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2014年8月12日火曜日

避難指示に従わない住民: 行政は何をして、住民はそれにどう関わるか、日本では相互に了解がなされていない。

 台風11号により高知県や三重県に大雨が降った。その結果河川の増水などでかなりの被害がでたが、幸い死傷者の数は台風に備えている時の怪我を含めて全国で数名くらいで大きくはない。しかし、三重県に出された避難指示は55万人程を対象に出された。一方、実際に非難したのはその5%にも満たない。

 つまり、行政は大変だ大変だと言っておき、被害が出ても、それに従わなかった住民の責任であるという言い訳のために、「命を守ることを第一に行動して下さい」という特別警報を乱発している様に見える。一方、住民は避難は大変だし、いつも大した情況でもないのに非難、非難と役所は言ってくると思っているのだろう。この行政不信は、この国の行政と住民の間の歯車が全く合っていないことを示している。このような情況では、本当に大変な事態になっても、その情報が住民に正しく伝わらない危険性が非常に高いと思われる。

 本来、命を守るのは住民自身であり、従ってその判断は住民にまかせるべきである。行政は、必要な情報と避難して来た住民のための最低限の準備とその体制を、整えるだけで良いのではないか。犯罪者でもない住民に対して、非難勧告とか非難指示とかいう個人の行動を束縛する言葉を用いることは、行政には相応しくないだろう。そういう文化を醸成することにより、住民も台風などの情報に敏感になり、より正しい避難行動がとれるようになると思う。

 つまり、行政とは何か、また、行政と住民自身の権利義務の範囲の明確化が日本では未だなされていないのではないか。或いは、この行政形態は、輸入品で、我国は十分使い慣れていないのかもしれない。

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