2017年10月29日日曜日

ビットコインとは何か、貨幣として将来性があるのか?

1)最近ビットコインが仮想通貨の代表として話題になっている。人によっては、中央銀行の役割を奪い取るのではないかと考えているようだ。しかし、決してそのようなことはないだろう。何故なら、通貨としての本質的に重要な要素を欠いて居ると思うのである。

通貨の要素として一番重要なのは、その価値があまり変動しないと人々が信じる根拠を持って居ることである。それは、国家などの安定した大きな組織が価値を保障したり、貨幣そのものに一定の価値が信じられることである。前者が国家や中央銀行が発行する紙幣などが持つ性質であり、後者が金などが貨幣として通用する根拠である。(補足1)他に、商品等と交換する(つまり売買)際の手軽さ、送金の簡便さなども通貨の要素であるが、それは二番目以降の要素である。

その様に考えると、ビットコインにはその一番重要な要素が欠けていると思う。送金手段としての簡便性に優れて居るとしても、現在の通貨の代わりをするには、全ての人たちがビットコインに一定の価値を信じ、且つ取引の終了や貯蓄の間に、その価値が大きく変動しないことが必要がある。しかし、ビットコインの価値は大きく変動し、投機目的で売買されているのが現状である。

最初に戻るが、紙幣とは一般に国家(正確には中央銀行)がその保持者に対して、額面だけの債務があることを示す証書である。従って、紙幣(貨幣)の信用は、中央銀行(または国家)に対する信用である。(補足2)しかし、ビットコインには世界中の不特定多数がその価値を信じていても、その根拠はそのグループ内の人たちが信じているだけで、外部の人のだれにもその価値を保障する人はいないのである。

2)ビットコインでの要素技術として重要なのは、非対称鍵(補足3)を用いる暗号通信を利用していることと、ブロックチェインと呼ばれるビットコインの移動の詳細を完全に記述したしたファイルを、一般の参加者有志(ノードと呼ばれる)全員で共同管理することである。

ビットコインの利用は、次の様に進められるだろう。無料のソフト(open source)をネットからダウンロードし、それを自分のパソコンにインストールする。暗号用の自分の秘密鍵とアドレス(公開鍵となる)は、そのソフトでその順に作る。ピットコインの送金は、例えば「自分(アドレスxxxxx)の財布(ウオレット)から0.1BTCをA氏に送る」という情報を、ビットコインのネット上に公開鍵(自分のアドレス)で暗号化して投げ入れる(Broadcastという)。そのデータには自分のデジタル署名をつける。(補足4)送金手数料を一定量つけると、ネット上の仲間(peer)が早く送金処理してくれる。 http://jp.techcrunch.com/2015/03/31/bitcoin-essay/

その送金情報を、掲示板に喩えられる同種の情報のあつまりに追加する。その中からひとかたまりを一定時間毎にまとめて確認し閉じるのだが、その際に改竄ができないようにそのデータのハッシュ値(改竄検出用の要約)と呼ばれる数値を添付する。(補足5)

そのハッシュ値の計算の際に、データにランダムな数値を付け加えて、一定の条件に合う形(例えば最初に00が来るなど)になる様に、ビットコインのシステムは要請する。そのハッシュ計算に成功した者は、そのデータ(ブロック)を閉じることになる。その時点で、上記送金プロセスは終了し、送金を受けたビットコインは利用可能となる。

そのブロックを閉じた者は、一定量のビットコインを報酬として得る。この作業をマイニング(採掘)と呼ぶ。ビットコインの取引の帳簿管理の動機づけは、このマイニングと送金者が設定した手数料である。

だいたい以上のような手続きで送金が出来る様である。素人のメモなので十分ではないだろうが、参考にはなると思う。

3)現状日本国内では、現在の通貨との関連で、投機的な目的や単に送金手法として使われている。ただ、ビットコインとは送金手法として、特に政情不安な国家などからの外国送金には非常に有用である。

更に、ブロックチェインの分岐の問題がある。これは同時に複数の人がマイニングが成功したり、悪意ある人の仕業で同じブロックの後に、二つのブロックが繋がるケースである。この場合、長い方が最終的に勝ち残るが、その際短い方のブログでの採掘されたコインなどは無効となるなどの問題も大きい。https://www.crypto-currencies.jp/bitcoin/remittance/attack51.html

これは自分の勉強の為に書いたメモです。詳しい人の意見をぜひ伺いたいと思います。尚、参考書としては、上記引用サイトの他に、岩村充著“「中央銀行が終わる日」ビットコインと通貨の未来”(新潮選書、2016)を参考にしました。詳細はそれらを御覧ください。後者には、非対称鍵を用いた暗号に関する整数論から出発した解説がありますが、正直分かりにくいという印象でした。

補足:
1)他にも米などの穀物も貨幣の代わりをする。世界の経済が大きくなり、それらが一般的な意味で貨幣の役割をする時代は終わったと思う。なお、商品券や販売店が発行するポイントなども準貨幣とみなせるだろう。
2)紙幣は最初は金の預り証であった。つまり、紙幣は銀行で金と交換できた。つまり兌換紙幣であった。その後、ニクソン大統領の時に米ドルが金と切り離され、不換紙幣となった。現在、中央銀行の債務を示す証明書と考えられる。(政府の下部機関とも言える)中央銀行の主な資産は国債であるから、結局国の債務証書と考えても良い。
3)非対象鍵暗号方式は、一方で暗号化した暗号文の復元は他方の鍵でしか行えないことを特徴とする一対の鍵を用いる暗号方式である。一方の鍵を公開して(公開鍵)暗号を送る当事者のIDとし、他方の鍵を秘密として保持する。プライバシーを保護した通信や、いわゆるデジタル署名として利用できる。(補足4参照)
4)デジタル署名は、この送金データのハッシュを、送り主の秘密鍵で暗号化したものだろう。受け取ったA氏は、送金データを送り主の公開鍵(=ID)で復元、そのハッシュを計算する。それと送り主の署名を送り主の公開鍵で復元したハッシュの比較をして一致した場合、それは真正な送金手続きであることがわかる。

https://www.ipa.go.jp/security/pki/024.html

5)コンピュータ上でのデータは全て数値である。そのデータから、ハッシュ関数と呼ばれる方法で要約としての数値であるハッシュを取り出す。その数値の桁数は、データの桁数よりもはるかに小さいが、データに少しでも改竄があればハッシュが変化する。稀に、異なるデータから同じハッシュを得ることがある。データとハッシュの関係は、個人とその印鑑との関係を考えるとわかり易いと思う。

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