ネット社会では、知性あるものは世界の情報にアクセス出来る。従って、ウクライナ戦争は米国によるロシア潰しの戦争だと言う情報が殆ど流れていない“先進国”は、日本だけだろう。それは、日本が先進国の中で例外的にデジタル化が遅れていることの証拠かもしれない。
そんな中で、異端のyoutuber神王TVが、ウクライナ戦争は米国がシンクタンクRAND研究所の報告をもとに、ヨーロッパ経済の破壊を目的に仕組んだものであるとの情報を探し出し、昨夜アップロードした。
その新聞記事とは、Nya Dagbladet(スウェーデン語で新しい日刊紙の意味)の外国ニュースで、英語で書かれている。 https://nyadagbladet.se/utrikes/shocking-document-how-the-us-planned-the-war-and-energy-crisis-in-europe/
2)その記事の要約欄の内容
冷戦中の外交および防衛政策に関するアメリカの戦略の背後にいたことで知られているシンクタンクのRAND研究所からの内部リークの中に、米国がどのようにヨーロッパにおけるエネルギー危機を計画したかが書かれている。
1月に作成されたこの文書は、紛争前にウクライナが計画実行した攻撃的な外交政策により、ロシアがウクライナに対して軍事行動を取らざるを得なくなるとしている。 その実際の目的は、すでに準備されていたロシアに対する幅広い制裁をヨーロッパに採用するよう圧力をかけることであった。
その論文の主は、欧州連合の経済は「必然的に崩壊」し、最大90億ドルの経済効果が米国にもたらされること、更に十分な教育を受けているヨーロッパの若者が米国に移住せざるを得ないことになると、その結末に喜んで言及している。
この文書に記載されている戦略の主目的は、使い易い馬鹿(補足2)を政治的立場に置くことによって、ヨーロッパ特にドイツとロシアを分断しロシアのエネルギー供給が大陸に到達するのを阻止し、ヨーロッパ経済を破壊することである。
尚、RAND研究所は、これからスウェーデンの新聞にでる報告は嘘であると事前にプレスリリースしたようだ。ただ、そのコメントは今回の話に何も影響しない。(補足3)恐らく、他のメディアに対し、この件は報告しないようにと圧力を掛けるためだろう。
3)本文からの抜粋を少し
「ドイツを弱体化させ、米国を強化する」という冒頭の見出しの下でRANDに署名された文書は、米国にとって最大の経済的および政治的脅威となっているドイツと、ロシアおよびフランスとの間の協力を破壊することで、大きな軍事的および政治的費用をかけずに、現在苦境にある米国全体の経済を救うための方法を提供することを目的とする。
この野望を阻む主な障害は、ドイツの独立性の高まりであり、とりわけ、英国のEUからの脱退(ブレグジット)はドイツにより大きな独立性を与え、米国が欧州政府の決定に影響を与えることをより困難にしたと指摘している.
「唯一の方法は、ドイツを含むヨーロッパとロシアをウクライナでの戦争に引き込むことである」と題したセクションで、ロシアからのエネルギー配達を停止することで、ドイツ経済に壊滅的な組織的危機をもたらし、間接的に欧州連合全体に壊滅的な影響を与える可能性があると述べている。
ロシアは明らかに、軍事的対応なしにドネツク人民共和国に対する大規模なウクライナ軍の圧力に屈するつもりはない。これにより、ロシアを攻撃的として宣伝することを可能にし、すでに策定されている制裁のパッケージ全体を実施することが可能になる。
最後に、RANDはこのレポートの提出を否定していると記している。
RANDコーポレーションは、レポートが彼らからのものであることを否定したが、レポートのどの部分が間違っているか、または正確であるかについてコメントはなく、単に内容が「奇妙」であり、文書が「偽物」であると書くだけであった。
終わりに:
ウクライナ戦争はグレートリセットの大きな構図の中で把握すべきなのだろうが、そのような構図を持ち出さなくても、米国経済の防衛というより小さな枠組みでなされたことがこの記事により理解できる。
不思議なのは、このRAND研究所の報告が報じられたのは9月14日である。そして、神王TVの上記報告は昨日である。今まで知らなかったのは、誰もこのスウェーデンからのニュースを読まなかったからなのだろうか? もし、既によく知られていたのなら、コメントをお願いします。
尚、9月末のBusiness Insider上でRAND研究所の報告について記したものには、今回の報告は引用されていません。
(11:35、編集、タイトルに?を付け加える)
補足:
1)1,850 人の従業員と 3 億 5,000 万ドルの予算を擁する RAND Corporation のシンクタンクは、「調査と分析を通じて政策と意思決定を改善する」ことを公式の目的としています。 主に米国国防総省と関係があり、冷戦中の軍事およびその他の戦略の開発に影響を与えたことで有名です。(記事本文の最初に書かれている文章の翻訳です。)
2)同盟90/緑の党の政治家であるアナレナ・ベアボック (ドイツ現政権の外務大臣、緑の党、) とロバート・ハベック (ドイツ現政権の副首相兼経済・気候保護大臣) は、米国により「米国のために操作されたこと、特にドイツ経済を破壊するという目標に操作されたこと」で感謝されているとして、記事内に写真が挿入されている。
追補(17時追加): 米国のグローバリストの道具として、気候変動問題がある。左翼は、過大に宣伝された地球温暖化仮説に煽られ、現状を度外視して炭素燃料の使用に反対する。従って、天然ガスの供給元としてのロシアの重要性に無頓着である。更に、理想主義を翳しロシアのウクライナ侵攻を批判する世論を煽る勢力として利用されるだろう。
3)この記事の最後に、その論文の存在を否定する内容のRAND研究所によるコメントが引用されているのだが、それが公式に米国政府に出されて居ても、居なくても、事実がそれに沿って動いているとしたら、そのモデルが正しいということになる。ウクライナ戦争の真実に関する理解が進んだとしたら、その論文が偽物か本物かということはどうでも良い。(しかし、本物である。発表後に国際社会に強い抗議がRAND研究所からなされなかったこともその証拠のひとつである。米国政府も抗議よりも国際的に広がらないことを最優先したのだろう。)
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