同性婚に関する初の意識調査が今日NHKニュースで発表された。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151128/k10010322671000.html
以下に引用部分をイタリックで再録する。
同性愛や性同一性障害などLGBTの人たちをどう思うかを調べた初めての意識調査の結果が28日発表され、同性どうしの結婚に「賛成する」と答えた人が全体の過半数に上る一方、友人が同性愛者だったら「抵抗がある」と答えた人が半数を超え、社会的にはLGBTの存在を認めつつも、身近な存在としては抵抗感を感じているという実態が浮き彫りになった。
この調査は国立社会保障・人口問題研究所などの研究グループがことし3月に行ったもので、すべての都道府県の、20歳から79歳の男女1259人から回答を得た。それによると同性どうしの結婚を法律で認めることをどう思うか尋ねたところ、「賛成」または「やや賛成」と答えた人は過半数の51.1%となった。一方、友人が同性愛者だった場合、「抵抗がある」と答えた人の割合は、男性の同性愛者だった場合が53.2%、女性の同性愛者だった場合も50.4%と、いずれも、半数を超えた。また、職場の同僚が同性愛者だった場合、40代の男性管理職で、「嫌だ」と答えた人が71.5%に上った。調査を行った国立社会保障・人口問題研究所の釜野さおり室長は、「社会的・制度的にはLGBTの存在を認めつつも、身近な存在としては抵抗感を感じているという実態が浮き彫りになった。職場でも、まだ偏見があることも分かり、特に管理職の意識改革が必要だ」と話している。
先ず、同性婚(同性結婚)という言葉は、言語的に矛盾を抱えており使うべきではない。つまり、従来の結婚の定義は「男女が夫婦になること(広辞苑第二版)」であり、従って同性結婚はあり得ない。同性パートナーシップとでも言えば良いと思う。(補足1)
本報告文はあまりにも意味不明な部分が多い。従って、本当に国民が”同性婚”に対してどういう意見をもっているのか解らない。以下に私の意見を書く。
1)先ず、調査に当たった国立社会保障・人口問題研究所の室長が、LGBT (lesbian, gay, bisexual and transgender)を肯定的に捉えて調査に当たっている点が気になる。それは、LGBTの人たちに違和感を感じることを「偏見」という言葉を使って否定的に捉えていること、そして、(LGBTの人たちとの仕事上の付き合いに)否定的な感情を持つ管理職については意識改革が必要だと発言していることでわかる。
その所為かと思うが、アンケートにおける選択肢設定に問題をあると思う。つまり、”同性婚”を法的に認めることに対して:(賛成、やや賛成、抵抗がある)という設定をしているらしいからである。その上で、「賛成」と「やや賛成」の数を合わせて、“同性どうしの結婚に「賛成する」と答えた人が全体の過半数に上る”と結論している。
つまり、このアンケートは合計して「賛成」という結果を得るように、選択肢設定がなされ、その解析もその趣旨で行われていることに注意する必要がある。賛成(抵抗がない)か反対(抵抗がある)のようなアンケートに、なぜ「やや賛成」という灰色の選択肢を設けるのか。
また、1259という回答数にどういう意味があるのか。つまり、何人に回答を求めたのか、そして、回答しなかった人が極少数なら、発表された数字から国民の意見をある程度抽出できるが、それが多数の場合は、このアンケート自体に何の意味もない可能性もある(補足2)。研究所のホームページの更新記録にはこの件についての記載はないので、詳細はわからない。http://www.ipss.go.jp/site-ad/updated/j/whatsnew.html
結論として、”はじめに結論ありき”というアンケートに見える。
2)私のLGBTの人たちに対する法的配慮についての意見を以下に述べる。まず基本的な理解であるが、LGBTというのは性的障害である。そして、それが直接妨げにならない法的権利については、当然認められるべきであり、職場での差別などあってはならない。
同性の二人が人生のパートナーとなる法的契約を新たに作ることには、それほど反対ではない。しかし、仮にそれを認める場合には、LGBTに限らず一般に認めるべきである。それに不都合があるのなら、新たにそのような法律を作る必要がないと思う。(補足3)
同性のパートナーシップを法的に認める場合、従来の結婚により二人が得る権利と同等ではないだろう。その付与される法的権利を規定する際には、今更言うまでもないことだが、次の点を十分考慮すべきである。西洋の真似をすることが正しい、或いは、日本国に適しているとはかぎらないのである。
それは、結婚は次の世代を作り育てること、そして、その世代が前の世代の老後の面倒を見ることで、社会が循環的に維持されていると言うことである。従って、結婚し子を産み育てることがノーマルな人生の形であり、社会がそのようなタイプのパートナーシップを支持するものでなくてはならない。
補足:
1)言葉は大切にすべきである。同性婚という言葉を認めると、結婚にはあたかも同格の同性間と異性間があることになる。結婚は、子供を育て社会を循環的に維持すること、そして同時に社会の秩序を正常に維持することという、二つの点で人間社会における基本的関係である。
2)その後、ヤフーニュースに掲載された記事によると、アンケート回収率は半数以下であった。(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151128-00000531-san-soci)(午後9:45追加)
3)つまり、LGBTでない二人が、偽ってパートナーシップを契約して届ける場合が考えられる。それは社会を不健全にするだろう。勿論、遺伝子チェックなどでLGBTが証明できるのなら、遺産相続などの権利を付与したパートナーシップを法的に規定しても良いと思う。
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