴史を隠すためだろう。未だに日本の内閣が、岸信介の孫が首相で吉田茂の孫が副首相兼財務大臣という、薩長土肥支配であることを、もっと深刻に日本人は考えるべきである。

補足:

1)現在の総理大臣安倍晋三氏は、東京生まれであるが、本籍地を山口県に置いている。そこから立候補するためだろう。

2)研究者として全く無能な人物(筆頭論文が主要研究論文誌に全く無い人)が、日本最大の理系研究所の首脳として出世したケースを知っている。それは、人脈登用の結果であり、其の人は同様の人脈の上にあった上司によって引き上げられた様だ。同様な現象が、自民党二階幹事長の人物登用に見られるだけでなく、恐らく汎ゆる日本の組織に見られるだろう。

因みに、人脈による登用は人材の劣化を伴う。それを見事に表現した言葉がある。 First-rate people hire first-rate people;second-rate people hire third-rate people.(Leo Calvin Rosten)。

3)現在の都道府県の区割りは、記者も自動車も殆どなかった時代に作られた。その区割りが、新幹線や高速道路が日本全国を走り、一つの県に一つ以上の飛行場がある時代にふさわしい筈がない。この何もしない行政を放置して、日本が来世紀に一応の体裁をとって残存できる筈がない。

4)大阪維新の会の大阪都構想を攻撃する人が多いが、これも東京一極集中の日本を改善する一つの方向上にある。

5)福田赳夫、宮沢喜一、大平正芳なども同様である。或る人が初めて宮沢喜一に政治に関する意見を求めた時、先ず「君は何期?」と聞いたそうである。多分、その人が自己紹介で「大蔵省の出身です」とでも言ったのだろう。「何期?」とは、東大法学部の何期卒業なのか?という意味である。東大法学部の卒業生以外は彼の頭になく、その学生となり優秀な成績で卒業したことが人生最大のachievementだったのだろう。面白くない人物の代表だ。

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