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人類史の本流は中華秩序なのか、それとも西欧型秩序なのか

1)米国が露呈させた中国共産党政権の真の姿と日本の課題   日本が抱えている最重要な課題は、コロナ問題や拉致問題等ではなく、表題の問に対して明確な答えと姿勢を持つことである。短期的な経済的利益に囚われないで、現在が世界の歴史の方向が決定される時なのかどうかを考えるべきである。...

2024年1月28日日曜日

米国の崩壊と大統領選挙:トランプは排除される可能性が大きいかも

米国バイデン政権下、ウクライナの対ロシア戦争におけるウクライナ支援に関し、民主党・共和党間の対立が深刻である他、昨年10月に始まったイスラエル・ハマス戦争では、米国はイスラエルのガザ住民の無差別大量殺りくにも理解を示しているとの国際的批判が高まっており、この問題でもバイデン政権のイスラエル支持に一部に不満が蓄積している。

 

その他国内問題に関しても、様々な対立が深刻になっている。批判的人種理論の台頭と逆差別(アファーマティブアクション)の実施により、古くから米国の中心であった白人層(WASPなど)には不公平感が蓄積している。また、LBGTQ問題や人工中絶の是非の問題での対立も、米国における多彩な宗教との関連で深まりつつある。

 

更に、バイデン政権になる前の2018年ころからの急激な不法入国者の増加は深刻である。民主党に最大の寄付金を出していると言われるユダヤ系資本家のジョージソロスが中南米から不法入国者を招いていることや、それに呼応するようなバイデン政権のトランプ前大統領の時に築かれた国境の壁を取り除くなどの政策は、将に米国を破壊する政策であり異常である。

 

日系米国人のHaranoTimesさんは、今回の大統領選挙でトランプが負ければ米国は終わるとさえ言っている。その大統領選の予備選挙が始まっている。ニューハンプシャー州(伝統的に民主党支持の州)での予備選挙で、D.トランプがN.ヘイリー元国連大使を破って、最早共和党予備選では敵が居ないと言われる情況になっている。https://www.youtube.com/watch?v=2IR14MeJuVQ
 

2.不法入国者を招きいれる民主党バイデン政権とその背後

 

Haranotimesさんはつづく動画で、不法入国者を招き入れようとする連邦政府の国境警備隊と、阻止しようとするテキサス州軍とが対峙していると話す。この州政府と連邦政府の間の対立は、場合によっては内戦に発展する可能性がある。

 

 

このバイデン政権の異常な政策の結果、2021年以降、米国へ流入した不法入国者の数が激増している。最近、元米国海軍情報官のマックス・フォン・シューラ―さんが示した下の図(米国税関・国境警備局の作成)を見てもらいたい。(youtubeチャンネル越境3.0

 

 

トランプ政権時代にメキシコ国境に壁を築くなどして抑えていた不法入国者の数が、バイデン政権になって急増している。不法移民の流入は、普通に考えれば、今年の大統領選を優利にするとは思えないので、既に記したジョージソロスを含め、現在の米国与党とその背後にいる勢力は、米国を崩壊させることを目標にしているのでないだろうか。

 

現在の米国民がそのような政策を希望する筈がないので、現在の政権は、国民の利益も民主主義も最初から無視の姿勢であることが分かる。彼らは、世界的全体主義を目指す人たち(ネオコン)の指示で動いているのだろう。“新しい世界秩序”を大リセットで達成しようと考えている人たちだと思う。

 

この世界的グローバル化或いは世界の全体主義化の動きに反対し、主権国家体制を守ろうとする指導者たちが、米国のトランプ、ハンガリーのオルバン、アルゼンチンの新大統領ハビエル・ミレイなどだろう。ダボス会議に出席した米国ヘリテージ財団のトップであるケビン・ロバーツは、これらの人たちを取り上げ、結局所謂グローバルエリートの企みは打ち砕かれるだろうと話している。https://www.heritage.org/conservatism/commentary/why-i-am-going-davos

 

従って、ダボス会議に参列した世界経済フォーラムのエリートたちは、トランプが勝てば彼らの目指す新世界秩序が達成不可能になると言って考えて、危機感をもっているようだ。その米国の動きを知るために招待したのが、上記ケビン・ロバーツ博士なのだろう。(補足1)

 

一般市民が、世界経済フォーラムのメンバーやネオコン勢力、そしてそれに隷属的な例えば日本の与党政治家などと対抗するには、彼ら反作用勢力を応援する以外には手がない。日本の政治家たちは、訳も分からず米国民主党政権の言うがままに振る舞っているので、ケビン・ロバーツ博士の言うような結果に終わった時、最後まで敗れた側に取り残されるだろう。

 

 

3.米国大統領選の行方とトランプ暗殺の危険性

 

現在、米国共和党予備選では、トランプが優位に戦いを進めている。アイオワでの結果を見て、フロリダ州知事のデサンティスは撤退を決めた。トランプはリタイヤしたデサンティスを褒め、しつこく予備選挙を継続するニッキー・ヘイリーを批判し、「彼女を指示することは、戦争支持、中国支持、国境開放の支持であり、それら政策を続けるバイデンを支持することと同じだ」と言っている。

 

上記HaranoTimesは、JPモルガンのトップが、トランプの国境政策や対中国政策は正しいとの発言など、wall streetの一部も現実的対応を採り始めていると話すが、国際金融資本とユダヤ系グローバリストらは、その方向には進まないだろう。ニッキーヘイリーは今後も予備選を続けると言っているのは、彼らと何らかの関係にあるのだろう。

 

彼女が、これ以上づづける動機は二つしかない。一つは裁判でトランプ有罪となった場合、現在トランプを支持する中間に位置する人々がトランプ不支持に回る可能性に懸けること、或いは暗殺の可能性を考えていることである。

 

ユダヤ系グローバリストの筆頭に民主党に最大の寄付金を出しているジョージソロス一族が存在する。ジョージソロスの息子は、The AtlanticThe Great Normalizationと題する記事をX(元ツイッター)で引用している。(この記事は、インフレと犯罪率がバイデン政権になって収まっていると書いている。https://www.theatlantic.com/ideas/archive/2024/01/crime-and-inflation-decline-theories/677152/

 

その挿絵は、銃弾が貫通した窓ガラスと47ドルのドル札を並べている。銃弾が貫通した窓ガラスは暗殺を暗示し、47ドルの札は次期大統領(第47代)を暗に示す。

 

つまり、トランプが次期大統領を目指せば或いは次期大統領になった場合、彼は暗殺されるというトランプに対する脅しなのだろう。日本在住中国系の方の張陽チャンネルも、トランプの唯一の敵は裁判と暗殺だけだろうと言っている。https://www.youtube.com/watch?v=SfdPZIRoVeg

 

 

補足:

 

1)この記事は、Tanaka Newsの記事「トランプ主義を機関化しリベラルエリート支配と戦う米共和党」https://tanakanews.com/240126heritage.htm で見つけました。田中宇さんのこの記事は、我々を安心させる内容なので、一読をお勧めします。

 

(打消し線を入れた二つの文章は、1月29日修正の文です。)

2024年1月25日木曜日

桜井よしこ氏の「あなたは祖国のために戦えますか?」について

櫻井よしこ氏の「あなたは祖国のために戦えますか? 多くの若者がNOと答えるのが日本です。安全保障を教えてこなかったからです」とのツイート(19日)に対して、倉田真由美さんが「若者を戦場に行かせる者とこそ、戦うべきである」と非難したことがネットで話題になっている。

https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/chuspo/entertainment/chuspo-841759?redirect=1

https://www.chunichi.co.jp/article/841154 


この櫻井氏の発言に、私も違和感を感じる。

 

日本国がなければ、我々は今日の豊かな暮らしは出来ないので、誰もが日本国を大事だと思うだろう。しかし櫻井氏は「あなたは祖国のために戦えますか?」と問う前に先ず、日本国がどこと戦争する可能性があるのか、その日本の危機とはどのようなものなのか、その危機はどの様にして訪れようとしているのかを、若者そして国民に知らせ、議論する必要がある。

それらを抜きにして、あなたは祖国のために戦えますか?と聞かれても、直ちに戦いますとは言えないのが真ともである。櫻井氏は、目標や目的、そして経緯を抜きにして、現在の為政者の命令のままに命を差し出せと言うのか? 倉田さんはそのように受け取ったのだろう。私も一体若者に何を期待しているのか?と言いたい。

櫻井氏が愛国者なら、若者そして国民一般に対して、我が国が戦争に巻き込まれないように、外交と内政で国際的にも国内的にも日本国を信頼できる国にする努力を期待すべきであり、政治屋が始めた喧嘩に命を懸けて参加するよう促すべきではない。若者に対して、政治に関心を持ち、政治を議論し、政治に向いた有能な者が立派な政治家になることにこそ期待すべきである。

現状、確かに政治に関心の低い若者が多いだろう。ましてや政治家になろうとする若者は更に少ないだろう。その原因は何なのか? それを考えるのが、現在の政治家であり、現在の政治評論家だろう。その問題解決の為に、櫻井さん、あなたはどの様な哲学が、そしてアイデアがありますか? 

桜井氏の上記ツイートの主旨を知るには、桜井氏の国家とその防衛に対する考え方を知る必要性がある。そこで探してみたところ以下のyoutube動画を見つけた。2024/1/9放送のBSフジプライムニュース:“2024日本の課題”とあるべき日本人論: 櫻井よしこ×先﨑彰容<後編>である。https://www.youtube.com/watch?v=J8LTqE_JOXY

 


この番組では、政治と国民との間の距離が離れ過ぎていると、投票率の低下等から指摘されている。その原因として、選挙にお金がかかることや、投票に政治を変える効果を実感できないなどの指摘があったが、その点に関する解決策など具体的提案には至っていない。

先崎氏は、一定の豊かさを実現し一種の目標喪失のような状態なのだろうと、日露戦争に勝った後の文芸作品を引用して推測している。それも正しい部分を含むと思うが、側面的観測だと思う。政治に対する国民の無関心は確かな現象だから、もっと直接的に原因究明出来る筈である。それが無いと効果のある対策は出てこない。

つまり、高額の供託金とその没収の可能性、多額の選挙費用など、ある一般人が一流の政治思想を携え人生を懸ける覚悟をしても、容易には議員立候補さえ出来ない。つまり、指摘があったと思うが、政治に携わる側とその下で生活する大勢との間に大きなギャップというか壁が存在するのが現実である。

 

その政治家になる高い壁はいったい何の為にあるのか? 単に既得権益を守るためだけではないのか? 現在、政治家になるのは地盤看板カバンを世襲した二世議員や政党に担ぎ出されたスポーツや芸能での有名人ばかりであり、それ以外で議員になった人を殆ど知らない。従って、そのギャップを埋め、壁を下げる工夫をすべきだが、それらに対するものはここでの議論には無かった。

例えば、高額供託金を廃止し、出来るだけ多くの人に立候補のチャンスを与える。非常に大きな競争率になれば、例えば討論会などと予備選挙で本選挙参加資格者を絞るなどの方法もある。政治に志す者には一挙にその壁が消え政治との距離が縮まるだろう。また一般人でも、一旦近くで立候補者が出れば、政治に関心が広がり干し草に火が付いた様に議論も広がるだろう。

つまり、野球に関心のある人を作るには、子どもに野球を教えプレイさせればよい。それと同じように、国民に政治に対する関心も持たせるには、出来るだけ多くの人に政治をプレイさせればよい。

櫻井氏は、日本の歴史を2600年の皇室の歴史とし、美しい日本として説明している。その天皇を中心とした日本の政治を復活することを目的とし、その尊さと偉大さを主張しておられる。それでは、政治と国民の間の距離は縮まらないだろう。

2.上に引用の動画に対するコメントの再録


動画14分~ 桜井さんの日本の歴史認識について:

日本の歴史として滔々と皇国史観を語る桜井よしこさん、その時点で国民のための評論家としては失格だろう。歴史は勝者の作り話である。現在の検定教科書の歴史を100%受け入れる姿勢では、たとえ劣化腐敗が進んでも永遠に同じ勢力の統治が続く。(それに対抗するには無関心しかない。)

真実は敗者の側からも眺めなければつかめない。現在の改革には、現在までの歴史の真実が必要なのだが、それを持たないのが日本の若者が政治に関心を持たない理由。あの戦争を背景から理解すれば、無知な若者も政治的に変身する筈。桜井さんの悪の枢軸の話も、米国追従路線を信仰する信者の姿を露呈しただけ。


櫻井氏の明治の歴史を誇らしく語る姿にウンザリ。未だに司馬遼太郎の坂の上の雲の史観をそのまま繰り返している。あんな作り話は、「長州5が訪欧するお金、いったい誰が出したの?」という米国のフーバー研究所から帰った人の言葉で吹き飛んだ筈だ。英国ロスチャイルド家と薩長との関係を十分理解していないから、日本は日露戦争の勝利に酔い潰れてしまったのだ。

日露戦争の資金を貸した米国シッフ(ロスチャイルド系)の立ち合いで、鉄道王ハリマンと桂太郎首相の約束である桂・ハリマン協定を、日本政府は外務大臣の小村寿太郎の反対で反故にした。小村外相は桂首相の部下ではなかったのか? その桂が安倍さんが抜くまで、最長在位日数を誇っていたというのが、日本国の政治の実態である。

動画30分辺りでの日本の歴史教育についての議論について:

貧しい原始時代には、生きるためには家族或いは大家族の団結が必要だった。その後、部族間の争いが発生したときには、それを超える共同体としての国が必要になった。現在、生きるにはそれら全てが一見不要である。それが若者の政治に対する無関心を産んだのだろう。

つまり、現在の日本は豊かな原始時代である。自分の寿命を超えたもっと長い時間スケールで見ることもできなくなったのです。従って、桜井さんの語る偽りの2600年の歴史ではなく、原始の時代から日本国が出来現代に至るまでを再体験する様に歴史の真実として学び直すべきです。


豊かな原始時代に居る人には、自分の寿命を超えたもっと長い時間スケールで見ることはできないし、自分の半径10m以上の遠くの出来事に関心を持たない。つまり、歴史の真実を体験的に学び直すべきです。

ーーー 以上 ーーー

2024年1月21日日曜日

金正恩が岸田首相に送った地震見舞いの電報から考えられること

北朝鮮メディアは5日、金正恩総書記が能登半島地震の被害にたいして岸田首相に見舞いの電報を送ったと報じた。韓国メディアは、キム総書記が日本の首相に電報を送った前例はないとし、最高指導者が人道的な姿を強調する狙いがあると報じた。また、日米韓が対北朝鮮で協力を拡大する中で、日本に宥和的姿勢を示すことで、三ヶ国の連携にくさびを打ち込む狙いがあるとも分析している。https://www.youtube.com/watch?v=kcwXXmGffR4

 

 

それに対して林官房長官は6日、キム総書記に感謝の意を表したいとの談話を発表した。

https://www.youtube.com/watch?v=F7uyayyKFKw

 

その2,3日後(8~9日?)に、金正恩は軍需工場を視察した際、韓国について「もっとも敵対的な国と既定しなければならない歴史的な時期が到来した。我々の主な敵と断定する」と話した。更に、我々は「戦争を避けるつもりはない 」「我が国の主権と安全を脅かせば、あらゆる手段と武力を行使し、韓国を完全に焦土化させる」と続けた。

https://www.youtube.com/watch?v=-E1fa4MX1sg

 

以上の出来事は、金正恩が近いうちに韓国にむけて、何らかの積極的行動をとる予定があることを示している。具体的には、朝鮮戦争を再開し勝利の形で終結することだろう。最終的な形は韓国を併合する場合と金正恩のメンツが立つ程度に相当有利な形での平和条約締結のどちらかである。

 

金正恩が言う「歴史的な時期」とは、恐らく、①イスラエルとハマスの間で始まった戦争が拡大し、イランやトルコなどの大国が加わる事態、②米国大統領選挙が近づいた時に内戦となる事態、③中国の習近平が台湾進攻を始める事態、④ウクライナ戦争が突然NATOが参加する事態などが何時発生してもおかしくない昨今のことだろう。

 

それら①~④の事態となった時、北朝鮮が動くとすれば、その前に日本に対して手出しをしない様に核による脅しがかけられるだろう。その際、日本がその戦争に参加しないとの選択を取りやすくするためのメッセージではないだろうか。つまり、「日本に、核による莫大な人命の損出を覚悟してまで韓国側に加わる必要などない」と言いたいのではないだろうか。

 

2024年には、上記①~④の事態の発生が予想される歴史的な曲がり角にある。その事を意識し、日本国の閣僚等指導者の間で将来のシナリオを議論し、日本国民への明確なメッセージを用意してもらいたい。政治資金規正法や予算案などのいつもの議論だけで国会を終わり、非常時に米国の命令のままに自衛隊を動かすことは止めてもらいたい。その為の憲法改正もやめてもらいたい。

 

緊迫した国際情況にあっても、日曜朝のフジテレビの番組では、何十年まえから存在する政治資金問題などについて議論していた。昼の読売TVのそこまで言って委員会では、憲法改正や自衛隊は軍隊ではないなどの話をしていた。

 

それらは、50年前にする話である。議論するなら、それらを一度も国会で取り上げなかった議員たち(補足1)を当選させない方法、国家の体を為していない霞が関を解体する方法だろうと思いながら聴いていた。

 

そして、キッシンジャーの次の言葉を思い出した。米軍が南ベトナムの傀儡政府を見捨てて撤退する時、「アメリカの敵になることは危険かもしれないが、友人になることは致命的である」と言ったという。https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/22937

 

補足:

 

1)憲法改正については一度も国会で正式議題として議論していない。それは、国会議員たちはその必要性を感じていなかったからではないのか? そうでないと思う方がおられたら、その理由を教えてもらいたい。

ーーーおわりーーー

2024年1月20日土曜日

台湾ロビーが中国との闘いに日本を追い込むのか?

日本政府は、国民に歴史の詳細を隠すことで政権を維持してきた。その一つに、明治維新から日米戦争までの近代史がある。(補足1)戦後から現在まで、政権を担当しているのは自民党なので、彼らは担当した戦後の政治も隠蔽している。

 

自民党、つまり自由民主党は、1955年に米ソ対立の構図に対応できるように、吉田茂の自由党と鳩山一郎の民主党の合同で結成された。現代史の詳細を開示すれば、米国の属国としての日本の政治が露呈するので、厳重に隠したいのである。

 

現岸田政権も、隠そうとする意図も見えない程強引に、例えばLGBT法案やウクライナ支援など、米国の指示通り事を進めた。この強引さは、米国にもトランプのような民族主義的勢力が現れ、従来のネオコン勢力に余裕がなくなり、対日要求が非常に強引になったからである。

 

20世紀の終わりころに始まる米国の国際的地位の降下で、21世紀の日本は米国への追従だけでは国家としての存続が危うくなってきた。そこで、日本の一部に、日本国存続の為に米国から真の独立を果たすべきと考える人たちが多数出現し始めた。

 

しかし、日本は真の革命など一度も経験しなかった(補足1参照)ので、新しい道を狭い視野で探すことになった。その結果、自民党右派を中心とする彼らの多くは、その目標をぼやかしているものの本質的には天皇を国家元首とする大日本帝国への回帰を考えたようである。

 

そのような右翼民族的勢力を日本国内に育てる勢力として、明治時代に日本を軍事大国に誘導した英国と同じ構図で、台湾ロビーとよばれる台湾を資金元とする勢力が存在するという有力な説がある。今回はそれについて考えてみる。

 

1)李登輝が目指す台湾と自民党右派が目指す日本

 

第二次世界大戦以前、大日本帝国は強力な武力を用いて、台湾、朝鮮、そして日本を一つにまとめていた。日本も満州利権を争って、中国の蒋介石及び蒋介石を支援する英米と戦っていたが、その戦争に敗れた。その結果、日本は満州利権と台湾及び朝鮮を失うことになった。

 

英米の代理として日本と戦う役割を終えた蒋介石は見捨てられ、中国には共産党政権が出来た。蒋介石は台湾に逃れ、そこを支配下においた。米国や日本などは、その後共産中国を重視し台湾もその一部とすることに同意した。

 

共産党支配に恐怖を感じる李登輝など台湾土着の中国人たちは、米国との関係を維持する一方、日本との連携関係も復活させ、それらの助けを借りて中共による併合を阻止することを考えた。その目的の為に活躍しているのが台湾ロビーである。

 

台湾に国家としての纏まりをもたらす概念(アイデンティティ)は、李登輝の「新台湾人」なる考え方である。それは、新しく流れ込んだ蒋介石ら新中国人、その時既に台湾に渡って土着化した中国人、もとから台湾にいた原住民らを統合する考え方であり、その思想は台湾にとっては現実的で立派である。https://www.roc-taiwan.org/jp_ja/post/12763.html


そのような歴史を考えると、台湾と付き合う上で我々日本人が注意すべきは、李登輝の親日は日本を将来利用したいという思惑の表示であると言うことと、日中平和友好条約の存在である。

 

台湾を見捨てることで生き延びた我々の祖先の情けなさと台湾に対する贖罪意識を感じるのは当然だろうが、生き延びるための決断として、我々もそれを相続して生きなければならない。その上で、台湾との付き合い方も考えなければならない。

 

その一つの課題が、台湾ロビーの活動をどう扱うかということである。日本を昔の様な軍事強国に戻し、民主国台湾の対中国戦略へ協力させるという活動は台湾にとってはある意味で当然だが、それに同調することは日本の平和には重大な結果を招く可能性がある。

 

天皇を中心とした立憲君主制国家への回帰は、既に述べたように歴史の逆回転であり愚かな選択である。そのような古い日本へ回帰させる意図は自民党右派のものであり、台湾ロビーの活動の成果なのかもしれない。

 

例えば石原慎太郎の以下の国会質問により語られている。(2013年2月12日)https://www.youtube.com/watch?v=eUBwA現代dySEWc 

 

 

石原氏の語りには、納得する部分もあるが、多くの誤解や誤魔化しが含まれている。例えば石原氏が固有の日本文化として言及する靖国神社を擁する神道は、明治時代につくられた国家神道であり、自然神を崇める古来の神道ではない。(補足2)その他、江戸時代の日本文化に対する賛美があるが、その多くは間違いを含む。(補足3)

 

石原氏はそれらのごまかしを用いて、国家神道を復活させて実質的に戦前の日本を復活させたいのである。実際、石原氏は個人の所有となっている尖閣諸島を都が買い取ると言い出し、それが野田内閣の時の尖閣国有化につながった。それでは過去の戦争に学んだことにならない。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12751773056.html 

 

勿論、現在は過去の連続線上にあるので、日本は米国の、そして台湾は中国共産党政府の夫々自治国的要素を持つことは事実である。そこからの離脱には、原点から作り上げるのとは別種の壁が存在する。その中で大きいのは、現在の政治構造とそれに伴う既得権益である。

 

日本は新しい政治構造の樹立には、米国への完全追従路線で出来上がった既得権益の排除が必要である。その中には自民党の解体もあるだろう。石原氏にはそのような視点は全くない。

 

日本人の多くには、台湾ロビーの活動は単に親日姿勢(補足4)の表現と感じられ、その意図は殆ど気付かれなかったのではないだろうか。それがこれまで重要視されなかった理由だろう。最近、例えば深田萌絵氏は、台湾ロビーの活動について、激しく糾弾している。https://www.youtube.com/watch?v=vgP1U0gqlSI

 

 

2)台湾ロビーとは何者か?高島康司氏の考え

 

”日本の対中政策を操る隠れた勢力「台湾ロビー」とは何者”と題する記事(2016年8月)の中で、 著者の高島康司氏は以下の様に書いている。https://www.mag2.com/p/money/20764

 

アメリカの「台湾ロビー」は「ネオコン」を含む軍産系の政治家やシンクタンクに秘密活動資金を提供して働きかけ、おもに軍事面で台湾を支援するように誘導した。一方日本の「台湾ロビー」は、右翼系政治家や言論人そしてマスコミ関係者に対して、日本が中国から距離を取るか、中国脅威論を吹聴して両国を敵対させる外交政策へと誘導した。

 

高島氏は更に以下の様に記述している。

 

日本の台湾ロビーに近い政治家は、岸信介から、現在では森喜郎、麻生太郎、小泉純一郎、稲田朋美、高市早苗、そして安倍晋三などの反中国の右翼的な政治家が中心で、右派論壇のジャーナリスト、櫻井よし子もそうしたひとりである。

興味深いことに、現在の「台湾ロビー」は、憲法改正を行い、天皇制国家復活を夢見る「日本会議」と連携する関係にある。現在の改造安倍内閣の閣僚20名のうち、14名は「日本会議」か「神道政治連盟」、またはその両方の所属であるが、彼らは全員「台湾ロビー」の一員として、李登輝元総統と近い関係にある。

また、日本に常駐して「台湾ロビー」の人脈を結集させる中心軸となっているのは、評論家で日本に帰化した金美齢という人物だ。民進党政権では台湾総統府の国策顧問を務めたこともある人物である。提言は、櫻井よし子らの右派論壇と基本的に同じ内容だ。「愛国心の賛美」「激しい中国脅威論」「日中戦争の扇動」「自主憲法制定の支持」などだ。

それに対抗するグループが「北京派」だとしている。彼らは石橋湛山や池田勇人からはじまり、日中国交回復を実現させた田中角栄らの系列だ。現在では、加藤紘一、河野洋平、野田毅、田中直紀・真紀子夫妻、小坂憲次、二階俊博などがこの人脈である。(引用おわり)

 

ここで、日本人の多くには、台湾ロビーの誘導とされた部分は日本固有の主張と感じ、北京派の活動は中国共産党への特別な阿り或いはへつらいのように感じるのではないだろうか。

 

もし、これら二つの姿勢を等距離に眺めることが出来れば、石原慎太郎の考えも台湾ロビーの活動の成果に聞こえるだろう。そして次の時代の国民主権の日本の政治形態が徐々に見えてくる可能性がある。その為には、石原慎太郎の言うように天皇を軍神に戻してはならない。

 

政権与党が二派閥に割れるのは、日本に独立する気概と、それが由来する日本のアイデンティティが希薄だということである。日本人の殆どが人種の壁は兎も角、国境の壁を感じる感覚器を持たないというのも、明治以来の英米による日本人骨抜き活動の成果なのかもしれない。(補足5)

 

 

終わりに:

 

全ての日本人は、戦後史を復習すべきである。日本は東京裁判を受け入れることを条件にサンフランシスコ講和条約を締結した。また、日中国交回復の交渉の中で、日中双方が尖閣の領有権問題は棚上げにすると約束した上で、平和条約締結に至った。もし日本国が条約を簡単に無視する国でないと主張する気があるなら、政治家の靖国参拝や尖閣の領有権の主張も根本的に間違っていることに気づくべきである。条約無視は、敵国になるという決断なしには本来行ってはならない。

 

この歴史は、戦争責任がない人には不愉快かもしれない。しかし、それを守る義務を我々は継承している。そうなら、靖国神社に所謂A級戦犯らを神として祀り、そこに首相が参拝することはあってはならない。そして、上記引用文献で高島康司氏が記述している尖閣問題が発生したプロセスをもう一度復習すべきである。

 

つまり、それら条約を無視して、戦前のような政治体制を目指しているのが現在の自民党右派の人たちである。その多くが高島氏の記事で、台湾ロビーと深くかかわる人たちであるとされていることを日本国民は十分考えるべきである。

 

尚、台湾ロビーについては「日本のディープステート」として何回かにわたって深田萌絵氏によりYOUTUBEで配信されている。以下の動画はそれらを含む内容で、台湾関連の話題は10:50辺りから語られている。その他数本の「日本のDS」と題する深田氏の動画は参考になる。

 

 

 

補足:

 

1)隠蔽の歴史は以下の様にまとめられる。薩長の武士たちが江戸や京都での残忍なテロと倒幕戦争で勝利し、軍事政権として明治政府を作り上げたのだが、その背後にユダヤ資本が牛耳る英国が存在した。英国の戦略は、東アジアでの利権獲得であった。明治新政府は、西欧の侵略から日本を守るため、江戸時代までの旧弊を打破し国を近代化する為の改革を行ったとし、明治政府の由来を誤魔化しと日本の皇国として連続性を国民に教育した。(皇国史観)

 

2)靖国神社は明治時代に兵士として死亡すれば神になるという国家神道の為につくられたものであり、古来の天皇家をトップとする伊勢神道から改変された。またその伊勢神道は、天皇家が日本を統治する為に自然崇拝の神道を一神教的に改変しつくられた。本当の古来の神道は、経典も偶像もない自然崇拝の宗教であり、社殿も必須ではなかった。石原氏は知ってか知らずか確かではないが、それら全てを神道として理解し、出鱈目をいっている。

 

3)西欧の微積分という概念を、日本の関孝和がニュートンより先に見つけたと言っている。仮に関がそのような数学者だったとしても、日本文化の中にはすんなりとは組み込まれていない。例えば、日本人の多くは力と仕事(=力の積分)の関係すらまともに理解していない。日本文化という日本政治の背景を語る時に、関孝和のような点で語るのはインチキである。

 

4)日本人の多くは台湾は親日的だと信じている。この「親日的」という言葉は注意して用いる必要がある。国際社会は本質的に野生の世界であり、日本と台湾が共同体メンバー的に付き合えると思ってはならない。日本の購入者の為を思って日本の業者は製品を作っていると言う風な考え方以上に、注意が必要である。(企業は社会の公器という松下幸之助の考え方は、素晴らしいが標準ではない)

 

5)八紘一宇とは、国境など意味がないという思想だろう。日露戦争や日米戦争の決断の時に天皇が詠まれた歌:“四方の海皆はらからと思う世に など波風の立ちさわぐらむ”には、この八紘一宇の思想が背景にある。外国との戦争を語る時に、このような考えかたが飛び交うとしたら、やはり日本は異常である。明治天皇ご自身が、英国を支配していたグローバリストの洗脳工作にはまっていた可能性を排除すべきではない。

(17:00;翌朝一度下書きに戻して再編集後に投稿;1/24早朝、軽微な編集、更に”終わりに”に「条約無視は、敵国になるという決断なしには本来行ってはならない」の一文を追加。

<----終わり――――>

2024年1月14日日曜日

裏金問題摘発の真相:武器と資金をウクライナとイスラエルに支援させる為の反岸田派潰し

 

現在テレビや新聞は、安倍派と二階派の裏金問題を得意げに追及している。それは、岸田政権が警察と検察を利用して、岸田政権の暴走にブレーキを懸ける可能性のある人たちを排除することが目的であると、政治評論家の増田俊男氏が語っている。https://www.youtube.com/watch?v=CvU5PZOm3t8

 

 

動画を見てもらえば、本記事の目的の80%は達成される。ただ、動画が削除される可能性も考えて、若干私の考えも追加し補足する。

 

岸田は、米国ネオコン政権のある脅しによって日本国の秩序も何もかも破壊してでも自分を守るために、米国ネオコンの犬となり果てて日本の政治を私している。このままでは自民党は次回選挙で大敗して、解党にまで進む可能性があるので、安倍派と二階派は岸田おろしを裏で画策し始めた。

 

彼らの画策により岸田が自民党総裁を降ろされたら、日本に武器と資金の両面でウクライナとイスラエルを応援させることが不可能になる。総裁が交代しても、岸田と同様の脅しをかけることも可能だが、そうすると7・8事件の真相までバレてしまう可能性がある。

 

何とか岸田首相を3月に国賓として米国へ招待し、日本国民を煙に巻いて上記支援を実行させたい。今回の裏金問題告発は、”米国総督府”が邪魔者をとり除くために岸田を通して警察と検察に介入した結果なのである。この明快な論理があまり報道されないのは、マスコミを始め全ての日本人が非常にだらしないからである。

 

つまり、パーティー券収入の一部を帳簿に記載していないという違法行為は、自民党の他派も野党議員も岸田派議員を含め皆やっている。日本全国の自動車を運転する者たちの速度違反のようなものである。従って、現在進行している腐敗摘発の構図は、中国習近平政権がやってきたトラもハエも叩くという反腐敗運動のものと全く同じである。(補足1)

 

中国では袖の下がなければ公務員は動かないと言われるほど、小規模な汚職は蔓延している。これはコネ社会人治国家の常である。そこで、マスコミを支配した上で、政敵を反腐敗という錦の御旗を掲げて摘発し除外すれば、非常に簡単に独裁を達成できる。

 

米国のバイデン政権も同じ方法を、トランプ元大統領を次期大統領選から排除するために用いている。民主党に協力的な検察官を使って、大統領選にトランプが出られない様に何でもよいからトランプを起訴させ刑務所にぶち込む様に努力をしているのである。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-31/RSCZ04DWRGG501

 

イスラエルのネタニヤフ首相も好き勝手に政治を行なうため、最高裁判所の権限を弱めるための司法制度改革を行なっている。

 

近代西欧の成果であった民主と法治の政治が21世紀には破壊される運命にあるようだ。犯人の中核は、ジェイソン・モーガン氏が「全人類の敵」だといっているワシントンとそこの政権を操る世界の富を握る人たちだろう。安倍元首相暗殺の後、日本もその嵐に巻き込まれているのである。

 

 

https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12812550794.html

 

マスコミ、3S、マネートラップとハニートラップなどを駆使する方法は、歴史の中で腐敗政治の聖書として完成している。21世紀は西欧社会が作り上げた近代政治文化を上記”全人類の敵”が破壊する世紀である。

 

補足:

 

1)ここでは、政治家の裏金作りを擁護しているのではない。裏金作りを処罰するなら、政治風土の改革をするという目的と純粋に法律違反を罰するという姿勢で、公平且つ網羅的に臨むべきだと言っているのである。犯罪的な行為を野放しにしておき、取り締まり対象を恣意的に決定することで、犯罪とその取り締まりという図式で政治利用することは、もっと大事な近代政治の理念(法と正義、公平、三権分立、民主など)そのものの破壊になると主張しているのである。

(12:30、表題の修正;18:30、補足1の追加;他2箇所を修正し最終稿とする)

 

(以上)

2024年1月12日金曜日

日航機123便の御巣鷹山での墜落事故(1985年)について

1)事故の概略

 

羽田を1985812日午後612分に出発した日航機123便は、伊豆半島南部の東岸上空を巡航高度24,000フィート (7,300 m) へ向け上昇中23,900フィートを通過したところで、機内で大きな爆発音が聞こえ、その後油圧系統が利かなくなり操縦不能になった。

 

その後迷走状態で、東京都奥多摩町から北西方向に飛行し、長野県、埼玉県、群馬県が接する点から2㎞ほど北西の地点、御巣鷹山山麓に同日午後656分頃墜落した。(飛行ルートはウィキペディア参照)乗客4名を除いて、乗客乗員520名が死亡すると言う航空機事故史上空前の事故となった。

https://www.youtube.com/watch?v=AMsX9UCWHuU (動画1)

 

事故の原因と対応に疑問を残しながら、事故から2日後と言う異例の早さでボイスレコーダーの解析前にも拘わらず、圧力隔壁の破壊により操縦不能に陥ったことが原因とされた。2年後の1987619日に正式に事故報告書は出されたが、その時の結論も同じであった。

https://www.youtube.com/watch?v=cY_3uA0_zY4 (動画2;補足1)

 

それによれば、事故機は7年前に着陸の時に尻もちをつき、製造元のボーイング社が修理している。その際修理が不十分な形でなされたため、機体後部で機内空気を支える圧力隔壁が飛行中の振動による金属疲労で突然破裂したとされた。機内空気が一挙に流れ出し、垂直尾翼の一部を吹き飛ばした結果、油圧装置の損傷と方向陀喪失等により操縦不能に陥ったというのである。

 

この事故のモデルで納得する人は当時から少数であった。何故なら、次節にあるように機内の情況から減圧はそれ程急激ではなかったと考えられるからである。急激な減圧でなければ、垂直尾翼が吹っ飛ぶことは無い。

 

それに代わって、自衛隊のミサイル演習で無人の標的機が日航機に衝突したという説など、自衛隊のミスが原因であるという説の方が、単行本や後にyourube動画などでも多く紹介されている。(補足2)

 

自衛隊のミスで520人の死者を出したとなれば、当時中曽根内閣が検討していたミサイル防衛構想や米国レーガン政権が進めるSDI(戦略的防衛)構想への参加が、国民の反対で不可能になる。そこで、日本航空とボーイング社の協力で、圧力隔壁破壊説をでっち上げたというのである。

 

 

次節以降の内容は:

 

第2節: 上記圧力隔壁破損原因説が成立する程の機内空気圧低下があったのかどうかの検証

第3節:  事故後相模湾海中で発見された垂直尾翼の3つの破片の部位および形状と、それらが圧力隔壁破壊による高速空気流により発生したとする説との整合性の考察

第4節:事故前後の政治情況など社会的な側面からの議論少々。

 

 

2)圧力隔壁の破壊により垂直尾翼が吹き飛んだというモデル

 

事故調査委員会では、圧力隔壁の破壊で機内空気が噴出して、急減圧が起こったとしている。しかし、あるテレビ局が米国取材などをおこない、急減圧の人体生理への影響の検証実験を試みた上で、事故生存者の証言などを考察し、それを否定する動画をつくっている。航空生理学の大島正光東大名誉教授は、その時の日航機の機内で起こった減圧は、緩やかなものであったと結論している。

 

政府側の権威ある事故調査委員会の結論を否定するこの報道番組は結局放送されず、23年後(多分2008年)にネット上に公開されたのである。従って、そのタイトルは“初公開・23年前に製作されてお蔵入りになった番組:日航123便墜落事故検証特番”である。 (動画3)

 

 

その中で、何らかの理由で機内の圧力が0.8気圧(当時の機内圧)から外気の0.4気圧(上空7㎞)に急速減圧が発生した場合、通常耳の鼓膜は破れるなどの障害が発生し、酸素マスク無しでは数分で気を失う筈だと、米国での実験を通して説明している。生存者の落合由美さんや川上慶子さんは、日航機123便の中ではそのような情況ではなかったと語っている。(動画1参照)

 

実際機長らのボイスレコーダーの音声からは、酸素マスク無しでやり取りしていたと考えられるし、客室内でも直ぐに酸素マスクを着けている様子はなく、スチュワデスらが不時着の際の安全姿勢などを説明して回ったという話が伝わっている。

 

つまり、機内圧はそれほど低下してはおらず、機内から機外への急激な空気の流失で垂直尾翼が吹き飛なされたなどとは考えられない。政府がつくった事故調査委員会というのは、このように政府の都合に合わせて調査結果を捏造することが明らかになったのである。

 

その場合、真実を明らかにすることは、国策に逆らうことになる。それが多額の取材費用など掛けながら、放送を見送った理由だろう。これが日本のマスコミの実態である。

 

その他、迷走する日航機を自衛隊戦闘機が撃墜したと主張する動画もある。それは、都市部への墜落を考えた場合、あり得ないことではない。その他、通常の感覚では考えられない現場の様子を想像で示すものもかなりあるが、私には十分には確認できていないので省略する。

 

 

3)数日以内に相模湾で発見された垂直尾翼の破片が語ること:

 

次に紹介する動画では、日航123便飛行機の垂直尾翼がどのように破壊されたかに注目し、専門家の意見も紹介しながら、事故原因に迫っている。https://www.youtube.com/watch?v=oRAsXEexato (動画4)

 

 

この動画で示されている図の幾つかを抜粋し、垂直尾翼の損壊の詳細とその損傷の原因について、相模湾で発見された破片と撮影された事故機の機影から考察する。

 

奥多摩で撮影された墜落直前のジャンボ機と完全な同型機の姿が比較された図が、動画4で示されている。その姿から、事故機において垂直尾翼のかなりの部分の欠損が確認される。

 

 

考察をする前に、先ず簡単に垂直尾翼の構造の概略を説明し、相模湾で事故後数日以内に発見された尾翼破片とそれらの元々の部位を示す。下図は、動画内の図を抜粋し合成したものである。

 

 

図中にも説明があるので繰り返しになるが、垂直尾翼は右上図のように三つの部分から構成されている。前に垂直安定板(緑色)と呼ばれる部分、真中の堅牢な柱のような部分(紫色)、そして後ろの方向舵(赤色)である。中央の垂直尾翼全体を支える部分は、下図真中に示したようなボックス構造に作られており、非常に堅牢である。

 

相模湾で事故後数日以内に垂直尾翼の三つの破片が図左のA, B, Cである。これらが元々垂直尾翼のどこに存在したのかを図右下のA、B,Cが夫々示している。しっかりとした構造の破片AとCが垂直尾翼中央の柱的構造を隔てて、落下していること、そしてAの垂直安定板の一部は、堅牢な垂直尾翼のボックス構造の柱の一部とくっついた形で回収されている点が注目される

 

この三つの破片が、全体としても堅牢な垂直尾翼の構造を破って、最も堅牢な部分の中央の柱構造を残して別々に海に落下していることは、圧力隔壁の破壊による空気圧の解放では説明しにくい。機内からの空気圧で吹き飛ぶとしたら、最も大きな応力(荷重)が発生する根元から垂直尾翼の全体がはぎとられる形が自然だろう。

 

破片Aと破片BとCは、それらを隔てる垂直尾翼中央が墜落直前まで残っていた(機影を重ねた一つ上の写真)ことと、破片Aがその最も堅牢な部分の一部をともなって剝ぎ取られていることを考えると、それらは同時であっても別々に働いた力で、尾翼中央からはぎとられたと考えるべきである。

 

従って、方向性を持った外力が、垂直尾翼の少なくとも二カ所に別々に働いた結果、破壊したと考えるのが自然である。また、破片Aの剥ぎ取られ方に注目すれば、東京大学航空機構造力学の近藤恭平教授が語っているように、垂直尾翼全体に作用する空気圧が原因なら、中央のボックス構造は残して、垂直安定板の部分のみが剥ぎ取られるだろう。

 

近藤教授が、破片Aの異常な剥ぎ取られ方について以下のように語っている。(動画の26分57秒)「先ほどまでのビデオテープを見ますと、そのような特別の荷重が掛かったようには思えないのですが、今まで考えても見なかった違った種類の荷重がかかりこわれたのではないかと思う」と解説している。

 

「先ほどまでのビデオテープ」とは、恐らくこれまで想定されていた事故に関する情報が映されていた映像のものだろうと考えると、この言葉は圧力隔壁が高速空気流で破壊された訳ではないという意味であると理解できるだろう。学者独特の抑制された言い方である。

 

このような情報を頭に置いて、奥多摩で撮影された機影を見ると、垂直尾翼の上部前方が欠けていること、中央の堅牢な部分の殆どが残されていること、方向舵は多分大部分無くなっていることがより明確にわかるだろう。

 

この動画(動画4)でも、垂直尾翼の60%が失われていると語っているが、それは事故調査委員会の公式発表に引きずられた発言だろう。写真からは、実際は断面積として30‐40%程度無くなっているに過ぎない。そのような垂直尾翼の前方上部から後方下部に至る幾つかの部位が吹き飛ぶことは、何かの構造を持った物体の衝突か、何かが衝突後に爆発したことが原因と考えるべきだろう。

 

以上から、自衛隊のミサイルか標的無人機かはわからないが、何らかの飛行する物体或いは何か爆発物の衝突により、方向舵と油圧コントロールシステムを失ったのが、日航機墜落の原因だろう。中曽根内閣が、米国政府とも相談の上、この事実を隠蔽したというのが私の結論である。

 

非常に不思議なのだが、垂直安定板の上部の破片については、上記動画を除いて殆ど重要視されていないことである。ウイキペディアにも書かれていない。もし相模湾海底に発見された尾翼の一部を回収しても、これ以上の重要な情報を語らないだろう。

 

この動画は、事件後数年以内に作られたと想像するが、動画3同様、最近まで公開されなかったのかもしれない。

 

 

4)日米の政治とのかかわり:

 

ボーイング社が、いい加減な修理をした結果重大事故に繋がったとされたが、その報告の結論をボーイング社も数日で認めた。その結果、事故での死傷者に対する賠償責任を日本航空、ボーイング社、日本政府が共同で負うことになった。米国の会社がこのように素直に過ちを認め、賠償に応じることは非常に不思議である。

 

その後、日本からの航空機発注は主にボーイング社になされ、日本市場はボーイング社のほとんど独占状態となった。その日本市場における好業績は、誰しもが泥を被ったボーイング社への見返りかもしれないと考えるだろう。

 

事故調査委員会報告書のような原因なら、ボーイング社の修理担当は、業務上過失致死罪という刑事罰の対象となる筈である。しかし、型通りの告発はされたようだが、実際に罰せられたと言う記録はみつからない。また、第116国会(198910月)において、北村哲男議員がこの件について質問をしているが、答弁は告発の事実以外は答えかねるというものだった。

 

当時、日本は中曽根内閣の下で、新しいミサイル防衛構想が議論されていた。また、1983年にレーガン大統領が戦略防衛(SDI)構想を発表し、19853月に米国は日本を含む18ヶ国にSDIへの参加招聘を行なっている。https://www.jiia.or.jp/pdf/asia_centre/jimbo_bmd.pdf

 

中曽根内閣もSDI構想に強い関心を示していたが、世論の反応を非常に気にしていた。その様な時期に、自衛隊の演習の結果大事故に繋がったとすれば、隠蔽する動機は十分である、SDI構想への参加を招聘している米側としても、ボーイング社に協力するように圧力を懸ける(工作する)動機は十分にある。

 

日航機123便事故が、自衛隊のミスにより引き起こされたが、日本政府、米国政府、日本航空、ボーイング社の4者で責任転嫁がなされたとする解釈は、日本政府が国防政策を米国に完全依存する形で進めていること、米国は東アジアでの中心的戦略として二重封じ込め政策を執っていることと整合的である。(補足3)

 

終わりに:

この日航機123便墜落事件について本も幾つか出版されている。動画での解説も多いし、更に映画まで作られているという。しかし、それらは真実を知る上で参考にはなるが、同時に障害になる可能性もある。何故なら多くは真実追及以外の何等かの動機を以て作られているからである。それらの中から特に事実解明を主目的にしていると評価される二つの動画(動画3と4)に注目し、自分の考えも追加して紹介した。

 

これらのほかにも、重要な情報を紹介したと思われる動画があるが、私には真贋の判断ができないので、紹介は避けた。例えば:https://www.youtube.com/watch?v=2mDZnbc1DuM この動画では、日航機は自衛隊の無人標的機と衝突して操縦不能となったので、自衛隊はジェット機を二機追跡させ、最後には撃墜したと結論している。

 

 

補足:

 

1)動画2の後半では、パソコンOSとして日本で開発中であったTRONの開発を妨害するための撃墜だとする説、プラザ合意との関連させる説、その他政治利用などのための捏造された説など、この事件に対する諸説が紹介されている。

 

2)自衛隊のミスを隠すために乗客が生き残らないように、火炎放射器で遺体を焼いたという類の話もあるが、それは日本人だけの世界では考えられない。以下の動画にはその他様々な悍ましい話が出てくる。一部は真実だろうが、このような悍ましい説は味噌(ここで紹介の説)に糞を混ぜ込む方法で大衆を混乱させるために流布されたものだろう。https://www.youtube.com/watch?v=U3XbTlZpph8

 

3)二重封じ込め戦略とは、日本の軍事力を日米安全保障条約という形で米国の監視下に置き、米国に刃向かう事の無いように封じ込める。更に、その軍事力を米国の指揮下において、例えば中国を封じ込めるという戦略である。日本の自衛隊は有事の際には、米国の指揮下に置くという密約があると言われている。

 

二重封じ込めは、完全ではないかもしれないが、ドイツなど西欧諸国にも用いられていると考えられる。ウクライナ戦争を見るとわかるだろう。

 

(9:45; 数語句の修正;17:00, 20:30全体を編集;1/13早朝、全面的に改訂、補足3追加等;1/14早朝再度編集の上、最終稿とする)

 

2024年1月4日木曜日

JAL機と海上保安庁機の衝突の謎: 自動車事故のように片づけるべきではない

1月2日夕刻のJAL機と地震被災地へ支援物資を運ぶ海上保安庁機(海保機)の衝突事故について、深田萌絵氏が解説している。様々な原因が重なって事故が起こったのだが、当局は海保機機長だけに責任を押し付ける形で解決しようとしているように見えると、疑問を呈している。https://www.youtube.com/watch?v=qaVtYrL2fCo

 

 

航空機での旅客輸送等は大規模であり、しかも本質として非常に危険な業務であるので、①飛行機(操縦士と操縦システム)、②空港(滑走路とその装置群)、③管制(管制官と管制システム)全体で、安全を確保するシステムが出来上がっている。

 

従って、今回の事故の場合、一方の飛行機の機長がたまたまミスをしたとしても、全体としてのフェイルセイフ(失敗防止)機能がまともなら、事故は防止された可能性が高い。

 

深田氏は、上記①②③の合計4カ所(飛行機2機、飛行場、及び管制塔)で本来協奏的に仕事がなされていたなら、一箇所のミスがあっても事故を防止できた可能性が高いので、その何処に原因があり、フェイルセイフ機能が何故働かなかったのかを明らかにしなければならないと言っている。

 

しかるに警察は現在、海保機機長の業務上過失致死罪をゴールに定めて捜査していると報道されており、それはこの種の航空機事故の再発を防止する意味からも遺憾だと話す。

 

2)交信記録と海保機機長の証言の矛盾

 

英国国営放送BBCにより公開された交信記録は以下のように掲載されている。これは、3日ヤフーニュースで流されたものと同じである。https://news.yahoo.co.jp/articles/0c6e09aaadf2ea60c76adc92d679ce96e4c04121

海保機機長は重傷ながら脱出し、意識のある時に「管制から離陸許可」をもらって、C滑走路に入ったと明確に証言している。しかし、交信記録には、C5上の停止位置まで誘導路を走行してくださいとの指示のみであり、離陸許可の交信は確認されていない。

 

海保機機長の思い違いかもしれない。時刻は17:4519であり、夕闇に包まれる頃なので、目測を誤った可能性もある。副操縦士も居たのだから、恐らく事故で動転しての記憶違いをしたのだろう。

 

ただ、目測を誤るという類の単純エラーは、通常それを知らせるシステムが働いて、海保機の場合は引き返すなどの措置がとれる筈である。また、日航機に着陸許可が出てから衝突までに2分という時間があったので、再浮上して衝突をさけることも可能だったかもしれない。

 

これらの事故回避の措置が何故とれなかったのか、そこを明らかにしなければ、事故調査をしたことにならないと思う。

 

航空機事故の場合、単純なヒューマン・エラー(人為的凡ミス)に対して、フェイルセイフ機能が全く働かず事故となった場合、それはシステムの問題だといえる。

 

下線を施した上の文章は、小型飛行機の操縦経験のある堀江貴文氏が以下の動画の9:45秒からの発言を基にして書き記した。https://www.youtube.com/watch?v=OO_2ooIdb94

 

 

 

3)今回の航空機運航上のシステムにおける重大な幾つかの欠陥

 

これについては、最初に紹介した深田萌絵氏の動画で詳細に検討されている。それを以下に簡単に紹介する。

 

・海保機は最新式の位置情報を発信する装置(最新式トランスポンダ―)を搭載していなかった。トランスポンダ―は飛行機の位置情報をGPSで検出し、毎秒発信する装置である。(補足1)

 

・羽田のこの滑走路に本来備わっているべき滑走路警告灯が故障をしていたという。(補足2)それが修理されていなかったということである。この件は、国際民間航空条約で定められている航空情報(Notice to Air MissionNOTAMと省略)に記載されている。ただそこには補修の予定などは記載されていないようだ。

 

海保機は、位置について目測を誤ったとしても、トランスポンダーが正しい位置を管制塔やJAL機に知らせていた筈ではないのか? また、管制塔も海保機が誤って滑走路上に居たのなら、滑走路警告灯でそれを知り得たのではないのか? これら二つが成立しなかったことの責任を、国民に公表するべきだ。

 

何故、国土交通省は管轄下にある羽田飛行場の滑走路警告灯の故障などの補修を放置したのか? 海保のこの飛行機は、堀江氏によると、東日本大震災で津波の被害を受けたものの、修理の上利用している飛行機だという。使えるだけ使うのは予算節約上大事なことだが、何故安全確保の上で大事な最新式のトランスポンダ―を装着させなかったのか? 

 

深田氏は、このようなシステムの欠陥については、海外では報道されているものの、国内では報道されていないといっている。

 

最後に:

 

何故、羽田飛行場の滑走路警告灯を補修しなかったのか? また、何故海保が古い飛行機を使わなければならなかったのか? 最近政府は、金を惜しげもなく何兆円でも、ウクライナなど海外にばら撒いている。金がないとは言えない筈だ。

 

堀江貴文氏も上の動画で、このような航空機事故において刑事罰を問うような場合、事実が隠されることが往々にしてあると言っている。警察及び司法は、何とか政治と癒着しているという国民の疑いを払拭してもらいたい。

 

海保機もJAL搭乗員も、現場は自己を犠牲にして頑張る世界に誇れる人たちである。現場は一流、政治は三流だと誰かが言った。残念である。

 

追補:

 

昨夜のヤフーニュースで、「元日本航空機長が解説…事故防げた可能性 海保機の動きを“再現”…記録公開も残る謎」と題する記事が報じられた。海保機が位置確認を間違えた、日航機が海保機の位置確認ができなかったなどと記されている。それが出来ておれば、事故が防げたかもしれないというのである。それにも拘わらず、何故、トランスポンダーが最新でなかったこと、滑走路警告灯が故障していたことに触れていないのか? 日本という国は本当にどうしようもないダメな国である。

 

補足:

 

1)USA Today の記事には、衝突の原因に関する記述の最初に、海保機には最新式のトランスポンダーが搭載されてなかったことが書かれている。GPSで検出した位置と機体の高さとスピードが発信され、レーダーよりも確かな情報を与えると書かれている。How the Japan coast guard plane crash unfolded: A visual explanation (usatoday.com)

 

 

2)滑走路に何もないことを知らせる警告灯が故障していたことは、米国のabc eyewitness newsの記事には掲載されている。

 

 

 

(19:50;20:00 補足1と2を追加;翌日早朝、追補を入れた)

====おわり====

2024年1月3日水曜日

台湾進攻の準備なのか? 中国農業改革と世界戦争との関連

元日、能登半島近辺で最高震度7(M7.6)の強い地震が発生し、愛知県でも長周期の強い揺れに恐ろしい巨大なエネルギーを感じた。今年は日本を含め世界にとって激動の年になるという啓示かも知れないと思った。

 

113日には台湾総統選挙が行われ、総統の椅子が現在の民進党から国民党に移るかどうかは、中国習近平政権の台湾に対する姿勢を決める。民進党側が総統を出せば、中国は台湾の背後に米国と米国の同盟国である日本と韓国の存在を強く意識するだろう。https://www.youtube.com/watch?v=uToCdtfwG_4

 

また、115日には米大統領選挙が行なわれる。共和党と民主党の全国大会(7月~8月)で両党の候補者が決定され、選挙日までに大統領候補者による討論会が開かれる予定である。そこまで無事進んでも、候補者決定から選挙までの間に何か重大なことが起こりそうな気がする。

 

米国内が混乱し、大統領選挙中止が決定される可能性を考える人も多い。その時、現在の2箇所での戦争の他に、中国による台湾進攻が加わる可能性がある。米国バイデン政権は同盟国も使ってそれを妨害するだろう。その目的は台湾擁護ではなく中国の弱体化であり、ウクライナ戦争と同じ構図だろう。この世界政治の運びは、米国政治におけるトランプ排除も兼ねている。

 

この文章は、論理的ではないと感じる人は多いと思う。それには、以下の様に答えたい:「これらは予定された出来事であり、ワンセットの出来事である」と。昨年一年の本ブログでは、これら全体の指揮は米国ネオコンとその背後のイスラエルロビーが執るという風に書いて来た。つまり政治におけるグローバル化であり、グレートリセットもその別名だろう。(補足1)

 

言いたいことは以上だが、少し詳しくそして中国の動きを含めて書く。以下も、理系人の思いっきり深読みした結果で、参考にしてくださればと思います。

 

2)グレートリセット的動き

 

今回のハマス・イスラエル戦争だが、イスラエル側の残忍な行為がガザ地区及びパレスチナ西岸地区で繰り返されても、アラブ諸国は世界戦争を避けるためにイスラエルに宣戦しなかった。しかし、今後その時が、他の二カ所の戦争の本格化とともに来る可能性があると思う。

 

中東とウクライナでの戦争は、中国習近平にとって台湾進攻のチャンスである。前回記事に書いた様に、中国共産党政権の経済政策失敗により、習近平の権威はがた落ちである。そこで、台湾併合に成功すれば、習近平は「祖国統一の偉業」を成し遂げた英雄となり、或いは毛沢東を超える存在となり、中国は巨大な北朝鮮的国家となる。その後の世界はどうなるか、予測不能だろう。

 

昨年5月~7月に、イーロンマスクとビルゲイツという米経済人が、その後数日を経てブリンケン米国務長官、更にそのあとキッシンジャー元国務長官が中国を訪問している。何が目的でこれほど米国の人たちが中国を訪問するのかについて、日本では詳細には分析・報道がされていない。

 

実はその数ヶ月前に、中国は農業政策を大きく変化させ、戦争準備とも思われる主食の増産に向けての対策をとっていた。一つは数万人の農業管理部隊を農村に送り込み、農民にあまり儲からない穀物生産を強制している。(補足2)もう一つは、農地の流動化(大規模化、法人化)の為の法整備をおこなったことである。

 

これについて日本では、ウクライナ戦争でウクライナやロシアからの穀物輸出が十分でなく、世界は食糧危機になる可能性があるので、それに備える政策であるとして報道された。台湾進攻など戦争の準備と考えた人は居なかった。

 

 

 

一方、香港や米国在住の中国人の方々のyoutube チャンネルで語っているのは、戦争に伴う米国側からの海路封鎖に備えるためという分析である。中国政府の強引な農民無視の政策として理解するには遥かに説得力がある。 https://www.youtube.com/watch?v=k0p6lmyfyqU

 

 

米国要人の中国訪問の目的も同じく台湾進攻との関係を考えるべきではないだろうか。今しばらく台湾進攻を思いとどませる為、つまり、米国にとってあの時点での台湾進攻は、時期尚早なのである。

 

因み、最近の安倍派潰しは、岸田政権からの政権移譲のルートを潰す目論見だと思われる。裏金作りなんて話は、昨日今日明らかになった話ではない筈。何故今なのかを考えると、あと暫くは岸田を支点に日本を操りたい勢力の作戦だろう。

 

ここで、昨年2月に書いた記事を引用しておく。この記事ではイスラエルによるアラブ潰しを予想している。上記全ての戦争(そして安倍暗殺と安倍派潰し)が、米国シオニズム勢力の新しい世界の権力構造構築の一環だという主旨の文章である。

https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12787065995.html

 

 

3.以下一部再掲:
 
彼らの革命を邪魔する大きな存在は、ロシアと中国である。ロシアと中国は、綿密に計画しないとつぶせない。ロシアが強力だと思われた時代には、中国を武器にロシア(ソ連)をつぶそうと考えたのがキッシンジャーとニクソンが担当した米中関係の構築である。

現在は、①ロシアはウクライナと欧州の国々が前面に出て担当し、②中国は台湾、日本、韓国が担当するシナリオだろう。③米国は米国自身が担当して崩壊させる。④中東はイスラエルが担当する。そして世界中に戦火が拡大し、文明の壊滅プロセスがスタートし完了した後、新たな芽が自分たち(ユダヤの民)を中心に育つのである。

このモデルで必須の道具は、核兵器である。世界中で核兵器による猿に似た人間たちをSweep Awayするには、早い時期で自分たちの核使用の意図がばれてはならない。先ず第一段階として、ロシアに核兵器を使用させて、戦後原爆投下の後に出来た核兵器の封印を解かなければならない。

米国が使えば、既に広島と長崎で使って人類虐殺の訓練を終えている自分たちの正体がばれて、世界中の人たちが自分たちのシナリオを知ってしまう。(追補1)そこで自分たちは成敗されて、世界は元に戻る。数十年後に現れる文明の崩壊では、本当の意味での世界の大混乱が起こるだろう。

そこで生き残るのは南半球に住む第三者的な少数の人たちになる可能性が大きい。彼らは、それでは元も子もないと思うのだろう。

=== 以上引用(若干修正)終わり ===

 

終わりに一言

 

かれら米国のイスラエルを応援する人たち(イスラエルロビー)は、所謂シオニストである。そして、その手先のネオコンたちは、伊藤貫氏が言う様に非常に優秀な人たちだろう。彼らにとって、文明の崩壊は自明であり、最後の時は何れ来る或いは既にその真っ只中にあると考えていると思う。

 

キリスト教徒の一部とユダヤ教徒は、約束の地にユダヤの国が神によって再建されると考えている。その神に(人間の分際で)協力してユダヤの国をつくろうと考えるのがシオニストである。過激なシオニストは、神の裁きを先取して、自分たちで大イスラエルを手に入れようとする人たちである。

 

イスラエル建国から首都をエルサレムに置いているが、国際的には認められていなかったので、 実質的な首都はテルアビブであった。トランプは米国大使館をエルサレムに移動することで、イスラエルロビーを味方にした。デサンティスもポンぺオも同様のようだ。

 

現在では、イスラエルロビーからの発注に従順なネオコンたちは、恐らくかれらに地球全体を引き渡そうと考えているだろう。それがグローバル化の意味だろう。

 

補足: 

 

1)このシナリオはすんなり進むとは限らない。これまでネオコン&イスラエルロビーの作戦は筋書き通り進んできた。しかし、インターネットが主要な情報&通信手段となり、彼らの作戦が一般民に読まれるようになった。余裕のない彼らが、急いで幾分稚拙に実行したのがウクライナ戦争であり、ハマス・イスラエル戦争だと思う。後者は、サウジアラビアに核開発という餌をぶら下げて、イスラエルとの和平を画策し、イランとサウジの間にくさびを入れ、ハマスを孤立させる作戦であった。

 

 

2)森を農地に開墾したり、最終段階に入った公園造成工事を中止して、そこを農地にするなど、非常時を見据えた政策に見える。また、この政策は、穀物は安く輸入出来るので経済的見地からは得策ではない。農家は収入が減りこれまでの生活が出来なくなるので、空しい抵抗をしているようだ。

 

(2024/1/02;1/03早朝編集)