2016年11月25日金曜日

日本の技術や企業は世界で競争力を維持できるだろうか?

1)経済のグローバル化は、中国やインドなどの経済発展をもたらしている。逆に先進国に、デフレと貧富の差の拡大を引き起こした。仕事の面では、単純労働は発展途上国へと渡され、それ以外の仕事に人材を移さざるを得なくなった。そして、先進国には技術開発と新たな分野の創出を目指した投資など、その地位を保つための努力が強いられる。

その結果、米国は優秀な移住者を集められることもあって、技術開発の速度を早めた。それが、現在のAIやネット産業、具体的にはGoogle、インテル、アップル、アドビなどのナスダック上場企業の創立につながったのではないだろうか。日本の新規企業(分野)と比較すれば、その技術力は勝負にならないと思う。日本では既存企業が新規分野も事業拡大の形で取り込もうとしているが限界があり、枝葉的拡大に終わっている企業が多い。その結果、インチキに近い健康食品を売ったり、化粧品に手を出したりしている。サービス業として、警備や介護医療施設などへの雇用の拡大などがあっても、それは高度な新規技術などは不要な部分である。(補足1)

日本のGDPは、この20年間全く増加していない。それは上記グローバル化に乗り遅れ、受動的参加しかしていないからだと思う。その原因は、日本国全体の保守的傾向、悪く言えば、新陳代謝の欠如だと思う。相変わらず労働力の流動性が正規職で低く、高いのは非正規雇用のみとなっており、多くの優秀な人材において適材適所が成立していない。電通に就職したが仕事が合わずに自殺した、東大出身の人が良い例である。裁判所が遺族の労災認定を認めたことが話題になったが、裁判所は専門家としてのプライドを捨てて世間の攻撃を避けたのだろうと思う。http://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43005301.html 彼女の死を無駄にしないためには、労働の流動性を上げて、転職して再チャレンジができる社会にすることが肝心である。

政治も一向に独立国家に独立政府が存在するようには見えない。“集団的自衛権の行使を認めた安全保障関連法は憲法違反である”として、左翼と言われる反日分子が賠償を要求する裁判を起こした。反日分子を多数抱えている原因は明らかなのだが、それも何ともできずに、60年前の昔話のようなこの裁判がニュースになっている。その一方で、トランプ氏のTPP脱退表明で、日本の総理大臣はショックに近い状態である。

独自には何も考えない超保守主義では、長期のタイムスケールで起こる世界の政治経済社会の地殻変動的変化にもついてゆけない。その結果、数十年に一度のプレートテクトニクス型の地震のように、日本は試練を受ける。しかし、文化が変わらない以上超保守主義(あるいは唯我独尊思想)は不変である。

2)今期の試練は、今始まったばかりだと思う。つまり、日本では失業率は低く、大きな国内での社会問題は発生していないが、それはインドや中国などの国々が先進産業の中心的プレイヤーとして出てくるまでのことのような気がするのである。これらの国では、国内の激しい競争により優秀な人材が蓄積されるだろう。今後、巨大なこれらの国々の新規産業・新規技術への参加が本格的になれば、OECDに加盟している先進国の試練が本格化するような気がする。そこで日本は負け組に入る可能性が大きいと思うのである。

くだらない例かもしれないが、一例を挙げる。先日、日本で開発されたAI囲碁が、日本のプロ棋士の趙治勲氏(韓国籍)と対戦して敗れた。Googleらの開発した囲碁ソフトは世界トップ棋士である韓国棋士と対戦して勝ったのと二つの点で対照的である。第一にグーグルの技術力の高さが証明されたことであり、第二に対戦相手に現在のトップ棋士ではなく、日本らしく過去のBig-Nameを選んでいる点である。例えば、現在のトップ棋士である井山裕太氏が相手なら三連敗しただろう。

この囲碁ソフト開発には、日本のトップ校である東京大学が参加しているという。古色蒼然たる東京大学がグーグルに勝てるはずがないと思う。(補足2) 因みに、囲碁は中国から日本に渡ったゲームだが、仏教と同じく中国ではほとんど消滅し、日本で発達した。そして、20世紀後半に再び大陸でも盛んになり、その後21世紀になると世界ランキング上位は中国と韓国により独占されるようになった。現在、日本のトップ井山裕太氏は世界ランキングで第17位である。https://matome.naver.jp/odai/2145756362334503801富士通協賛の世界囲碁選手権では、優勝棋士が長期に渡って中国や韓国に独占された結果、2011年で中止となった。それを政治経済全般での日本の将来の地位を暗示していると感じるのはあまりにも悲観的すぎるのだろうか?

国家の財産は人間である。さしあたり大学改革から始めるのが、遠回りのようで日本改革の早道かもしれない。もし私がそれを始めるのなら、日本の国立大学を全て廃止して、民営化する。それにより国が得た金は全て奨学金基金として、貧困家庭出身の優秀な学生一定数に対し、大学納付金全額と奨学金を給付する。現在ぬるま湯に浸かっている国立大学には良い刺激になるだろうし、霞が関と癒着した大学の存在は日本のためにはならないからである。

家が貧しくとも、頑張れば日本のトップになれるという夢を、すべての子どもたちに持たせる。守りの雰囲気の中で育ち保守主義に染まった人間には、新しい発想は生まれにくい。日本一の富豪の孫正義氏がその良い例だと思う。(午後2時編集)

補足:

1) 経済評論家の三橋貴明氏は、財政出動によるインフラ整備と設備投資が経済再生の鍵だと言っている。マクロ的にはそうだろうが、ミクロの視点、例えば人材育成、労働流動性の改善、若い人の起業意欲などでの改革がなければ、財政赤字と円安インフレに向かうように思う。
2)大学ランキングでも、北京大学や清華大学は日本のトップ校よりも上位にランクされている。韓国の二つの大学、香港の二つの大学、シンガポールの大学などは、国内二位の京都大学より上位にランクされている。過去の遺産でノーベル賞を取ったと言って、喜んでいる場合ではない。http://hot-topic-news.com/THE-world-university-rankings2016-2017 日本の上位大学である国立大学の質の向上のためには、教官人事を各大学の教授会から一旦取り上げるなどの措置が必要だろう。

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