2015年11月22日日曜日

欧米の支配層と人権および環境団体

1)グリーンピースという国際環境NGO団体を名乗る団体がある。反捕鯨活動で良く知られているが、最近は沖縄に潜入し、辺野古で基地移設反対活動に参加しているという。時にはテロまがいのことをやる。クジラの命と人の命、辺野古のサンゴと日本国民の安全との優先関係すら頭の中にないのだから、一見幼稚な団体のようにも見える。しかし、本当に幼稚なのだろうか?

国際人権救援機構(Amnesty International)という国際連合と協議できるNGOがある。この団体は、1977年にノーベル平和賞を受賞した権威ある団体である。有意義な活動も多いので、時として応援したいような気にもなるのは、国際政治活動において力があるからである。これには元総理の佐藤栄作氏が参加したというから驚きである。https://ja.wikipedia.org/wiki/アムネスティ・インターナショナル

長期政権の間、この方が日本国のために自分の命をかける程のことは、ほとんど何もしなかったのも納得できる。何故なら、国家を背負う人間にとって、国際運動団体は要注視目標だからである。米国との核兵器持ち込みの密約をしながら非核三原則を国是とするような発言を何のためらいも見せずに行ったことも、納得が行く。

武藤正敏前駐韓大使が最近書いた本に「日韓対立の真相」という本がある。その中に、世界人権団体が慰安婦問題に深く関わっているという記述がある。そして、「今我々の価値観に照らして、慰安婦の存在が道義的に許されるのか」「許されないのなら、過去の行為であっても(人道に対する罪を日本が犯したと)認めるべきではないか」という言葉が彼らから帰ってくる、と書かれている(補足1)。

実際、2003年にアムネスティ・インターナショナルは、元日本軍慰安婦の人々の行動にたいする連帯を表明している。 http://web.archive.org/web/20031005173947/http://www.incl.ne.jp/ktrs/aijapan/2003/0308080.htm それを紹介する文章の中に、“アイリーン・カーン事務総長は、従軍慰安婦の人びとが拷問と性奴隷 制の被害者となったとし、これは民間人に対する広範かつ組織的な人権侵害であり 「人道に対する罪」を構成するとし、時効等の法的な制限要素が当てはまらない、 と断じた。”と書かれている。

つまり、両団体とも極めて政治的な活動を、国際非政府機関という面を被って行っている。そして、「NGOだから公平に客観的に判断しているという予断」を世界の人々に与えることを隠れ蓑として利用し、国際世論を融資元の利益にそって醸成しようとしている。それは、現在の日本国に敵対するように見える。

2)グリーンピースは本部をオランダのアムステルダムにおき、アムネスティ・インターナショナルは英国ロンドンに、それぞれ本部を置いている。環境テロとも言われる活動をするグリーンピースと権威ある人権団体のアムネスティ・インターナショナルとを一緒に議論するのは、粗雑という批判を受けるだろう。敢えてそのような「(取られる)足をあげる」様な真似をする理由は、組織の基本遺伝子が似ていると思うからである。

活動資金の出所だが、グリーンピースの場合、元会長が、「ロックフェラー財団など50の基金が、原子力発電に賛同する一方で“環境保護に関心あり”というポーズのためにグリーンピース本部に資金援助している」と団体の資金源について内部告発を行ったという。https://ja.wikipedia.org/wiki/グリーンピース_(NGO)   (補足2)

アムネスティについては、「資金の調達のために、アーティストたちにボランティアで描いてもらったアートカードや便箋などのグッズや活動の内容を紹介する書籍、ビデオなどの販売を行っている」というものの、例えばアムネスティ・日本の財務報告によれば、事業収益は2300万円ほどで、収入の15%に満たない。その他寄付金の出所は、一般民にはわからない。会計検査を受けていても、それでは政治的背景は明らかにならない。(補足3)

3)これらの環境や人権を重視する意見は、先進国の一般市民には分かりやすいし、支持されやすい。西欧の民主主義を標榜する先進国は、民主主義国家としての長い歴史の中で、民主主義に欠ける戦略的部分を獲得する為に、多くのシンクタンクを作った。資本家などの社会の支配層はそれらへの出資を行う一方、それらから得た情報を元にして、自分たちが支配する政府への圧力団体の活動方針を企画しているだろう。

知的な層が厚くなったそれら先進国では、一般大衆に与えるのはパンとサーカスだけでは不足である。つまり、それだけでは反対勢力の誕生を許してしまう可能性が高いので、それを防ぐために人権と環境とを駆使する団体を、それらの中程度知的な人々の不満を投げ入れるバスケットとして用意したのではないだろうか。

日本国などの歴史の浅い民主主義国は、そのような重厚な多層的政治構造を持たない。その為、上記団体などの世論操作により、簡単に国論が分散させられてしまうだろう。それを如実に示しているのが、沖縄でのグリーンピースらの活動である。日本では相当知的な人でも、陰謀論を本能的に嫌う人たちがいる。宮家氏などの旧外交官は、その一角であると思う。彼らはテレビで活動しているが、その本当の目的はわからない。http://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/42023202.html

補足:
1) 武藤氏は、この世界の人権団体が何かについて明記していない。さらに、引用箇所の()内の言葉をわざと抜いている。この様に明言を避けるのは、日本の外交官の特徴なのだろうか。
2) グリーンピース日本の財務報告では、収入源は主に寄付金であり、その約4割は本部からの支援金である。 http://www.greenpeace.org/japan/Global/japan/pdf/annual_report_2013.pdf
3)以下のサイトに財務報告がある。 http://www.amnesty.or.jp/about_us/ai_japan_outline/accounts_statement2015.pdf

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