2015年4月19日日曜日

アジアインフラ投資銀行と中国の企み

中国がアジアインフラ投資銀行(AIIB)を設立し、米国を中心に作られた金融体制への挑戦を試みる様だ。西欧から英国が最初に参加表明したのは意外に思ったが、考えてみれば自然な成り行きかもしれない。当然、米国と緊密な連絡があっての上であるだろうし、中国中心の国際金融がもし出来るとしたら、それをより健全な方向に導くために必要だと考えたのだろう(注1)。日本は参加に慎重であるし、それが正解だと思う。

現在までに加盟を表明した国は60近い。しかしAIIGに存在する遺伝子的な大きな問題点は、中国の政治体制にある。共産党の独裁体制による政治は、その中心部に多くの腐敗を抱えている。中国は公務員を出すことに一族の繁栄がかかっているというコネ社会であり、法や正義が支配する国ではない(注2)。AIIGにおいても、国際機関の形をとりながら、中国の利益を最優先する運営を行なう可能性が非常に大きいと思う。

中国が狙っているのは、北京に本部を置くAIIGに世界から金を集め、アジア各国でのインフラ投資の行先を決定し、中国企業が優先的に落札をし、中国人労働者がそこで働き、経済的政治的利益を中国が半ば独占的に得ようとすることである。当然、決済通貨は最終的に元で行なうことで、元の地位をあげる(注3)。

更に注意を要するのは、政治的に変化する兆候のない中国相手に、政経分離の考え方で経済的に交流するのは危険だということである。つまり、中国の最終目標は独裁国家中国が世界の政治を支配することだろうと言うことである。未だに中世の政治形態(独裁国家)を維持する中国に対して、経済的視点だけで近代的な仮面を持ったAIIGに参加して、中国の政治的企みに利用されるのは、愚かなことだと思う。

中国が、チベットや内モンゴルでの他民族に対する弾圧や、毛沢東時代の歴史(注2)を内外に受け入れられる形で消化した後、AIIGのような構想が現れたのなら、日本も参加すべきである。しかし、その兆候など全く無い様に見える。現在中国が行なっているのは、二階氏や福田氏、元大使の丹羽氏などを使った、日本政治の分断工作と、沖縄翁長知事を使った日米関係の分断工作ではないのか。

ヨーロッパ諸国は、拠出金はあまり出さないで、予約チケットを買うような参加の仕方をするだろうし、中国はそれでも歓迎するだろう。しかし、日本に対しては、東シナ海での軍人の強圧的な顔と経済的連携強化という経済人のソフトな顔の二面作戦で、米国に代わって日本国の実質的支配を企む筈である。米国の東アジアでの政治は、中国の経済発展がこのまま継続するようだと、日本の歓迎する方向には向かわないだろう。

兎に角、政経を分離した政策や思考は、中国相手には危険であると思う。

注釈:

1)英国が最初に名乗りをあげたことが、米国との関係を考えると意外であると殆どのメディアや評論家は述べている。しかし、如何に英米の利害が共通では無くなりつつあるとはいえ、英国が米国と打ち合わせしなくて、しかも最初に名乗りをあげるのは異常だと思う。もし、英米の関係がそのように変質したのなら、日本は日米関係も短時間に崩壊する可能性を考えるべきである。

2)世界的ベストセラーであるワイルドスワンズには、毛沢東時代の凄まじい強圧政治が書かれている。北京大学の入学も、コネ無くては実現しないと書かれている様に、正義や法には無頓着な社会である。中国が国際社会に完全な形で受け入れられるのは、この本が中国で自由に読まれる時になってからである。

3)元は未だにドルペッグ制をとっている通貨である。為替を市場に任せるなど、中国の経済体制を国際標準に近づけてから、AIIGなどの世界的試みを行なうべきであると思う。

==これは理系人間の素人考えです。反論など歓迎します。==

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