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人類史の本流は中華秩序なのか、それとも西欧型秩序なのか

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2017年10月1日日曜日

日本は、北朝鮮問題とは独立に自国の防衛を考えるべきである

1)7月28日に田原総一郎氏が安倍総理に“政治生命をかけて行ったらどうか”と勧めたことについては、前の記事に書いた。それについて話会われている動画は:https://www.youtube.com/watch?v=Upc2QUu53Ao (8:00頃から)である。(注釈1)結局、この持ちかけは6者協議の再開のようなものであり、最初からうまく行く筈はなかったのである。

その動画での話し合いに同席した武貞秀士氏は、「北朝鮮は絶対に核放棄しない。核兵器は朝鮮半島統一のために金日成が決意したことであり、それを放棄することはない」と語った。「つまり、ワシントンまで届く核ミサイルを完成すれば、米国は半島から手を引くだろう、その時半島統一ができるとかんがえているのだ」と語った。(注釈2)

その考え方も今となっては時代錯誤的だろう。現在の北朝鮮は、半島統一を行うという「攻め」の情況にあるのではなく、米国などからどのようにして体制承認を得るか等、「守り」を必死で考えている情況である。また、武貞氏は田原氏の提案が、人道的問題も含めてテーブルに付かせることなら、成功したかもしれないと言っている。しかし、本音を語った場合、拉致問題など両国にとって取るに足らないということが分かっていないと思う。(注釈3)

2)米国共和党のスタッフを10年勤めた中林美恵子氏は、「トランプの方針はオバマ政権時の政策を否定することである。オバマ政権の時になされたイランとの核合意は、イランの核開発を凍結すること、それが実行されているかについてIAEAの抜き打ち査察を受ける、と言う素晴らしい内容だが、トランプはこれでは手ぬるいという理由で廃止する意向を既に示している(9月20日現在、まだ破棄はしていない)。トランプは核保持のまま北朝鮮と和平をすることはできないのは、このイランへの政策との整合性がとれないからである」と語った。

その次に河添恵子氏が北朝鮮の核保持について、独自の解釈を示した。それは、北朝鮮が核を持つ理由は中国から朝鮮を守るためであるという。金ジョンウンは「中国は敵だ」と明言している。そして、習近平にとって大事な行事のタイミングで軍事実験をして世界を騒がせている。瀋陽軍区(現在の北部戦区)で現政権と権力争いをしている江沢民派を習近平は動かせない。朝鮮利権を持っている彼らは、そこで北朝鮮と協力して軍備増強をしているという。一方、習近平はそれら北朝鮮に近い軍人や高級官僚を制裁してきた。孫政才(この夏失脚させられた)もその一人であると考えても良い。

河添恵子さんの最後の言葉は非常に興味深い(本当かどうかはわからないが)。それは、「トランプは北朝鮮に非常に強い態度で臨んでいるというタカ派のイメージを国民に示しながら、実際にはオバマと同じく何もしないという政策をとっている」という解釈である。(注釈4)

この問題がわかりにくいのは、日本にとって非常に重要な国際問題ではあるが、米国や中国にとっては、国内問題と複雑に絡んでいることである。そして両国にとっては、国内問題の方が大きいのかもしれないのだ。そのと位に、思考の幅を広げて日本は対策を考えるべきである。

つまり、米国に協力するというスタンスではなく、独自に防衛力を整備するという考え方こそ、現在政府に必要な姿勢だろう。

注釈:
1)一流と言われる人たちの意見が、それぞれかなり中途半端な知識に基づいていることがわかって、この動画はたいへん面白い。
2)昔その主旨の論文を書いたと、自分の業績を紹介されている。
3)人も国も建前で語り、本音で行動する。
4)もちろん、偶発的に北朝鮮が混乱してミサイルを発射したような場合、戦いが始まる可能性はある。あるいは、それを米国が待っているという説も有力である。

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