米朝会談の場所がシンガポールになる可能性が示唆されている。トランプ大統領は板門店での開催に意欲を示していたが、側近が第三国を主張しているということであった。https://news.yahoo.co.jp/pickup/6281517
金正恩が開催地に拘るのは、警護上の理由と面子の問題である。危険性は二つ、自身が暗殺される危険性と本国でのクーデターである。面子の問題は、国内に威信を示すためにトランプ大統領を半島に呼び込みたいと言うことである。
トランプ大統領が板門店で良いと考える理由は、朝鮮戦争の終結と講和での業績を、ノーベル委員会などにアピールしたいためだろう。元々米国を中心に考えるトランプ大統領は、核兵器が中東へ流れなければ、北朝鮮が持つこと自体をそれほど嫌がっていないと思う。しかし、側近はそうではないだろう。やはり、北朝鮮よりも遥かに工業力に優れた韓国や日本への核拡散を危惧していると思う。
側近が中国以外の第三国を主張する理由は、金正恩が警備上の理由で嫌がる理由の裏返しと、更に、中国や韓国に交渉の主導権を握られることへの懸念であると想像する。そして完全な査察付き不可逆核廃棄(CVID)の事前実施(リビア方式)に拘るだろう。
韓国大統領の文在寅が22日に米韓会談にワシントンで臨む事になっているので、金正恩の南北会談での宥和の感覚は薄れるだろう。そこで、南北統一の道筋とそれと相関した形での米韓同盟のあり方、北朝鮮の非核化が話し合われるのだろうが、米国側は後者に韓国側は前者に重点を置きたいのではないだろうか。
金正恩は北朝鮮による朝鮮半島の短期間での統一を考えているだろうし、文在寅は長期間での段階的な対等合併への道筋を考えているだろう。
このように、米国内部も不均一であり、金正恩の北朝鮮も万全な体制ではないだろう。また、文在寅も具体的プロセスになるとかなり金正恩と考え方が違うだろう。このように関係者が多く居て、外から見て明確に見える程度の基本的な思惑の分裂があっても、尚話が円滑な局面を推移する形で進むとは思えない。
その様に、米韓も金正恩も同じように考えている筈である。どうしても、上で述べた様に、ドラスティックな局面をトランプではなくその周囲が考えていると想像する。そして、それを金正恩も非常に警戒するのが当たり前である。本当に米朝会談は開催されるだろうか? 板門店ならともかく、シンガポールでは無理ではないのか?
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