元総理の鳩山由起夫氏がクリミヤを訪問して、ロシアとの合併を正当なものと肯定する発言をして非難されている。官邸や与党自民党は立場もあり、非難するのは当然である。また、元総理という立場を考えると、普通肯定することはなかなか困難である。
しかし、そのような報道だけでは、本当にロシアとクリミヤの合併が国際法的に認めらるべきか否か、国民は判断をしかねる。その理由は、例えば刑事事件に関する裁判を考えれば判る。つまり、どのような犯罪でも検事と弁護士が両方の立場を代表して議論し、その議論の“綱引き”を見て、裁判官は判決を出す。
今回の件では、国民は裁判官であり、検察は日本政府である。そこに弁護士としての何かが現れて、クリミヤとロシアの合併は合法的であるという議論を展開しなければ、弁護士なしの裁判のようになる。この件については私はブログで議論している。先ず、ウクライナのクーデターが何によってもたらされたか?それは、欧米からの工作ではないのか?と言う疑問があった(田中宇さんのブログを見てそう思ったと記憶している:詳細は過去のブログを参照のこと)。
それは兎も角、クーデターにより一旦国家としての継続性が失われたのだから、そこでクリミヤが住民投票で独立を決めたとしたら、それは有効ではないのか? その後の、ロシアとの合併は住民投票が有効なら問題は無い筈だ。つまり、欧米の”力に因る現状変更”という論理が成立しない可能性がある。
つまり、住民投票が正当であるかどうかを、鳩山氏は確かめたかったのではないだろうか。もちろん、今となっては一個人が出かけていって判る訳が無い。鳩山氏の馬鹿げたパーフォーマンスであるという結論は見えている。しかし、挙国一致で彼を非難するようなだらしのない姿は、戦争前の日本の姿に重なり気味が悪い。
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