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人類史の本流は中華秩序なのか、それとも西欧型秩序なのか

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2023年11月12日日曜日

日本人はガザ地区の人たちを殺害する共犯者になるべきではない

 

1)国際法を用いてイスラエルとパレスチナ紛争を論じるのは愚かである

 

ガザ地区では、パレスチナ人の追い出し戦略が実行されている。ガザ地区での死亡者が一万人を越えて、その三割以上が子どもであることからも分るが、イスラエルが行なっているのはジェノサイド(Genocide)によるパレスチナ地域の民族浄化(ethnic cleansing;補足1)である。

 

Youtubeなどで見られるこの戦いの様相は、まるで旧約聖書の中の出来事のようであり、その後2000年間に人間が築き上げた文明の論理など、あの土地では全く無力である。彼らの上記作戦は、その2000年前の国を追われたことの延長線上にあり、およそ西欧近代文明の中の出来事ではない。

日本政府は、そのパレスチナの民族浄化をイスラエルの防衛戦争と呼び支持している。日本が議長を務める11月8日のG7外相会議でも、ハマス等のテロ攻撃を断固として非難するという声明を出している。それはハマス側の攻撃にのみ国際法を適用するという誤魔化しに基づいている。

国際法は西欧近代文明の所産であり、国際的秩序と人道を重視する国や地域の枠内でのみ、つまりそれらの価値観を当事者が共に持っている場合にのみ有効である。パレスチナとイスラエルの間のこの100年間の争いは、古代或いは前近代の枠内(framework)で戦っているのであり、国際法など入り込む余地など最初からない。(補足2)

 

それにも拘わらず、米国は国際法をハマス側にのみ適用し批判するというトリックを用いて、イスラエル側を応援するように、日本や西欧諸国に強要しているのである。(補足3)

https://www.mofa.go.jp/mofaj/ms/g7tm/page1_001899.html

 

この問題の本質を、米国在住の国際政治評論家である伊藤貫氏が、CGSチャンネルの動画で明快に解説している。その中で、1948年の国連によるパレスチナ分割案の出された経緯が、分かりやすく解説されている:

 

1948年の国連のパレスチナ分割案は、イスラエルに圧倒的有利で不公平な内容だったが、米国のトルーマン大統領が次期大統領選挙でユダヤ系資本を味方にする為に賛成したという。国務省も国防相もCIAも反対だったというのだから、1948年のこの案がその後の中東紛争を決定つけたのだ。

 

前半8分でも是非見てもらいたい。

 

 

今回のハマスとイスラエルの戦争も、そもそもの始まりはバイデンが次期大統領選挙を意識し、サウジとイスラエルの間の和平を工作したことが原因であった。米国大統領選にユダヤ系金融資本(補足5)が資金的に介入できる現在のスーパーPACなどの制度は、世界にとって厄介だ。

 

 

 

2)日本の経済安保危機のシナリオ:

 

中東の混乱は世界大戦に発展しないと仮定しても、日本には大きな政治的にも経済的にも負の影響を及ぼす。それについて少しだけ以下に議論する。

 

シナリオ1: ハマス・イスラエル戦争において、今後レバノンのヒズボラやその背後にいるイランの革命防衛隊が参加する可能性が大きい。その時、ペルシャ湾地域が戦場に含まれる可能性がある。その結果、イラン沖のホルムズ海峡の封鎖が考えられる。

 

そうでなくても、イスラエルを支持するG7諸国に対する報復として、ロシアなどを含めた拡大版のOPECが石油輸出量の大幅減を言い出す可能性がある。それらの場合、日本を含めヨーロッパの国々の経済は破綻する可能性すら存在する。

 

責任は全て、米国のバイデン政権にある。そして、それに何の対策も講じられない米国に隷属するG7の残り六各国の政府が共同でその責任を負う。

 

シナリオ2: もう一つは、マラッカ海峡、南シナ海、台湾海峡において中国が軍事行動に出た場合、日本には石油が来なくなる。そのシナリオも、起点はハマス・イスラエル戦争である。既に述べたように、この戦争が拡大して中東全域が戦争状態になると、米国はそれに参加せざるを得ない。

 

それは、ユダヤ人が深層から支配する米国が、イスラエルと一心同体だからである。その事情はトランプ政権でもバイデン政権でも同じである。その結果、ウクライナと中東の二つの戦場で米国が手一杯となり、中国の習近平政権には台湾進攻の千載一遇のチャンスとなる。

 

習近平は、中国経済が不動産不況等(補足4)で構造的な危機に瀕する今、独裁政権の安定化には歴史的な功績をあげる必要がある。その切り札が台湾併合である。台湾を叩く際に、日本に核兵器の恫喝を加えて、与那国島を占拠し、台湾攻撃の基地とするシナリオがあり得る。https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJC021QD0S2A201C2000000/

 

日本はウクライナ戦争に於ける理不尽なロシア制裁を行ない、ロシアの敵対国としての名乗りをあげた。その結果、ロシアを中国の味方に導き日本の安全保障環境を非常に悪化させ、且つ、中国の台湾進攻を容易にした。更に、ロシアからの石油等の輸入をできなくした。

 

おまけに、ウクライナの戦後復興に兆を越える多額の資金を提供する予定だそうな。この岸田政権の自ら首を締めるような外交により、日本は危機に瀕している。https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/323383 

 

その為に増税する予定だが、それを年末に少しばかり減税することで誤魔化すのが、岸田政権の今後の政策だと聞く。そんな岸田政権に反対して、パレスチナでの残虐行為に反対すべきなのだが、そのような主旨のデモなど発生していない。日本人は屠殺を待つ羊のような人たちなのだろう。

 

 

終わりに 

 

日本の岸田首相は、まるでマッカーサーの様な態度のエマヌエル米国大使の従順な僕のように見える。岸田政権は指示通りに、ウクライナ戦争ではウクライナを支持し、今回のパレスチナ戦争ではイスラエルを支持している。その結末が、ホルムズ海峡のイランによる封鎖と、それによる石油枯渇という重大事となる可能性がある。

 

アラブ諸国にも、この岸田首相の姿勢を見て、日本は米国の植民地とみている様だ。西アジアのニュースを報じる「The Cradle」が10 18 日、国連安保理でロシアが提出したガザ地区停戦の提案を、米国、英国、フランスとそれらの新植民地の日本が否決票を投じたと記している。

https://new.thecradle.co/articles/russias-neutrality-ballet-on-israel-palestine

 

上記記事の中のUS, UK and France, plus their neo-colony Japan という侮蔑的な呼び方を日本国民は噛みしめるべきだ。岸田内閣の対米姿勢は、これまでのアラブ諸国の親日的姿勢の急激な変化をもたらす可能性が高い。

 

 

補足:

 

1)民族浄化(ethnic cleansing)とは、ある地域からある特定の民族以外の民族を取り除くことである。

2)世界政府が無い現在の情況では、国際法があっても所謂国内法のようには機能しない。従って、対峙する両者ともに国際法など意識していない情況下では、周辺が国際法で議論することには殆ど意味がない。


3)米国は、自国よりも軍事的に弱いと判断した国や団体を、自国への国際法違反の一撃に誘導し、その後国際法違反の10倍返し的な攻撃で撃破する。この国際法を武器に用いる方法は、米国の常套手段である。日本の真珠湾攻撃と広島長崎の原爆投下、都市部攻撃もそのタイプである。今回のハマスの一撃も、イスラエルの人は真珠湾攻撃と呼んだ人もいた。同じ発想で、10~100倍返しの国際法違反の反撃が続いている。

 

4)中国の経済成長は、不動産開発に依存してきた。政府が国土全域を所有しているので、地方政府官僚たちがその利用権の販売で予算の財源とする一方、自分たちの私腹を肥やす手段とした。最初から政府紙幣に信用がなく、国民は貯金ではなく不動産を資産として所有する方法で、富を築いた。そして絶えず不動産価格が上昇し、国民が必要とする住宅マンションの2倍の戸数になったところで、バブル崩壊となった。日本のバブル崩壊とはレベルが違うと言われている。

 

5)日本の明治維新も香港に進出した同資本の対日工作の結果とも言える。日本の近代史の背後には、常にユダヤ系金融資本の動きがあった。日露戦争も英国と米国の資本で国家予算の何年分というような資金をユダヤ系資本から借り受けていた。その勝利で入手した南満州鉄道の経営に米国鉄道王のハリマンを参加させなかったことが、対米戦争の情況の起点に存在することは良く言及される。

また、昨今の世界の混乱の背後に、ジョージソロス(ユダヤ資本)の財団があると、X(旧ツイッター)のイーロンマスクは明確に指摘している。

https://www.theguardian.com/technology/2023/sep/18/elon-musk-accuses-george-soros-foundation-of-wanting-to-destroy-western-civilisation

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