モンティ・ホール問題とは:
3つの見た目が同じ箱A, B, Cがあり、ホストがその内一つに当たりくじ、残り二つにハズレくじを入れる。その準備はゲストに隠して行う。
1)ゲストが最初に3つの内一つを選ぶ。箱は開けないでおく。
2)その後、ホストが残り二つの内、ハズレくじが入った箱を開けて(つまりホストは当たりの箱を知っている)、そこでゲストに「選択を変えても良いですよ」という。
3)ここで、最初の選択を変えないままにしたほうが、当たりの確率が大きいか、選択を変えた方が当たりの確率が大きいか、どちらでしょうか?
という問題である。
正解は、変えた方の当たりの確率が2/3で、変えない場合の倍である。
ウィキペディアの解説に以下の様に書かれている。
1990年9月9日発行、ニュース雑誌「Parade」にてマリリン・ボス・サヴァントが連載するコラム「マリリンにおまかせ」で、上記の読者投稿による質問に「正解は『ドア(本ブログでは箱)を変更する』である。なぜなら、ドアを変更した場合には景品を当てる確率が2倍になるからだ」と回答。すると直後から、読者からの「彼女の解答は間違っている」との約1万通の投書が殺到し、本問題は大議論に発展した。
投書には、1000人近い博士号保持者からのものも含まれていた。その大部分は「ドアを変えても確率は五分五分(2分の1)であり、3分の2にはならない」とするものであった。サヴァントは投書への反論を試み、同年12月2日、数通の反論の手紙を紹介した。
この騒動が面白くて、本ブログで紹介することにした。この問題を知ったのは、何時も中国問題について興味ある情報を配信している妙佛DEEP MAXというyoutubeサイトの中で、余談として紹介された時である。以下の動画の8分10秒あたりから始まる。
ここで大事なポイントは、ホストがハズレひとつを開けた後「選択を変えても良いですよ」と言ったとき、残り二つから「改めて選択する」のではなく、①最初の選択を変える場合と②変えない場合のどちらかから選ぶ点である。ここで、「改めて選択する」の意味は、最初の選択を忘れ、新たな2択問題とする場合で、当たりくじを手にする確率は1/2となる。
① ホストがハズレの箱を開けたあと「選択を変える」と予め決めて居た場合:
最初にゲストが正解の箱を選択した場合、ホストが次にハズレの箱を一つ開けたあと、必ず残りのハズレを選択する。一方、最初にゲストがハズレを選択した場合、次にホストが必ずハズレを選択してくれるので、ゲストは最初の選択を変えて、必ず当たりを選択できる。従って、正解の確率は3つの箱から最初にハズレを選択する確率の2/3となる。
② ホストがハズレの箱を開けたあとも「選択を変えない」と予め決めて居た場合:
正解の箱を当てるのは最初の選択で決まるので、その確率は1/3となる。
これだけの話なのに、誤解して10000通もの投書が届いたのは、問題を正しく言葉で伝達することがなかなか難しいということを示している。
ホストがハズレを選択して除外したあと言う「選択を変えても良いですよ」の言葉は、「選択を変えても変えなくても良い」の意味だが、人は得てして「自分が現在当たりを選択しているので、ハズレの方に誘導しているのだろう」と考えガチである。
ウィキペディアでは、この点からこの問題を「一種の心理トリックになっており、確率論から導かれる結果を説明されても、なお納得しない者が少なくないことから、本項~プロブレムの他、~ジレンマあるいは~パラドックスとも称される」と記述している。
(おわり;なお追補は削除しました;15:30;ややこしい表現に消去線を入れました;翌日13時)
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