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2023年8月13日日曜日

第三次世界大戦の危機は米国への隷属から逃れる時

昨日の及川幸久さんのyoutube動画で、ポーランドからフィンランドの対ロシア国境にNATO軍が終結しつつあることから、現在世界は第三次世界大戦の危機にあるとの解説がなされていた。NATOグローバリストの手先としてポーランドの大統領が動いているという話であった。

https://www.youtube.com/watch?v=UTgB5G7bDEo

 

 

第三次世界大戦になればポーランド国民のかなりの数はロシアの戦術核で殺されるだろう。ポーランドのアンジェイ・ドウダ大統領の言葉は、「今こそロシア帝国主義に歯止めを懸けるべきだ」は米国グローバリストのプロパガンダのオウム返しであり、日本の岸田首相の言葉と殆ど同じだ。

 

今日のポーランド国民の危険な情況は、明日の日本国民の危険な情況でもある。米国グローバリスト(ネオコン)勢力の仕掛けた危険な罠に、ポーランドも日本も落ちようとしている。宗主国米国によって利用され滅びる家畜の様な国々である。

 

ポーランドの危機は米国との軍事同盟NATOに入った時に始まったと言える。NATOは一見東欧の安全確保の為にあるように見えただろうが、本当は米国が東欧を思い通りに利用するための同盟である。ポーランドも日本も、キッシンジャーの次の言葉を思い出すべきである。

 

米軍が南ベトナムの傀儡政府を見捨てて撤退する時、キッシンジャーは「アメリカの敵になることは危険かもしれないが、友人になることは致命的である」と言ったという。南ベトナム政府は命をかけて戦うが、米国は利害を考えて戦う。敗戦の可能性が大きくなったところで撤収するからである。

 

第二次大戦後、殆どの戦争は米国の利益のために工作され、実行された。従って、米国との軍事同盟は将にキッシンジャーが言う通り、致命的なのだ。何故そのようになるのか? それは米国と友人になることは、米国に隷属することを意味するからである。

 

以下、日本の米国隷属について考える。

 

 

1)日本の米国隷属へのロックインプロセス

 

日本のこれまでの政権与党は、「民主主義と自由を途上国に移植する米国」という米国のプロパガンダと諸外国への侵略行為を無条件に崇拝してきた。そしてそれを、著名な評論家やマスコミ人たちは言論の面から(補足1)、野党政治家たちは国会での慣れ合い政治でそれぞれ支持してきた。

https://www.youtube.com/watch?v=IpK8qqA96eo

 

 

米国は、第二次大戦後、ベトナム、アフガニスタン、イラン、イラク、リビア、シリア、ウクライナなど世界中で内戦を引き起こし、或いは内戦に介入して来た。(補足2)CIAと米軍が行ってきたそれらの工作を、日本政府は100%支持してきた。(詳しくは動画参照)

 

この米国政府への隷属は、戦後の占領政治の連続線上に徐々にロックイン(固定;補足3)された日本の政治路線である。米国追従さえしていれば自分の地位が安泰であるという自民党政治家の利己主義と成功体験がそのロックインの谷底に導くエネルギーであった。

 

その自民党の拝米姿勢採用は、当初は日本国民にまともな生活を与えたいという動機からだったとしても、そのロックインの過程で金と力のみが意味を持つという米国の政治姿勢も取り入れ、現在の売国政治となって結実した。

 

米国への隷属政治を「自主憲法制定は党是」と語る自民党に、憲法9条で世界平和に貢献するという空論を掲げて反対するという国会での慣れ合い議論(補足4)で隠蔽して、国民に見せて来たのが戦後の日本政治であった。従って、日本社会党などの野党も同罪である。

 

現在のようにインターネットがある訳ではなく、両政党の御用新聞(例えば読売と朝日)しかない過去の日本人は、それをなれ合い漫才ではなく真剣な政治の議論として聞いてしまった。その後の世代は、生まれながらにその環境にあり、米国グローバリストの戦略通りの道にロックインされた。

 

 

2)アンロックのチャンスは20世紀に二度あった:

 

終戦直後、日米安保体制に完全依存することは必然だった。しかし、それを主権国家として不健康であると常に意識するまともな政治家なら、そこからの主体的な脱出(アンロック)を歴史が流動的な時に考えるだろう。

 

実際、その後の78年間にチャンスは二回あった。最初のチャンスは、サンフランシスコ講和条約直後である。日米安保条約は、相互防衛条約として維持すると言い訳でき、差し当たり解消の必要はない。1952年に直ちに行うべきだったのは、憲法改正である。

 

それを怠ったのは、吉田内閣の犯した日本の歴史上最大の罪である。吉田の父親(育ての親)はジェイソン・マセソン照会の横浜支店長であったので、生まれながらのグローバリストだった可能性が高い。つまり、元官僚の吉田は、日本の味方ではなかったのかもしれない。

 

もう一回のチャンスは、冷戦が終結した1991年からの数年間だった。しかし、その1991年から宮沢、細川、羽田、村山、橋本と、リーダーシップのない人たちが総理大臣を務めた。そして最重要な憲法改正が、小沢一郎の政治改革にすり替えられたのである。

 

その時、小沢一郎の面接を受けて総理大臣になった元官僚の宮沢喜一は単なる学校秀才であるが、自分で思考の枠を設定し直すなど、場合によっては原点からの思考(哲学的思考)が出来るレベルの能力を持ち合わせていなかった。元官僚にはこのタイプが多く、大改革など出来ない。

 

日本はドイツとは異なり、大日本帝国の延長上にあったので、敗戦の責任を政治家全員がとるべきなのだが、戦前の政治家たちが引き続いて政治を担当した。能力を具えた者たちは、占領軍のパージにあっていたのだが、それ以外の者たちは占領軍の意を汲んで、隷属する道をとった。

 

日本の戦後の政治家は敗戦の教訓を生かすことなく、戦死者300万人を無駄死にした。そして占領軍は、まるで除草剤を散布するように日本社会から国家意識を奪い取る政策をとった。その結果日本国民も、政治家同様に完全に米国隷属路線にロックインされてしまったのだろう。

(以上、伊藤貫氏の動画を参考に素人ながら独自に再構成した)

 

 

3)日本存続の危機と米国隷属からの脱却

 

伊藤貫氏は戦後日本の外交は、護憲左翼の5歳児と親米保守の10歳児の間の議論の結果として、決定されたきたという。https://www.youtube.com/watch?v=pwDkY3uOA_Y 

(最初の5分ころまで)

 

つまり、日本の米国隷属の道での政治も、賛成側と反対側の議論の結果のような形でなされた結果、その政治の異常さが国民によって殆ど見破られなかった。新聞などマスコミを支配するのは、日本国民ではなく、日本のこのような政治を支持する勢力だった。

 

ただ、政治家のレベルはこの程度であるので、米国隷従路線からのアンロックは国民の多数が政治に目覚めれば可能な筈である。現在、多くの国民はインターネットにアクセス可能になっているので、判断能力さえ持てば、無数の情報源から様々な有益情報を得ることができる。

 

一般に長期間ロックインされていた情況から逃れるには多大のエネルギーを要する。しかし、その固い障壁が混乱の時代には不完全となる。現在の国際政治は終戦後最大の第三次世界大戦の危機にあると言われ、混乱の時期を迎えている。

 

最初に書いたように、日本にとっても非常に危険な情況だが、それは日本にとって米国隷属からの脱却の機会でもあるだろう。この危機を乗り越えるために、そして危険な米国隷属から脱却するために、優秀で自己の利益を越えた政治を志すような人材を政界に送らないといけない。

 

今朝の原口一博衆議院議員の動画を引用する。立憲民主でもこのような人がいる。かれらの党を超えた連携に期待したい。「自分が第三次世界大戦を止めてみせる。」トランプさんが言っている事を本気で考えなかった世界に…。そこにある危機。2023/08/13 - YouTube

 

 

補足:

 

1)代表的人物に、佐藤栄作のアドバイザーの高坂 正堯 、中曽根政権の時の佐藤誠三郎、元外務省の岡崎久彦、日本会議の田久保忠衛、産経新聞の小森義久などの人々がいる。彼らはそれぞれ知的に優秀であるとされる。例えば、高坂正堯は政治学者の猪木正道に師事。猪木は高坂の没後に、「高坂は僕が教えた中では、ピカイチの天才だった」と回想している 。(ウィキペディア参照)

 

2)例えば、大量破壊兵器を作って保持しているとの嘘を付いてイラク戦争を始め、善政下のリビアに内戦を引き起こしてリーダーのカダフィ大佐を殺した。また、民主的に選ばれたヤヌコビッチ大統領が統治するウクライナに内戦を引き起こして介入し、大統領を追放した。

日本のマスコミは米国政府のプロパガンダを常にオウム返しする。現在ウクライナは有利に戦争を戦っていると嘘の報道をしているが、「あと3か月程たてば、日本のマスコミもウクライナは勝てないと認めだすと思う」と伊藤氏は語る。

 

3)ロックインは英語のlock inからきている。経済の分野でのロックイン効果とは、消費者があるメーカーの商品を購入した場合に、商品を買い換える場合にも引き続いて同じメーカーの商品を購入するようになり顧客との関係が維持される効果をいう。

 

4)自民党の考える自主憲法には自衛軍が書かれることになっているので、社会党は非武装中立を掲げる憲法を守る護憲政党として、自民党と対峙する姿勢を演じる。それは慣れ合いであり、国会議員としての職を維持するための方便である。そのような与野党のなれ合いが、日本を米国への隷属政治にロックインした。

(8月14日am、3節の表題を「おわりに」から変更;表題の一部変更;最後の節をstrike out)

 

 

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