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2017年4月20日木曜日

米国経済と北朝鮮問題:核脅威除去セールス

前回のブログで、“トランプ大統領は、アメリカンファーストを放棄して、伝統的な”世界の警察官としての役割を果たそうとしているように見える。しかも、何時も何故か大きな財布を携帯している警察官である“と書いた。我々は、世界の警察官という米国の役回りを素直に文字通り受け取って来たのは間違っていたのかもしれない。その本質を素直に、或いは誤って、表したのがトランプ大統領ではないのか?

1)火曜日に、韓国訪問を終えた米国のペンス副大統領が来日した。北朝鮮問題で重要な打ち合わせが目的だと思っていたが、もう一つ重要な話があったようだ。トランプ大統領の主張する、貿易不均衡解消のための日米ニ国間FTAである。米国産牛肉をオーストラリア産牛肉に取って代わらせたいとか、色んなことを考えているのだろう。そもそも、貿易不均衡を問題にするのはFTAの考え方に反しているのだが、御構い無しだ。(補足1)

昨日の読売新聞朝刊(14版)の一面では、「日米経済対話」の脇に「平和、力でのみ達成:対北圧力強化一致」が配置されていた。どちらが重要問題か、新聞社の方もわかっているようだ。この時期を逃さず、副大統領が経済対話を兼ねて(?)来たのは、最初に書いた米国の姿勢“大きな財布を携帯した世界の警察官”にふさわしい。

半世紀ほど前の話になるが、フランスのドゴール大統領が、当時の日本の総理大臣を「トランジスターのセールスマン」と揶揄したことがあった。米国は「核抑止力のセールスマン」なのかもしれない。日本は確かにトランジスターラジオを売ったが、しかし米国は核兵器を売るのでは無い。核の脅威から日本を守るというオプション付きの、農産物やGMの車である。そのオプションに効果があるかどうかは分からない。

効果を検証できる事態というのは、日本国存亡の危機である。そんなオプションに期待して、何かを約束することが日本の政治なのか? 

19日のCNNの報道では、朝鮮半島に向かっている筈の空母「カール・ビンソン」が、どう言う訳か180度逆の方向に向かっていたことが明らかになった。http://www.cnn.co.jp/world/35099993.html

トランプ米大統領はテレビ局とのインタビューで「艦隊を送り込んでいる。とても強力だ」と語り、数人の側近らも空母派遣に言及した。それに対して、北朝鮮の朝鮮中央通信(KCNA)は空母配備を「無謀な侵略行為にほかならない」と非難していた。しかし、複数の米当局者がCNNに語ったのは、「カール・ビンソンは、まずオーストラリア海軍との軍事演習を予定通りに済ませる」だった。

その後、進路を変更して日本海に向かっているということで、単にホワイトハウスと米国防総省の間に連絡ミスがあったということだそうである。しかし、この件は北朝鮮問題の本質を語っているのではないだろうか。つまり、米軍に北朝鮮からの危機なんか存在しないのであり、単に核抑止のセールスのために日本や韓国向けに必要なだけである。(補足2)

2)米国と同じ戦略を考えている国にお隣の大国がある。彼国は、北部戦区に大量の核兵器を輸送して、核の脅威を作り出している。以下に引用の動画サイトをみて欲しい。https://www.youtube.com/watch?v=vANSwCgF6ec

中国は大陸間弾道ミサイル「東風41」を量産して、大量配備するという。その動機が世界から尊敬される国になるためだということである。つまり、世界に恐怖をバラマキ、それを取り除く方法を売りつけるのである。

これら大国のセールスの本質は、パソコン画面にと時々出る画面「あなたのパソコンがウイルスに感染しています」というメッセージを思い出せば分かる。そのメッセージは駆除ソフトを売りつける為なのだ。

勿論、北朝鮮と米国の衝突という悲劇的な方向に進むことは一定の確率であり得る。しかし、何事も両面から見ることが大事だという意味で上記の文章を書いた。(補足3)  これらの問題は、日本国が独自の防衛力と核抑止力を持てば解決する。しかし、そんなものを持ってもらっては大国の商売は成り立たない。

補足:
1)石油が無いから、アラブから石油を買った国が、その同等の額でこちらの生産品を買ってもらわなければ困るというのは、明らかにおかしい。そんな理屈を通すのなら、貨幣はいらない。ブツブツ交換でよいのだ。
2)何度もブログに書いたように、米国が世界の殆どの国が行っているように、北朝鮮を承認すれば済むことである。30年前に行っていれば、日本や韓国に対する核の脅威は生じなかっただろうし、拉致被害者は出なかっただろう。
3)昨日も、北朝鮮の核実験場でバレーボールを楽しむ人たちの姿が米国の衛星画像として公表されている。

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