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2024年12月7日土曜日

ウクライナ和平は来年1月20に達成されるかも

ウクライナの方の日本語Youtubeチャンネル:U-Timesで、ウクライナ和平が1月20日に実現する可能性が高いとの発信がなされているので紹介したい。(補足1)U-Timesの発信者であるBOGDANさんは、これまでウクライナ戦争の戦況や評価をウクライナ側に立って発信されてきた人である。

 

2016年の大統領候補時代、トランプ次期米国大統領の外交アドバイザーだった陸軍(退役)中将のJoseph Keith Kellog Jr. (以下ケロッグ氏) が特使(補足2)となって、ケロッグ氏らが取りまとめた和平案に沿って交渉が進められているという。https://www.youtube.com/watch?v=rRDqm7y3eDM

 


ウクライナのネット新聞であるKyiv Independentや、ドイツ国際公共放送のDWnews(Deutsche Welle)も、トランプ次期米大統領の任命したケロッグ氏はウクライナとロシアの間で中立的であり、その提案は受け入れ可能であると報じている。

 

Kellog氏がまとめたウクライナ和平案

以下のBOGDANさんの解説に於ける和平案は、4月に出されたケロッグ氏らによるオリジナル案を踏まえているが、裏で進行している交渉を踏まえた最新の和平案だと解釈される。


先ず、西側はプーチン政権を一方的な悪とする評価を改めて、ロシアの国際的孤立化策を中止する。そして、以下の条件を提示し、ウクライナとロシアを和平交渉の場につかせる。

  ウクライナのNATO加盟を10年間延期する。

  現在ロシアが占領する領域をロシアの管理のままに保存する。
  停戦後に残存しているロシア制裁を段階的に解除する。

  ウクライナはこの地域のロシアによる併合を認めなくて良い。

  ウクライナはロシア支配域を奪還する為の軍事行動はしない。

  ウクライナへの軍事支援と安全保障を継続するが、交渉を拒否するなら軍事援助は打ち切る。
 

停戦後にウクライナへの監視団として英国とフランスが軍隊を派遣するように交渉が進んでいる。場合によってはドイツも監視団に参加する可能性があるという。(補足3)


この案にプーチン露大統領は既に同意しており、この案で国民を納得させる準備を配下に指示したと報道されているという。なかなか納得しない過激派がロシアに多くいるとBOGDANさんは話す。

なお、ロシア制裁の解除は現在苦境のロシア経済を救うことになるが、ロシアがこの案を受け入れない場合には、現在進行中のシリア内戦をアサド政権側の全面的敗北となると圧力をかけていると話している。

BOGDANさんは、今回のシリアのアサド政権側への反政府派の攻撃は、トランプ次期米大統領とトルコのエルドアン大統領との連携でなされ、ロシアをこの和平案へ同意させる為の圧力として利用する目論見があったと解釈しているようである。(補足4)

またBOGDANさんは、エルドアンとトランプの両氏は、ウクライナ戦争の停戦実現により歴史に名を残し、ノーベル平和賞の獲得を考えていると推測している。(補足5)

 

因みに、Kyivインディペンデント誌は、ドナルド・トランプ次期米大統領が11月27日にキース・ケロッグ氏をウクライナとロシア担当の特使に任命したことは、キエフにとっては(ケロッグ氏の和平案は)理想的ではないが、受け入れ可能で妥当な選択だとアナリストらは言うと書いている。

 

 

 

補足:

 

1)1月20日はバイデン政権が終わる日であり、且つトランプ政権の始まる日である。この日をBOGDANさんがどのように導いたのか、或いは知ったのかは分からない。しかし、もしこの日にウクライナとロシアの和平が実現すれば、バイデン政権も一部この和平実現を助けたということになり、政権移譲の障害となりにくいと考えたのかもしれない。

 

2)トランプ氏は1月6日の上院で次期大統領に決定される予定であり、正式には次期大統領ではない。従ってケロッグ氏は私人トランプ氏が政権を担ったときに予定する特使であり、バイデン政権の特使ではない。従って、このような和平案とそれに基づく話し合いに公的な権威は全くない。

なお、民間人がアメリカ政府の公式な外交政策を妨げたり、取引を行ったりすることを禁止する法律としてローガン法があるので、それに触れないように注意が必要だろう。

 

3)ウクライナへの監視団としてNATO加盟国が参加すれば、それは継続的なウクライナ支援とも考えられ、ウクライナのゼレンスキー政権にも受け入れやすい。これにロシアが同意するとすれば、それはプーチン露大統領がトランプ次期政権に対して信頼感を持っているからだろう。

 

4) この作戦は、レバノンのヒズボラに兵器を送るシリアを攻撃するという目的があったようだ。この辺りについては、以下のブログが詳細に解説しています。

 

 

5)政治家なら歴史に名をのこすと言う野望はあるだろうが、ノーベル賞はそのような活動の目的とはなり得ないと思う。BOGDANさんはノーベル賞を過大評価し過ぎであると私は思う。

(14時、編集)

 

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