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人類史の本流は中華秩序なのか、それとも西欧型秩序なのか

1)米国が露呈させた中国共産党政権の真の姿と日本の課題   日本が抱えている最重要な課題は、コロナ問題や拉致問題等ではなく、表題の問に対して明確な答えと姿勢を持つことである。短期的な経済的利益に囚われないで、現在が世界の歴史の方向が決定される時なのかどうかを考えるべきである。...

2022年6月3日金曜日

ネオコンとはどのような人たちなのか:世界の複雑化

追補:

以下のネオコンの説明は、6月4日アップされた馬渕睦夫元ウクライナ大使によっても解説されています。つまり:

 

「レーニンの考えを受け継いだ(トロツキーらの正統派)ボルシェビキらが米国でネオコンになったという話は、今徐々に明らかになりつつある(要約)」と明確に語られている。   

 

(6/5/19時追加)

ー-------

米国の世界政治が議論される際、ネオコンとかディープステートなどの用語が頻繁に現れる。つまり、ネオコンがディープステート(深層政府)を形成して、米国の政治そして世界の政治を支配しているという具合に用いられている。

ここでネオコン(neocon)は、 新しい保守主義(neo-conservative)の短縮形で、米国で”新保守主義”を看板に掲げる人たちを指す。この用語が、最近youtube「もぎせかチャンネル」において、茂木さんと日本人ユダヤ教徒である吉岡孝浩さんにより解説されたので以下に簡単に紹介します。

 

https://www.youtube.com/watch?v=a-bdqTNCqRI

茂木誠さんによるネオコンの説明:

ロシア革命のあとレーニンが亡くなり、世界同時革命を目指すトロツキーと一国社会主義革命を主張するスターリンの対立が起こった。スターリンがこの権力闘争を制し、トロツキーとその一派の多くは殺され、一部が米国に逃げた。彼らのほとんどはユダヤ系であった。

米国の中心層は、アングロサクソン&プロテスタントの白人(WASP)の移住者だったので、彼らロシアからのトロツキストのユダヤ人達は米国でも差別を受けることになった。かれらの多くはマイノリティの味方に見えた民主党の支持者となった。WASPの多くは共和党を支持者であった。

カーター政権(1977-1981)の頃より、米国はソ連に宥和的になった。彼ら元トロツキストユダヤ人は、そんな民主党に反発して共和党に寝返った。そして、自分達を新保守(ネオコン)と呼ぶことになった。


この解説に吉岡さんが補足をした。ドイツから流れたユダヤ人、例えばジェイコブ・シフ(Jacob Henry Schiff)などは、それほどの差別を受けないで伝統的に共和党を支持していた。彼らも民主党の対ソ宥和政策を批判し、ネオコンと歩調を共にした。(補足1)

2)以上の定義を用いた米国政治の考察を少し:


このトロツキーの支持者が米国に流れ込んで、ネオコン勢力となって大資本家共和党ユダヤ人に合流したという話は、共和党には二つの勢力が存在することの理解を容易にする。一つは米国は孤立主義を採るべきだとするWASPの勢力であり、もう一つはグローバリストのネオコン勢力ということになる。レーガン政権以降の他国へ干渉する共和党政権の理解を容易にする。

他国への介入は、グローバリストのほかに軍産共同体と呼ばれるネットワークも密接に関係協力して進められたのだろう。他国に米国の価値(自由と民主主義)を輸出するという形で、政治と金儲けの境界を曖昧にして”グローバル化”が進められたと考えられる。

グローバリストとは、現在の主権国家体制を消滅させ、彼ら米国の大資本家を中心にした世界帝国を創ろうとする人たちである。彼らは、国境の意味を消滅させ、世界を不安定にしている。この活動は、その主体が様々な人たちで構成されていることもあり、金儲けと政治的理想主義の本音と建前が交錯した玉虫色をしていると思う。建前は、旧トロツキストの理想主義者が、金儲けの現実主義は、大資本家が受け持っているのではないだろうか。(この二つは同一人が持つことが多いだろう。)

トランプが大統領になって以降、共和党のネオコン勢力が薄まることとなり、グローバリスト民主党と主権国家体制を守る共和党の対立の図式が鮮明になった。その結果、日本などにもトランプ支持者が大勢生まれることになったと思う。

3)マイノリティの世界支配と複雑な権力構造:

グローバリストの地球国家建設構想は、トロツキーの世界同時共産革命同様、現実的視点に欠ける。彼らは、西欧が築いた近代の政治外交文化である主権国家体制を否定する。その国家を否定する心の中に、ヨーロッパで迫害を受けた民族の黒い恨みの感情が混ざり込んでいるように思う。

マイノリティとしてその国の中に見えないように溶け込むには、彼らとそのネットワークは優秀すぎたのだろう。小さい自分達勢力がマジョリティを誘導しまとめ上げ、その中で民族の恨みの解消を図るには、複雑な構造の権力を作り上げねばならない。それには近代西欧が作り上げた明解な政治文化は否定されなければならない。

その近代西欧文化の上に国家を作り上げた諸国民にとっては、彼らの“近代法を超えた価値観”の強要には辟易とする。(補足2)

なお、陰に隠れて政治を支配しようと考える人たちは、公的組織(補足3)の他に、秘密結社なども形成してネットワークを広げている。フリーメイソンやイルミナティなどの世界的な組織からイエール大学のスカル&ボーンズ(補足4)のような狭い組織まで、人脈を作り上げて秘密裏に活動することが彼らの常である。彼らは、世界を複雑怪奇にしつつある。
(6月2日に一旦投稿しましたが、その後全面的に改訂しました。6/3 6:00; 表題変更9:06/4/5:00編集あり)

補足:

1)Jcob Schiff らが第二派として米国移民をしたと言う説明があったが、第一派が旧トロツキストだとすると、時代的に話が食い違う。何故なら、シフは1865年に一文なしで渡米したとウィキペディアに解説されているからである。トロツキーらがスターリンにより弾圧されたのは20世紀に入ってからである。このあたりは単なる思い違いだろう。

2)米国の有力な圧力団体であるサイモン・ヴィーゼンタール・センターのアブラハム・クーパー副館長の新潮社編集部の取材に対する言葉は、ユダヤ人グローバリストらが近代西欧文明の価値を否定する姿勢を如実に証明している。「率直にお話ししますが、個人的に言うと、私は原爆投下は戦争犯罪だと思っていません」(「新潮45」2000年12月号) 。その他、事後法で第二次大戦後の戦争犯罪を裁くなど、この21世紀をジャングルの法の支配に戻すのは彼らではないのかと思ってしまう。

3)大統領に直接任命される上級官僚の組織のSES(Senior executie service)が、ディープステートの実働部隊としてカーター政権の時に作られたという解説があるので引用しておきます。https://www.youtube.com/watch?v=EHeuNIQ9i68
 

4)歴代のCIA長官は、殆どエール大学の同窓生が創るスカル&ボーズのメンバー(ボーンズマン)である。トランプ政権の時に指名されたマイク・ポンペイオ(その後トランプ政権の国務長官)は、例外的にボーンズマンではない。

 

2022年5月31日火曜日

ダボス会議でのジョージ・ソロスとヘンリー・キッシンジャーの講演について

元米国務長官のヘンリー・キッシンジャー氏が、ダボス会議でウクライナ問題の現実的解決法を提案した。これについては、25日のブログに紹介した。つまり、「ウクライナは、ロシア侵攻の日以前に支配下に無かった領域をロシアに割譲すべきだ」とダボス会議で発言したのである。(補足1)

 

キッシンジャー氏の考えは、「平和は諸国の力の均衡の結果としてもたらされる」という現実主義の考え方をロシアとNATOという二つの極を持つヨーロッパに適用した場合、ウクライナは緩衝地帯の宿命から逃れられないという地政学的考察に基づくのだろう。そのFreddy Grayという英国の方の解説を25日のブログ記事に紹介した。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12744727488.html

 

ダボス会議の出席者は、その講演の数時間後に同じ問題に対する全く異なる提言を、ジョージ・ソロス氏から聴くことになった。ソロス氏は、ウクライナにおける2004年と2014年の政変に深く関わってきたこと等、米国の政治に深く関与して来たことで知られる世界的投資家である。(補足2)

 

Wall Street Journal(以下WSJ)の25日の社説記事によると、ジョージ・ソロス氏は「世界の文明を救うためには、ウクライナのロシアに対する戦いを勝利に導かねばならない。そのためにウクライナが必要なもの全てを西側諸国はウクライナに提供しなければならない」と講演で喋ったのである。(補足3)https://www.wsj.com/articles/dueling-approaches-to-world-order-war-ukraine-putin-russia-china-davos-kissinger-soros-foreign-policy-peace-11653509537

 

 

2)Wall Street Journal のオピニオン:

 

この二人の発言について、上記WSJの社説(オピニオン)が以下のように解説している。

この二人のナチスから米国に逃れたユダヤ人移民によるこの戦争の解決方法提案は大きく異なるが、事態の把握という点ではおおむね一致している」。

 

二人が一致している点: 米国の価値と利益は、欧州の平和擁護を米国の外交の主目的とする。そして、二人は自分自身をヨーロッパ文明の擁護者であると考えている。また、この件が世界のシステムショックを与え、長期の軍事的混乱となることを恐れている。更に、米国にとってロシアは二番目の問題であり、長期的に中国との関係が最重要課題だとしている。

 

両者の具体的処方が大きくことなるのは、彼らが守るべきと考える秩序と文明の側面が異なることによる。
 

ソロス氏の考えはバイデン政権のと同じである。
 

二人の意見が異なる点:

 

ソロス: 今般の世界政治の動向を民主主義と全体主義の抗争と捉え、プーチンのウクライナへの攻撃は、国際秩序の基礎原理に対する攻撃であり、その排斥が必須だと考える。もし、プーチンの企みが通れば、 国際政治は「強きは出来ることを何でも行い、弱きは苦しみに耐えるのみ」というジャングルの法則に支配されることになる。

 

これに対してキッシンジャー氏の現実論的考えは、ソロス氏の理想主義からずっと遠い。

 

キッシンジャー: 世界には多くの異なったタイプの国家が存在する。米国がやるべきは、力のバランスを築き上げ維持することである。力の均衡は、我々と同盟国の自由をより小さいコストと危険性で守ることになる。

 

ロシアと中国を民主主義に改宗させる使命は、我々(米国)に無い。我々は、ライバルである大国の権利と利益を認め(尊重し)なければならない。平和維持のために、ロシアがヨーロッパの国家制度の重要な一員であり、未来においてもそうあり続けることを認識しなければならない。

 

WSJの社説は、どちらも完全に上手く行くという方法ではないとして、史実を引用して解説している。最後に、今後の世界の困難について述べている。

 

ウクライナは、西側、経済、そして軍事からの多大な支援なしには、長い戦争と戦うことはできない。ウクライナが生き残りの戦争に持っているすべてを費やすとき、その通貨はどうなるのか? 米国もEUも十分な経済援助など出来ないだろう。世界中で食糧不足や飢餓を引き起こし、政情不安が世界に広がったとき、欧米諸国は対応出来るだろうか?


 

3)私の考え:

 

WSJの社説氏は、ジョージソロス氏を恐れているのか、結論を誤魔化している。これまでの米国のウクライナへの関与、つまり2004年のオレンジ革命や2014年のマイダン革命と呼ばれる政変から一貫してウクライナの政変を支援してきたのは、米国のジョージソロス氏らが支持する勢力であった。(補足4)

 

その最終段階で、世界を第三次大戦の惨禍に導いてでも、ウクライナにロシアを叩かせようとするのがソロス氏の考えであり、その正当化が上記弁明である。キッシンジャー氏は、世界の惨禍を避けるために、それを諦めさせる提言を行ったのである。二人の考えは併立させて議論するものではない

 

つまり、ロシアが全体主義国家かと言えば、そうではない。投票で大統領を選ぶ国であることには、米国と変わりはない。そして、財閥が政治的な力を持つことや、諜報機関を動かして政敵を排除することもあるという点も、米国と同じである。
 

米国の現政権は、上記ソロス氏のモデルに基づく「プーチン・ロシアの殲滅こそ世界平和の条件である」と言う思想を、同盟国に強要しているのである。

 

補足:

 

1)この考えは、バイデン政権の考え方から遠く且つ非常に大胆な提言なので、びっくりした。ただ、キッシンジャー氏はトランプ政権誕生後暫く相談役だったので、考えてみれば全く意外という訳ではない。なお、以下に引用するWSJの記事はこの領土割譲の範囲を2014年以前の支配域(クリミヤとドンパス地域の一部)としている。

 

2)ウクライナへの上記関与の他、ここ2−3年のホンジュラスから米国へ向かう不法移民キャラバンを支援してきたのが、ソロス氏のオープンソサエティ財団(open society foundations)である。

 

3)この喋り方は、ジョージ・ソロス氏が今回のロシアつぶしの主人公に聞こえる。その通りであることが知れても、構っておれないという位の熱(傲慢さ)を感じる。

https://www.youtube.com/watch?v=VaSwl8B_A7Q (5月30日の及川氏)

 

 

4)ソ連時代には、ウクライナはロシアとともにソ連の中核を為した国である。そして、NATOが対ソ連の軍事同盟として創られ、現在は対ロシアの軍事同盟である。それらを考えれば、2004年のオレンジ革命、2014年のマイダン革命などと呼ばれるウクライナの政変から今年224日までのウクライナでの軍備増強は、NATO(主に米国)とウクライナの反ロシア勢力が結託した、ロシアに敵対するフロントラインの構築に他ならない。

 

この事情は、29日に「豊島晋作のテレ東ワールドポリティックス」で、帝政ロシアの時代からのヨーロッパの歴史を振り返る形で解説されている。

https://www.youtube.com/watch?v=9j_-bJnp3Z8

2022年5月25日水曜日

キッシンジャー元米国務長官が「ウクライナはロシアに領土を譲るべき」と発言

冷戦期の米国務長官(ニクソン&フォード政権時)だったヘンリー・キッシンジャー氏が今年のダボス会議で表題のような驚くべき発言を行った:

 

ウクライナはロシア支配地域の割譲という代価を支払ってもロシアとの和平を進めるべきである

https://www.youtube.com/watch?v=sC5GNKNkEr4(補足1)

 

 

そして:

思考の上だけの話では境界線を戦争前の現状に戻るべきだろう。 それを超えて戦争を追求することは、ウクライナの自由ではなくロシアに対する新たな戦争である。(補足2)

Ideally, the dividing line should be a return to the status quo ante. Pursuing the war beyond that point would not be about the freedom of Ukraine, but a new war against Russia itself.

 

この発言を紹介したあと、このCBN Liveの動画の司会者は、解説者として招いた「The Spectator(英国の雑誌)」の副編集長Freddy Gray氏に、「キッシンジャーのこの発言は重要ですか?」と聞いた。

 

F. Gray氏は、以下のように話をした。(前半部分のみ簡略化して引用します。)

キッシンジャーはヨーロッパにおける力の均衡の重要性をよく理解している人である。」「ヨーロッパ諸国政府の間で明らかにこのような大きな話が進んでいる。つまり、もしロシアが熟考の上で撤退したのなら、彼らを罰すべきなのかどうかなどである。

 

鷹派の英国は「プーチンにこの件で対価を与えるべきではない」と反対するだろうが、当事者双方が戦争を止めたくないとしても、この戦争をやめさせるべきだとしたら、その英国の主張は間違っている。つまりヨーロッパでの国境の安定(つまり力のバランス)を考えた場合、ウクライナは中立であるべきである。キッシンジャーはこのようなことを言っているのであり、かなり良い考えであると思う。

 

あのキッシンジャーがダボスでこのような話をしていることに驚き、更に、英国の雑誌編集者米国のメジャーなテレビ局が運営するサイトで、このような現実的な話をしていることにも驚く。

 

もちろん常識的な話なのだが、グローバリストの国の、その中心に居た人物キッシンジャーによる発言だったので驚いたのが一つ。それを米国の会社の運営サイトで英国の雑誌編集者が、話の中核部分を彼らの母国での政府と完全に独立して話ができていることに驚いたのがもう一つの理由である。この情況下でも英米では(日本と違って)言論の自由が存在したのだ。

 

日本のテレビ局やそれらが運営するネット動画等で全くこの種のまともな話が聞けないのは、日本が米国の一部の思想に完全支配された全体主義の国だからだろう。なお、「ウクライナは中立をまもるべきだった」は、私のこのブログサイトでの一環した主張でもある。(補足3)

 

補足:

 

1)このキッシンジャーの発言を知ったのは、「ニューヨークサバイバル」の動画を視聴した時です。https://www.youtube.com/watch?v=mMsK8G8j95Q

 

2)戦争前の現状とは、クリミヤとドンパス地域(ミンスク合意の時に自治を与えるべきとされた地域)をロシアが領有するということになる。

 

3)「ゼレンスキーはウクライナの地政学的運命を受け入れ、NATO非加盟を宣言すべき」

https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12730387626.html (36日)

「ウクライナの件:ウクライナは武装中立の立場をとるべきだった:」

https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12728559999.html (224日)

 

 

 

2022年5月19日木曜日

沖縄返還50周年と戦後日本の平和教について:

15日、沖縄返還50周年の記念式典が開かれた。中日新聞16日の記事によると、沖縄の玉城知事は、「復帰にあたって政府と共有した「沖縄を平和の島とする」との約束が、なお達成されていない」と訴えた。

 

この日、東京でも日比谷公園から銀座を行進するデモがあった。この沖縄の基地負担軽減を要求するデモのもう一つのスローガンは「命どう宝(命こそ宝)」であった。沖縄から駆け付けた沖縄平和運動センターのリーダーは戦争反対をマイクで語った。(補足1)

 

島民の1/4が死亡したという沖縄戦の責任は明らかに当時の大日本帝国政府にある。沖縄戦だけに限られたことではないが、戦争被害を受けた民間人に対する補償は本来大日本帝国を引き継いだ日本政府の責任で行わなければならない。(補足2)https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1210792.html

 

保守合同で出来た自民党政府は、この戦争責任の問題を放置するとともに、米国への完全従属の方針を立て現在に至っている。本来なら、日本政府は戦争責任をこれまでの大日本帝国の解体を経る形で果たすべきだった。会社で例えれば、債務の弁済を含めて破産処理すべきだった。

 

日本政府は、これまでの政治体制をそのまま引き継ぎながら、明治から戦争までの歴史を隠匿秘匿するという卑怯な方法で戦後処理を誤魔化し、その後の日本国民の将来を奪った。その経緯はもう10年もすれば明らかにされるかもしれない。

 

2)大日本帝国政府の戦争責任と日本政府の戦後処理の責任

 

米国の占領後一年経たないうちに、米国は急いで日本国の憲法改正に着手した。憲法草案の議決がなされたころ、皇室典範改正の議論も始まった。その時、三笠宮崇仁親王は、天皇に生前退位の道を開くべきだという意見書を枢密院に提出した。

 

この意見書はその提出された時期などから考えて、昭和天皇は退位すべきという意味があったと思う。実際、当時そのような議論もあって混乱した末に、現在の皇室典範となったようだ。https://blogos.com/article/200237/

 

昭和天皇には、実質的には戦争責任は無かったものの、道義上は責任をとって退位すべきだった。そして、新しい日本は新しい天皇の下で、中国侵攻や日米開戦に反対した人たちを中心に作り上げるべきだった。それが上記大日本帝国の破産処理と、新日本の再建である。

 

それを妨害したのは、米国であった。後継有力者を公職追放し、米国に隷属する者だけを日本の政治組織に残した。その結果かどうか知らないが、ユダヤ系資本に協力した長州や土佐出身の人物が明治以降から継続して日本の政治を牛耳ることになった。

 

勿論、その中には戦争遂行の中心的人物も含まれた。例えば、長州出身の岸信介である。岸は、満州関東軍の若手リーダーの満州三介の一人である。

 

そして、実質的に戦後最初の首相となった吉田茂は、実父が土佐出身で板垣退助の腹心だったという。吉田茂の養父は、明治維新の中心的存在であるジャーディン・マセソン商会の横浜支店長の吉田健三である。この事実が全てを象徴している。

 

昭和の大戦争の戦争責任をうやむやにして、吉田茂の内閣は新憲法や新皇室典範など、現在のクラゲのように背骨も頭もない日本を作り上げた。従って、この戦争での敗戦により実質的に日本が滅んだことになるだろう。

 

3) 昭和天皇が戦後のある時期(例えば新憲法制定後)に退位されたとしたら:

 

もし、三笠宮殿下の提言を受け入れた形の皇室典範が出来ていたら、現在の上皇様が40年ほど早く皇位を継承されていただろう。そこでは昭和天皇の道義上の戦争責任が議論され、同時に戦争の経緯と実質的責任者が明らかにされた可能性が高い。

 

そうなれば、学校での日本史の教育も、近代史を完全に含めた形でなされることになる。それは最終的に天皇が、日本神道のトップとしての存在に戻り、現実の政治の表舞台から去る切っ掛けとなるかもしれない。しかし、そこから新しい日本が生まれた筈だと思う。

 

上皇様が譲位の意思を4年前に明確にされ、その意志を通されたのは、この三笠宮殿下の意思を継がれた可能性があると思う。(補足3) 上皇様は、沖縄を11回訪問されたこと、サイパン島への慰霊の旅、朝鮮王と皇室の関係に言及されたことなど、昭和の戦争に至るまでの日本の歴史に対して、皇室としての責任を果そうとされてきたと思う。

 

上に想像した新しい日本であったなら、遅くとも戦後50年を経過するまでには、戦争責任の明確化とともに新しいまともな日本が再建され、沖縄の基地問題を含めた戦後補償も、不十分だろうが実現していただろうと思う。

 

4) 平和教について

 

以上を念頭に、沖縄及び日本全体が現在持っている「平和という概念」に対する誤解について少し書いておきたい。 

 

我々生物界に生きる存在としては生存競争が日常であり、戦争から暫く解放された状態である平和は、本来異常な、つまり常と異なる状態である。(補足4) 戦争が異常な状態であると考えると、国家の形態についても国民の義務についても、正常な思考力を失う。

 

つまり平和は、本来、日常として存在し難い事態であるが故に、希求すべきものである。それは我々の人体も、他の人間以外にも細菌からウイルス迄の敵と戦いながら生存を続けていることと同じである。それらへの防御力を無くしては、我々も国家も生存が危うい。

 

最初に引用した沖縄県の玉城知事の言葉や、沖縄平和運動センターの方の発言は、この国家としての正常な防衛力さえも否定する考え方に聞こえる。どこか外国の意思の代弁でなければ、戦後の異常な平和信仰の所為だろう。

 

玉城知事も認めておられる現政権の日本を前提に考えれば、沖縄の米軍基地の存在のお陰で、沖縄を含む日本の安全が担保されているからである。もし、上記のようにまともな日本国が再建されていたなら、そして仮想敵国として中国が現在の形で存在するなら、沖縄は日本軍の基地の島となっていただろう。何にしても、玉城知事の平和とは大きく異なるように思う。

 

この戦争こそ人類史における普通の状態であるとの考え方に於いては、個人の命を至高の宝として考えるのではなく、西郷隆盛が征韓論を唱えた時主張したように、自分の命も尊い目的のためには犠牲にするという考え方が再確認される必要がある。ウクライナ戦争でも、国を守る為に外国から祖国に戻って戦った人たちが大勢いた。彼らは明治の日本の武士に似ている。

 

補足:

1)この時の発言は中日新聞によると以下の様だった。「政府はいま台湾有事を叫び、台湾に近い沖縄が戦場になるのは当然だと(首相経験者が)いう。何度むしけらのように私たちの命を奪うのか。戦争しないで解決する方法はあるでしょう。悲劇に見舞われた沖縄は何を言っても戦争反対だ」

 

2)軍人に対する補償は、一応遺族年金という形でなされた。しかし、都市空襲などで被害を受けた人に対する補償は全くなされていない。民間人虐殺は国際法違反であり、補償すべきは米国であるという考えがあるが、政府は講和条約のときに日本国民の一切の権利を放棄をした(サ条約19条)のだから、米国に代わって補償すべきである。https://worldjpn.grips.ac.jp/documents/texts/docs/19510908.T1J.html

 

3)上皇様の譲位の意思に関しては、皇室典範の改正をせず特例法の制定という形でごまかした。それに共産党を含め全ての野党が賛成したことから、戦後日本は与野党合作であることが分かる。何故なら、米国CIAのお金が与野党に渡されていた。

 

4)人類は科学技術の発展により、農業生産性の著しい改善を行った。それにより、この地球上の可住人口は飛躍的に増大し、その結果平和は日常であるとの信仰が世界に広まった。その信仰も終わりに近づいている。それに対処する為の口実作りが、1972年のローマクラブの指摘した成長の限界であり、その後所謂グローバリストらが喧伝している地球環境問題である。それらを理由に、世界の覇権を握った人たちにより何らかの形での、世界人口削減計画が進められるだろう。グレートリセット構想や今回のウクライナ戦争などは、その一環であるのではと私は考えている。

 

上は、この100年間の世界の人口を示した図である。急激な世界の人口増加は、それ以前の厳しい生存競争から一時的に解放されたことを意味する。近代の西欧文明が科学の飛躍的発展及び産業革命と不可分なので、異常(つまり幸運)な平和と幾何級数的な人口増大をもたらした可能性が高い。つまり、21世紀のこれからの時代は、人類は再び地球史的にノーマルな生存競争の時代に入る可能性がたかい。

 

その本来の厳しい自然のルール時代を、異常な時代と考えて備えをしない民族は、先進国でも淘汰され滅びる可能性が高い。悲しい現実である。

(18時40分、小編集あり)