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2021年8月13日金曜日

デルタ亜種の新型コロナ対策を何故ワクチンに完全依存するのか?

追補:(8月14日午前9:40) 英国が用いたワクチンの半分以上はアストラゼネカ製だという指摘をもらいました。しかし、英国の40%以上はファイザー社製のワクチンが用いられ、それらを合わせてワクチンのデルタ株への効果は全くゼロでした。(https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000779400.pdf

 

更に、イスラエル首相はファイザー社のワクチンは予想ほど効かないと言っていますので、やはり結論は同じで、十分に警戒すべきです。https://news.yahoo.co.jp/articles/a7b94d86fa8dff07b82620b537f801beb68de320

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日本の新型コロナ肺炎(covid-19)デルタ株のエピデミック(流行、補足1)はいよいよ本格的になりだし、これまでの準備期間中にさしたる医療制度改革をしなかった付けを払う時期となったようだ。東京では中等症でも入院できない事態が生じ、在宅のまま死亡するケースが多くなりそうである。

この難局を乗り越える切り札と政府が考えているのが、ワクチン接種である。しかし、このワクチン接種による新型コロナを諦めた国がある。英国である。7月12日の本ブログに、英国の今年2月からの感染者の予後に関するワクチン接種効果の分析を紹介したが、その直後に英国が新型コロナに関する様々な規制の撤廃を決めたことが報じられ、それも追加で紹介した。

 


7月29日、英国のこの判断について、JIJI.comは英、“規制解除後に感染減少 「驚きの逆転」、政府は警戒”と題して、表題通りの驚くべき事実を紹介する記事を書いている。そして、今日、カナダ人ニュースさんのyoutube動画を見て、再びこの問題に関して書くことにした。

そして、7月12日の記事を読み、引用した英国の規制撤廃の記事は発信元の時事通信の記事としてはそのまま存在すること、また、ワクチン接種効果を分析した英国のデータも、引用した当時のものであることを確認した。https://www.jiji.com/jc/article?k=2021071300143&g=int

現在の英国の感染状況は、上記JIJI.comの記事の通りである。下に、その統計をいつものようにworldmetersから引用させてもらった。感染者数は7月17日をピーク(54000人)に減少し、7月24日から今日まで、ほぼ一定の日に30000人位の感染者となっている。


この図をよく見れば、新型コロナの感染ピークが4つあり、新しいピーク程死亡率が小さいことがわかる。英国のワクチン接種率は7月上旬、2回接種完了者が人口の50%を超えたと思われる。デルタ株が流行しだしたのは6月の始め頃だとすると、それほどの感染予防効果はワクチン接種には無いことが判るだろう。

実際、50歳以上の死亡率が非接種群で5.6%(1267人救急訪問者の内71名が死亡)である一方、摂取群では2.2%(5234人救急訪問者の内116名が死亡)になっている。勿論、この数字は直接比較出来る数字ではないとしても、ワクチン接種の明確な効果が見えてこない。

英国のジョンソン首相は、最初自然免疫を目指す方針をとっていた。その方針に英国が戻ったのは、全く新しい型のウイルス病の対策を、ワクチン接種に完全に頼るのは危険だからだろう。自然現象である疫病の制御を、政府が100%責任を持つことなど不可能であることを悟ったのだろう。

2)ウイルスも存続を賭けて変異している

上記サブタイトルは、良く引用される言葉を言い換えただけである。ウイルスが宿主を短期間に死に追いやれば、ウイルス自信も消え去ることになる。その結果、ウイルスは感染力を増し最大限の増殖を“目的”として変異する。東アジアに存在する「ファクターX」を突き破る強力なタイプでありながら、運動性に富む若い世代に対して低毒性の変異種ができたのである。

そのように考えると、ワクチンという”思慮の浅い”方法で、SARS-CoV-2というウイルスの絶滅を目指すのは愚かなことかもしれない。何故なら、それが失敗したときには手痛い反撃を食らうからである。つまり死亡率の高い新型ウイルス病が発生したとき、最善の対策はロックダウンであり、ワクチンではないということである。

中国は武漢のロックダウンを春節が始まる前に行わないで、春節(補足2)に入ってから行った。その長期休暇で、国内外に患者をばら撒いた後に、街をロックダウンしたのである。ロックダウンの日付を春節後に予告の上で設定したことは、世界の人類をこのような境遇に追い詰めた。

 

また、それまでの日数を稼ぐかのごとく、WHOや有力な学者を巻き込んで、人ー人感染はしないと内外に宣伝したことも、中国を追い詰めるトランプ大統領の再選防止のためではないかとなど、悪意に解釈する様に人を誘導する。李文亮医師の命を賭けた訴えを退けた中国政府の罪は重い。https://www.bbc.com/japanese/55967868

ワクチン接種を地球規模で行うことは、地球規模でそれらワクチンに耐性を持つウイルスを培養するようなものである。東アジアでは、当初新型コロナCovid-19の流行はあまり激しく無かった。ダイヤモンド・プリンセス号の船内での感染を最小限に出来なかった日本は無策を攻撃されたが、流行はそれほど大きくはならなかった。

そして、その低い流行に抑える新型コロナ防護壁として謎のファクターXが仮定された。最近、その正体が日本人の60%が持つHLA-A24細胞免疫であるという説が、東大から発表された。https://www.cell.com/cell-host-microbe/pdf/S1931-3128(21)00284-5.pdf

このアジア人が持つ新型コロナからの防護壁を破ったのが、デルタ型変異ウイルスだというのである。実際、台湾、タイ、マレーシアなどでは、2021年6月から急激に感染が広がっている。もしワクチンがつくられなければ、これらの国を含めて東アジアでは大流行には成らなかっただろう。(補足3)

 

今現在でも、ワクチンに効果があるとして、新型コロナ対策としてワクチンに全幅の信頼を置くのは、製薬会社の利益など何か別の利益を考えているのかと疑ってしまう。



台湾での毎日の新規感染者数:

2020年3月に小さいピークがあるが、本格的な流行は2021年6月に入ってからである。よく似たパターンがタイにも見られる。インドネシアやマレーシアも、2021年6月からの感染ピークが圧倒的に2020年のそれらよりも大きい。

 

補足:

 

1)新型コロナ肺炎のパンデミックを世界的流行と訳すことに抵抗を感じるのは私だけだろうか。流行とは、ファッションの流行などに使うとしても、疫病のepidemicに何故「流行」という言葉を使うのか。

 

2)春節は中国の旧正月である。

 

3)昔の江戸の火消しを思い出す。火消しの人たちは、火事を遠巻きに家を鳶口などで破壊して防火ゾーンを作り延焼を防ぐのである。ワクチンは、この例の延長で言えば、人の浅知恵で中途半端に水をかけて、消火するようなものなのだろう。それで失敗すれば、江戸の街全体が火に包まれることになるかもしれないのだ。

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