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2023年5月22日月曜日

広島でのゼレンスキー演説の白々しさ

この記事が十分に理解されていないと考え、ウクライナ侵略が始まる10日ほど前に書いたウクライナ危機(後に戦争)の原因についての説明を要約して補足1に追加しました。(21:30)

 

G7に招待されたゼレンスキー大統領の記者会見での演説と質疑の全文が、日本経済新聞のネット記事に掲載されているので読んでみた。https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB2137F0R20C23A5000000/

 

正直にその印象を言うと、これほど白々しい演説は初めてである。普通の知性をもった政治家なら、以下に要約するゼレンスキー政権の本質が見抜けない筈はないが、岸田政権の人たちも例外ではないことを期待したい。

 

このような大統領の率いる国の戦争には、日本は関わるべきではないと思うが、そのような姿勢は現在の岸田政権には全くみられない。それのみならず、まるで世界の英雄のようにゼレンスキーを招待・処遇し、世界の指導者との会見の場をプレゼントした。

 

もちろん、政治は多く(ポリ)の因子が関わる現象(ティックス)なので、日本の生存のためには仕方ない面があるかもしれない。しかし、国会に牛歩戦術があるなら、ウクライナ支援もそのようにゆっくりとやるべきだと思う。

 

以下にゼレンスキーの演説の文章の一部を見てみる:

 

世界に戦争は存在すべきではない。人類は長い歴史で多くの生命を戦争により失った。人類の歴史は戦争なしでは想像できないともいわれるが、それでも私たちは戦争をなくさなければならない。

 

この出だしの文章を、これまでのゼレンスキー政権の政治と外交を頭において読むと、上記評価が理解してもらえると思う。

 

ミンスク2合意を実行すれば、ウクライナでの内戦を無くすだけでなく、ロシアの侵略も無かった筈である。せっかく前政権が作った平和への路線を反故にしたにも関わらず、この言葉で演説を開始できるのである。その強心臓に驚く。(補足1)

 

(ウィキペディア、ミンスク2から)

 

因みに、ミンスク2合意は、20152月に欧州安全保障協力機構の監督下、ドイツとフランスの仲介でロシアと調印した、ウクライナ東部での内戦を終結させる合意である。そこの多くの住民はロシア人であり、ロシア語が用いられている。(補足2)

 

東部での内戦終結も約束した上での大統領選立候補だった筈である。大統領就任後70%以上の支持率、しかもそ就任2ヶ月後の選挙でウクナイナ史上初めて単独過半数を与党が獲得しただから、それが実行できない筈はない。

 

それにも係らず、少数の右派の意見を聞く形で、ミンスク合意を反故にしたのである。(以上、ウイキペディア参照) これだけの情報を頭に入れて、ゼレンスキーの演説の出だしを見てもらいたい。これが白々しい印象を受けた理由である。次に、演説の中ごろの文章を引用する。

 

国際法の地位を取り戻し、世界を平和にすることには、もうひとつ重要な効果がある。それは将来、他国を攻撃しようと考える国家を止める手段になるということだ。ロシアが、世界で最後の侵略国になりますように。この戦争が終わったあとは、世界でずっと平和が続くように祈っている。

 

欧州安全保障協力機構という国際的な枠組みの中で、ポロシェンコ政権がドイツとフランスを仲介者に作り上げたミンスク2合意を反故にしながら、「国際法の地位を取り戻す?」というのは、やはりどう考えても厚かましい。

 

日本国民は、ロシアの侵略の一因は、ゼレンスキーのNATO加盟の姿勢とミンスク合意反故であったことなどの事実をパソコンの前に座り5分間かけて勉強すべきだ。(補足3)

 

2)2019年の大統領選挙の記事から

 

ゼレンスキーが大統領になったのは2019520日である。大統領選挙では、ソ連崩壊後の新興財閥(オリガルヒ)コモロイスキーの支援を受けながら、それまでのウクライナの腐敗した政治を攻撃して、前任者のポロシェンンコを破って勝った。

 

腐敗の中から腐敗を攻撃する形で大統領になったのである。その腐敗の中心に居るユダヤ財閥のコモロイスキーという人物の操り人形的に、その後彼は動いたのだろう。以下に、2019/11/22 にアップされた産経新聞の記事の2-3行を引用する。

https://www.sankei.com/article/20191122-B4QVCIEPCZPGHCTGLDVGJ6S7CE/

 

政治経験の全くなかったゼレンスキー氏は今年春の大統領選で現職のポロシェンコ氏に圧勝した。ゼレンスキー氏は、ウクライナの宿弊である腐敗の撲滅、公共料金の値下げや賃上げによる生活水準向上、東部紛争終結を訴えて勝利した

 

その記事に、2019年の9月には80%の国民がゼレンスキーを支持しているが、半年後の201911月には68%とまりだと書かれている(!)。繰り返すが、その高支持率の下で、東部ドネツク地方の内戦をミンスク2の合意に従って終結しておれば、ロシアの侵略はなかっただろう。

 

そして上記ウクライナの政治腐敗の中に、現在の米国大統領であるバイデンとその一族がいた。ゼレンスキーが2019年に大統領になった直後、米国のトランプ大統領がバイデン一族のウクライナでの様々な疑惑の調査をしてほしいと要請したというニュースが流れていた。(補足4)

 

ゼレンスキーは全く聞く耳を持たなかったことが思い出される。その頃(2019106日)書いた記事を引用する。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12533192410.html

 

以上の情報だけでも頭におけば、現在のウクライナ戦争の本質が推察できるだろう。そのうえ、米国民主党政権の本質まで見えてくる。現在の国務次官の女性の方(ビクトリア・ヌーランド)が工作の中心となり、ポロシェンコの前任者であるヤヌコービッチ大統領をクーデターで追い出したのが2014年である。

 

現在、ウクライナの60歳までの男性が出国禁止であり、批判報道などは完全に独裁的に遮断されている。この大統領のすごさを、すべての角度から日本人は学ぶべきだ。

 

 

補足:

 

1)ここでは強心臓としたが、別の見方では、我々日本人をバカにしているとも言える。質疑の最後に書かれている「日本期待すること」には、インフラ復興の技術支援と言っているが、本音は復興資金だろう。

 

追記: この記事では最も中心的なことが自明のこととして省略されています。それは、①ソ連崩壊後にIMFなどが絡んで国有企業の民営化が行われ、その結果ロシア企業の多くがユダヤ系資本に奪われたこと、それを②一旦KGB出身のプーチンが大統領になって取り戻したこと、そして③それに対する報復としてロシア潰しの戦争が計画され、2004年のオレンジ革命、2014年のマイダン革命、東部地域でのテロリズムなどでロシアによる侵略を呼び込み、戦争の口実としたこと。ゼレンスキーは米国によるプーチンロシア潰しのために雇われた人物と考えられます。これらについては、ロシアがウクライナ侵略を開始する前に本ブログで考察しています。ウクライナ危機について:米国はNATOの東方非拡大を約束すべき | Social Chemistry (ameblo.jp)

 

2)一度は一つの国だあったソ連邦の中にウクライナもロシアも当然含まれていた。しかも、ロシアの原点にキエフ大公国があったようである。ソ連解体のとき、国境線の画定を慎重にやっておればこの内紛も軽減されただろう。この国境線の問題が中東などでも紛争の原点にある。

 

 

 

3)勿論、ロシアのウクライナ侵略は国際法違反であり、非難するべきだろう。しかし、関わるべきではない。ただ、隣国が他国に乗っ取られた状態で、着々と軍備増強し、最終的に仮想敵となっているNATOのミサイル基地が建設されるまで、国際法という建前を遵守して何もしない国家はないだろう。日本が朝鮮に出兵して日清戦争が始まったことを考えるべき。国際法は、覇権国が中小の弱小国を動かすための道具にすぎない。米国がオバマ政権時に、無人機を外国に飛ばして数千人殺したのは、すべて国際法違反である。そしてなによりも、G7の現場である広島への原爆投下は最も重大な国際法違反である。

 

4)バイデン大統領の息子のハンターが、石油工業などには全くの素人でありながら、ウクライナの天然ガス会社であるブリズマの重役になって、多額の給与をもらったなど、当時ウクライナを担当していた現大統領のバイデン一族の疑惑は、今だ隠されている。

(9:00補足3;10:20編集後最終稿)

 

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