1)ゼレンスキーとその背後の世界戦略:
トランプ政権のウクライナ和平プログラムの最初のページが、ゼレンスキー・ウクライナ大統領により反故にされた。それが事故的ではなく意図的であることは、会談終了時にゼレンスキーがある方向を向き、微笑みながらthumbs-upをしたことでも分かる。https://www.youtube.com/watch?v=OPa29S_-u_Q&t=2033s
ゼレンスキーは、東部ウクライナの資源開発の協定に署名する際に、ウクライナの全面的な安全保障を米国に要求した。しかし、それはトランプがその場で言ったように、米国を全面的に対ロシア戦争に引きずり込むことを意味しており、トランプの和平案を拒否することに等しい。
何故なら、全面的な安全保障は対戦国であるロシアを筆頭に親ロシアの諸国から得るべきものだからである。翌日、英国やドイツの左派政権が全面的なゼレンスキー支援を約束したことから、彼らも停戦から和平に向かう意図などないと思われる。ヨーロッパの左翼政権も、対ロシア全面戦争から第三次世界大戦を想定しているように見える。
トランプ政権は対ウクライナ軍事支援を打ち切る可能性が高くなり、それは米国内ネオコン・左派の団結を促進し、トランプ政権との政治的闘争が新たなフェーズに発展する可能性がある。(補足1)そして停戦から和平への道が閉ざされ、更に数十万人から数百万人、世界戦争になれば数億人の命が失われることになりかねない。
会談が口論となった時、ゼレンスキーの「あなたには素晴らしい海がある。今はそれを感じていないが、将来それを感じるようになるだろう」という言葉は、一番最後の数字(数億人)を示唆している。(前回記事参照)なんという悪辣な類の人物(補足2)だろうか。
トランプ政権は、この政治的バリアを超えなければならないが、あまりにも早い時期にそれは現れた。これはゼレンスキーだけでなく、米国ネオコン・左派・グローバルエリートたちの計画通りかもしれない。ゼレンスキーがthumb-upして見せた相手が気になる。
ここで、トランプの和平案のエッセンスを我流だが、抽出してみたい。トランプはマッドマンの振りをしながら、緻密な戦略を立てているように見える。
2)トランプの和平案
トランプの和平案は、戦闘の最前線に米国の民間人組織の大勢を入り込ませることで、米国トランプ政権とともに戦争当事者間の緩衝材となることである。普通の国なら、大勢の民間人には、諜報機関の人間がかなり混じっていることは当然と考えるだろう。
その緩衝材の役割は、ウクライナにおいてはレアアース開発の為の開発業者が、ガザ地区においてはリゾートの開発業者が担当するのだろう。後者においては、マッドマントランプの正業である不動産業が結びついているものの、木に竹を接ぐような不自然さに普通の人は気付くだろう。そんな開発が出来たとしても、その地のホテルは20年間ほどは閑古鳥が鳴くだろう。
これらトランプの和平案の最初のステップは、無理やり作り上げたものであり、それを強欲トランプならあり得るかもしれないと思わせるのは、これまでのネオコン・民主党派のプロパガンダの結果であり、それを上手くトランプは利用しているのである。
繰り返しになるが、停戦から和平、その後の完全な安全保障は、Step-by-stepに進むべきものであり、その共通の一歩をそれまでの数年間憎しみ会ってきた戦争当事者が同時に進むことが不可欠である。それ故、ゼレンスキーがウクライナの安全保障を米国に要求することは、単に米国にウクライナ側に加勢してロシアと戦うべきだと言っているに等しいのである。
そのように考えれば、ゼレンスキーとヨーロッパの左翼政権は米国のネオコンやグローバルエリートと組んで、ウクライナ戦争をロシアを潰すことを世界戦略の一部としていることが分かる。その究極の目的は、彼らによる世界帝国の建設である。
補足:
1)この会談後、トランプとゼレンスキーは再交渉の余地を残す発言をSNSにアップしている。可能性が極めて少なくてもそのような姿勢を示すことは、現実的な政治の世界では当然のことであるが、今回のケースでは反対勢力の批判を和らげる意味しかないだろう。
2)ゼレンスキーはホワイトハウスの大統領執務室訪問にあたって、中国のネット販売業者であるTEMのシャツを着て現れたとネットで話題となっている。ことの真偽は兎も角として、あの服装で世界の首脳と会うのは、彼が並外れた優越意識を持っていることを示している。我々人類という考え方は取らない類の人たちの一人だろう。
ーーー 以上速報 (18:30、編集あり)ーーー
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