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2024年1月25日木曜日

桜井よしこ氏の「あなたは祖国のために戦えますか?」について

櫻井よしこ氏の「あなたは祖国のために戦えますか? 多くの若者がNOと答えるのが日本です。安全保障を教えてこなかったからです」とのツイート(19日)に対して、倉田真由美さんが「若者を戦場に行かせる者とこそ、戦うべきである」と非難したことがネットで話題になっている。

https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/chuspo/entertainment/chuspo-841759?redirect=1

https://www.chunichi.co.jp/article/841154 


この櫻井氏の発言に、私も違和感を感じる。

 

日本国がなければ、我々は今日の豊かな暮らしは出来ないので、誰もが日本国を大事だと思うだろう。しかし櫻井氏は「あなたは祖国のために戦えますか?」と問う前に先ず、日本国がどこと戦争する可能性があるのか、その日本の危機とはどのようなものなのか、その危機はどの様にして訪れようとしているのかを、若者そして国民に知らせ、議論する必要がある。

それらを抜きにして、あなたは祖国のために戦えますか?と聞かれても、直ちに戦いますとは言えないのが真ともである。櫻井氏は、目標や目的、そして経緯を抜きにして、現在の為政者の命令のままに命を差し出せと言うのか? 倉田さんはそのように受け取ったのだろう。私も一体若者に何を期待しているのか?と言いたい。

櫻井氏が愛国者なら、若者そして国民一般に対して、我が国が戦争に巻き込まれないように、外交と内政で国際的にも国内的にも日本国を信頼できる国にする努力を期待すべきであり、政治屋が始めた喧嘩に命を懸けて参加するよう促すべきではない。若者に対して、政治に関心を持ち、政治を議論し、政治に向いた有能な者が立派な政治家になることにこそ期待すべきである。

現状、確かに政治に関心の低い若者が多いだろう。ましてや政治家になろうとする若者は更に少ないだろう。その原因は何なのか? それを考えるのが、現在の政治家であり、現在の政治評論家だろう。その問題解決の為に、櫻井さん、あなたはどの様な哲学が、そしてアイデアがありますか? 

桜井氏の上記ツイートの主旨を知るには、桜井氏の国家とその防衛に対する考え方を知る必要性がある。そこで探してみたところ以下のyoutube動画を見つけた。2024/1/9放送のBSフジプライムニュース:“2024日本の課題”とあるべき日本人論: 櫻井よしこ×先﨑彰容<後編>である。https://www.youtube.com/watch?v=J8LTqE_JOXY

 


この番組では、政治と国民との間の距離が離れ過ぎていると、投票率の低下等から指摘されている。その原因として、選挙にお金がかかることや、投票に政治を変える効果を実感できないなどの指摘があったが、その点に関する解決策など具体的提案には至っていない。

先崎氏は、一定の豊かさを実現し一種の目標喪失のような状態なのだろうと、日露戦争に勝った後の文芸作品を引用して推測している。それも正しい部分を含むと思うが、側面的観測だと思う。政治に対する国民の無関心は確かな現象だから、もっと直接的に原因究明出来る筈である。それが無いと効果のある対策は出てこない。

つまり、高額の供託金とその没収の可能性、多額の選挙費用など、ある一般人が一流の政治思想を携え人生を懸ける覚悟をしても、容易には議員立候補さえ出来ない。つまり、指摘があったと思うが、政治に携わる側とその下で生活する大勢との間に大きなギャップというか壁が存在するのが現実である。

 

その政治家になる高い壁はいったい何の為にあるのか? 単に既得権益を守るためだけではないのか? 現在、政治家になるのは地盤看板カバンを世襲した二世議員や政党に担ぎ出されたスポーツや芸能での有名人ばかりであり、それ以外で議員になった人を殆ど知らない。従って、そのギャップを埋め、壁を下げる工夫をすべきだが、それらに対するものはここでの議論には無かった。

例えば、高額供託金を廃止し、出来るだけ多くの人に立候補のチャンスを与える。非常に大きな競争率になれば、例えば討論会などと予備選挙で本選挙参加資格者を絞るなどの方法もある。政治に志す者には一挙にその壁が消え政治との距離が縮まるだろう。また一般人でも、一旦近くで立候補者が出れば、政治に関心が広がり干し草に火が付いた様に議論も広がるだろう。

つまり、野球に関心のある人を作るには、子どもに野球を教えプレイさせればよい。それと同じように、国民に政治に対する関心も持たせるには、出来るだけ多くの人に政治をプレイさせればよい。

櫻井氏は、日本の歴史を2600年の皇室の歴史とし、美しい日本として説明している。その天皇を中心とした日本の政治を復活することを目的とし、その尊さと偉大さを主張しておられる。それでは、政治と国民の間の距離は縮まらないだろう。

2.上に引用の動画に対するコメントの再録


動画14分~ 桜井さんの日本の歴史認識について:

日本の歴史として滔々と皇国史観を語る桜井よしこさん、その時点で国民のための評論家としては失格だろう。歴史は勝者の作り話である。現在の検定教科書の歴史を100%受け入れる姿勢では、たとえ劣化腐敗が進んでも永遠に同じ勢力の統治が続く。(それに対抗するには無関心しかない。)

真実は敗者の側からも眺めなければつかめない。現在の改革には、現在までの歴史の真実が必要なのだが、それを持たないのが日本の若者が政治に関心を持たない理由。あの戦争を背景から理解すれば、無知な若者も政治的に変身する筈。桜井さんの悪の枢軸の話も、米国追従路線を信仰する信者の姿を露呈しただけ。


櫻井氏の明治の歴史を誇らしく語る姿にウンザリ。未だに司馬遼太郎の坂の上の雲の史観をそのまま繰り返している。あんな作り話は、「長州5が訪欧するお金、いったい誰が出したの?」という米国のフーバー研究所から帰った人の言葉で吹き飛んだ筈だ。英国ロスチャイルド家と薩長との関係を十分理解していないから、日本は日露戦争の勝利に酔い潰れてしまったのだ。

日露戦争の資金を貸した米国シッフ(ロスチャイルド系)の立ち合いで、鉄道王ハリマンと桂太郎首相の約束である桂・ハリマン協定を、日本政府は外務大臣の小村寿太郎の反対で反故にした。小村外相は桂首相の部下ではなかったのか? その桂が安倍さんが抜くまで、最長在位日数を誇っていたというのが、日本国の政治の実態である。

動画30分辺りでの日本の歴史教育についての議論について:

貧しい原始時代には、生きるためには家族或いは大家族の団結が必要だった。その後、部族間の争いが発生したときには、それを超える共同体としての国が必要になった。現在、生きるにはそれら全てが一見不要である。それが若者の政治に対する無関心を産んだのだろう。

つまり、現在の日本は豊かな原始時代である。自分の寿命を超えたもっと長い時間スケールで見ることもできなくなったのです。従って、桜井さんの語る偽りの2600年の歴史ではなく、原始の時代から日本国が出来現代に至るまでを再体験する様に歴史の真実として学び直すべきです。


豊かな原始時代に居る人には、自分の寿命を超えたもっと長い時間スケールで見ることはできないし、自分の半径10m以上の遠くの出来事に関心を持たない。つまり、歴史の真実を体験的に学び直すべきです。

ーーー 以上 ーーー

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