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2021年7月13日火曜日

新型コロナδ株に対するファイザー社等のワクチンの効果(2):

追加情報:(7/13/8:00)

英国での新型コロナ規制を19日ほぼ全面解除する計画を予定通り実施することを、ジョンソン首相は12日確認した。

 

上の記事には、「英国ではインド由来のデルタ株が広がっており、英国政府は、このペースが続けば1日当たりの感染者が夏の間に10万人を超える可能性があると認めている。そして、英国政府は、ワクチンによる「免疫の壁」構築に期待を寄せる」とある。

 

しかし、下の解析では、ワクチンを接種してもしなくても、δ株の被害は非常にすくない。つまり、英国政府が「免疫の壁に期待する」と言ったとしているのは、この記事を書いた人物或いは機関の嘘か、英国が米国及び米国の製薬資本に気を使っているだけだろう。英国政府の本音は、「デルタ株は恐ろしく無い」であると思う。

ーーーーーー 以上追加情報終わり ーーーーーーーー

 

元の記事:

今朝の記事では、具体的な数字に関してあまり書けなかった。そこで、英国から出された報告書16~17ページのテーブルを抜粋して掲載し、δ株に対するワクチン効果について、少し追加したい。

https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/1001009/Variants_of_Concern_VOC_Technical_Briefing_18.pdf

上のテーブルは、今年2月1日から6月21日までの英国における新型コロナδ株の感染数、救急受診数、死亡数である。それらは、大きな行見出しとなっている。夫々が更に、全体、50歳以下、50歳以上の3行に分かれて、人数が示されている。

 

4行目の大見出し、Cases with an emergency care visitsexclusion)は救急受診数だが、()内のexclusionは、救急受診と同時に検査でコロナ陽性と分かったケースは除いていることを示す。他の重い病気で受診し、たまたま陽性が判明した場合を取り除くためである。それを含めた数などは、元のテーブルを見ていただきたい。

 

一行目の列見出しだが、3 列目は全感染数、4列目は最近4週間の感染数(cases with specimen date in past 28 days)である。最近のケースは死者数には結びついていない場合をかなり含むので、伝染のステージを示すためだろう。α株など、既にピークを過ぎた株の死亡率などと比較する場合は、伝染のステージを揃えて比較する必要がある。第5列以降は、ワクチン接種に関する分類毎のデータを示す。

 

2)データの説明

 

ここでは、上のテーブル全部を(10行9列)の行列として、データの位置を示す。

例えば、2回ワクチンを打った50歳以下の人の、感染者数5600人(3行、8列)、一度は救急受診した人数exclusion)173人(6行、8列)、死者数2人(9行8列)である。上記緑色の数値を一列に並べて(5600, 173, 2)と表すと、50歳以下のワクチンを打っていない人の場合は、(70664, 2543, 21)となる。同様に、50歳以上の2回ワクチン摂種した人では、(5234, 264, 116)、ワクチンを打たなかった50歳以上では、(1267, 144, 71)となる。

 

このデータでは、ワクチン接種の人数が分からないが、ワクチンの効果の大凡は分る。それは全人口の60%621日ころまでに少なくとも一度ワクチン接種を終えているということと、全死者数の内、ワクチン接種者の占める割合を元に考えれば良い。

 

デルタ株感染で死亡した人(今年2月〜621日)257人中、少なくとも一回のワクチン接種者は163人(8行6〜8列の数値の和)で、割合は63.4%である。これはワクチン接種率より大きいので、ワクチン接種に死者数を減らす効果は無いことになる。

 

50歳以上の年代では、全死者数231名のうちワクチン接種者は68%である。感染者の内、ワクチン接種者の割合は、79.7%なので、この場合もワクチン接種して直ぐに効果が出ると仮定した場合でも僅かな効果しかないことになる。

 

同様に、救急受診の割合を見ても、ワクチン接種の効果はほとんどない。以上から、年齢を問わず、δ株感染後の重症化率に対するワクチンの効果はほとんどないというのが、結論である。

 

ワクチンがδ株への感染を減少させる可能性はある。しかし、最近の英国の毎日の感染数は35000人ほどであり、それは今年1月の一日感染者数の最大値の半分以上であるから、δ株の感染力が数倍になったのなら、一定の効果があったことにはなる。しかし、現在の日本政府が期待するように、実際の感染数をゼロ近くにする程の効果は無いだろう。もし、日本の流行が今後δ株が主となるのなら、ワクチン接種よりも治療法、例えば富山大の発明したモノクローナル抗体の実用化やイベルメクチンの利用などを考えるべきだろう。

 

α株、β株、δ株などの死亡率等の比較は、元報告の図3に年齢層に分けないでしめされている。その数値は、夫々1.9%, 1.4%, 0.2%である。闘病中の人が多いことも原因の一つであるが、デルタ株は三種の株の内、致死率が相当低い。δ株は、感染力は強いが、重症化率は相当低いのだろう。

ーーー 終わり ーーー

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