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2023年5月5日金曜日

デサンティスは次期大統領には相応しくないだろう

次期大統領選に共和党から出馬する可能性のある人物の中で、トランプと競合する相手と見なされていたフロリダ州知事のロン・デサンティスが、4月初めに人気を大きく落とした。その原因は、3月末にトランプが告訴された際、彼はトランプを護る姿勢を明確には示さなかったからである。

 

トランプを告訴したのはニューヨーク州のマンハッタン地区検事である。トランプが滞在するのは、フロリダ州パームビーチの別荘マー・ア・ラゴであり、トランプが出頭を拒否した場合、逮捕するにはフロリダ州警察に協力依頼しなければならない。

 

そこでデサンティスは、下らない罪状をでっち上げて告発したとアルビン・ブラッグ検事を非難し、「トランプの引き渡しには協力しない」と明確に言えば、名ばかり共和党員(RINO)の一人であったとしても、トランプ支持派の人気を得ただろう。

 

トランプの強力な支持を得てフロリダ州知事に当選したのだからそうすべきだった。独自の判断ができる政治家だという印象を、無党派に広げることも出来るチャンスだったのに、それを逃し「その件には関与しない」という発言にとどめたのである。

 

それだけの反応では、左翼検事であるアルビン・ブラッグの無理筋の告訴に対するまともな非難とはならない。その結果、デサンティスは利己的な人物として、大きく党内支持率を下げた。

 

現在、民主党からロバート・ケネディJr.とバイデンが、共和党からトランプが大統領選への出馬意思を表明している。デサンティスは4月下旬、出馬意思を表明しないまま、しかし明らかに出馬の準備のために、日本、韓国、イスラエル、そして英国を訪問した。

 

そこで、外交にも関心があるとの評価を得たのち、立候補の声明を発表する予定だったのだろう。結果的にはここでも躓くことになった様だ。デサンティスはイスラエルにおいても次期大統領選への出馬意思を明確にしないで、このキャンペーンを続けたのである。(補足1)

 

そして、トランプ氏の名前には触れなかったが、トランプ氏が決定する数ヶ月前に、米国大使館をテルアビブからエルサレムに移すよう促したと発言した。

In Israel, Ron DeSantis Promotes His Foreign Policy Credentials - The New York Times (nytimes.com)

 

この件、youtube張陽チャンネルでは、嘘であると断定している。トランプにとっては、当時デサンティスは無名の一下院議員であり、連絡を取り合う仲ではなかったからである。(補足2)

イスラエルでそれを自慢げに喋ったことで、デサンティスの器の小ささが証明された。https://www.youtube.com/watch?v=73UwLfcoZL8

 

 

これまで、大統領になった場合に必要な情報を得るべく、大統領候補が世界の首脳を訪問するのは特別に珍しいことではないようだ。実際、オバマも2008年6月に民主党候補となった後、中東(ヨルダン、イスラエル)とヨーロッパ(ドイツ、フランス、英国)を訪問している。

 

何故、デサンティスは出馬する意思を事前に明確にしなかったのだろうか? それは自分の失敗の方を心配したからだろう。つまり次期大統領になる器の大きさが証明されていないことを自覚しているのだろう。

 

最後の訪問先の英国では、評価は散々だったようだ。首相のスナクには会えず、そのほか貿易担当や外務担当の大臣とは会ったものの、単に退屈な男との評価しかもらえなかった。だいたい、一州知事というだけで、首脳と会って何を話すのか?

 

張陽さんは、大統領候補として名乗りを上げれば、判断力に乏しい人間だと評価されるだろうと予測している。

 

終わりに:

 

オバマは2008年、中東とヨーロッパを訪問したが、デサンティスはオバマの訪問したイスラエルと英国の前に日本、韓国を訪問している。これは、今後日本と韓国が切迫した情況になることを予想した上のことだろう。考えられるのは台湾有事である。非常に心配である。このままでは、日本は米国と中国の代理戦争を戦うことになる可能性が大きい。

 

韓国大統領はその準備のためか米国を訪問して議会で演説した。そして、朝鮮戦争での韓国防衛に協力したとして、米国に感謝の言葉を述べている。そして、G7広島会議にも出席する予定である。日本国民も、もっと台湾有事が近くなっていることを真剣に考えるべきなのだが。。。

 

補足:

 

1)日韓は米国に隷属する格下の国であり、いずれにしても丁重に対応するだろう。しかし、イスラエルと英国は、そのようにはいかずまともに評価される。一地方の知事で大統領候補にもなっていないのなら、外国の首脳を歴訪するのはやはり異常だろう。「私の貴殿訪問の目的は言いたくない。しかし、私は貴方と会って、その光景を報道陣に披露したい」という譬えは失礼か?そのような相手には会う必要がないことを、明確に示した英国スナクの対応がまともだろう。

 

2)イスラエルの首都はエルサレムである。大使館を首都に置くことは利便性から当然のことである。しかし、エルサレムはユダヤ教、イスラム教、キリスト教の聖地であり、イスラエルはパレスチナ問題でイスラム諸国と対立しているので、米国でさえもエルサレムに首都を置くことを遠慮していた。従って、「エルサレムに大使館を移したらどうか」と言うことに独創性はない。その件で新しい提案をする資格は、大統領府の人間にしかないし、それを提案したかどうかには何の意味もない。それを自慢たらしくイスラエルで言うことは、異常である。

 

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