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2013年9月13日金曜日

正常な医療行為を超えている不妊治療ー医学の進歩(?)は誰の為か?

  現在日本では、不妊の検査や治療を受けたことのある夫婦は、6組に1組の割合であるとのこと。そして、不妊治療専門のクリニックが世界一多く、体外受精の実施数も世界一になっていると言われている。http://www.nhk.or.jp/special/detail/2012/0623/ その種のクリニックが繁盛している様だが、一方でダウン症などの異常児の出産との関係が議論されており、日本民族の将来が心配である。この不妊治療が多いことの原因の一つとして、女性の社会進出に伴って晩婚化が進み、自然妊娠が出来ないケースが増加したことがあるという。日本社会の西欧化に伴った歪みの一つであり、根本的な克服は困難かもしれない。ここでは、不妊治療に話を限って、問題点を考えてみたい。  不妊治療には色んなレベルがある。大きくわけて一般不妊治療と生殖補助治療(ART)の二種類に分けられる。一般不妊治療は子宮のコンディションを整えることとか、排卵を誘発するなどの方法、そして医師の手による人工受精で受精確率を高める方法などがある。一方、ART(Assisted Reproductive Technology)では、精子、卵子を直接取り扱い、生殖を補助する“工学的”不妊治療(私の造語)を意味する。ARTは、体外受精(IVF)と顕微授精(ICSI)にわけられる。顕微授精の場合、漢字として受精ではなく授精が用いられるのは、直接精子を卵子内に注入する方法だからである。ARTの場合は、胚を子宮に移植するのが一般的で、他に比べて障害児となる危険性は増加するだろう。数千万とも言われる精子間での競争で受精が行われることで、人間という種(しゅ)が守られて来たのである。その事実を無視する傲慢(医者と治療希望者の双方)な方法である。  男子に不妊の原因のある場合、精管の閉塞などを外科的に治療するタイプから、精子を精巣から直接採取するTESE(Testicular sperm extraction; 精巣からの精子採取)やMD-TESE(顕微鏡下で精子を探しながらのTESE)といった方法で、不妊治療がなされる場合がある。これらの場合、顕微授精を併用することになるだろうから、非常に人工的なプロセスで出産まで進むことになるだろう。ただ、TESE-ICSIでの受胎率は非常に低く、それだけに多額の費用と多くの危険性を覚悟する必要がある。注(1)  障害児が産まれる危険性は、これら種々のケースによって大きく異なると思うが、そのデータが蓄積公表されていない。注(2) それにも拘らず、不妊治療が保険外治療として広く行われ、医師たちが多額の報酬を得ているのは問題である。これは、医師の収入をねたんでいるのではない。保険外で高収入が得られる事が、医療の本来の姿を歪めている可能性があるからである。これらの医療は果たして、不妊に悩む人のためにあるのか、それとも医者の為にあるのか疑問に思う。
 古来より、子供を得ることを、子供を授かると言って来た。この表現には、新たな命を生じることは神の領域にあり、人知を超えた厳粛なる出来事であるという考えが根底にある。その伝統をいつの間にか破壊し、「子供を作る」という人間の領域に移して、埒外のARTなどで神の領域を犯しているのが現在の不妊治療だと思う。 実際、ネットで検索すると、ARTによる不妊治療に関する悩みや不幸な現実が掲載されている。例:http://blog.goo.ne.jp/uhb123/e/c19678692234b420b82f4c6888501485
<これは理系とは言え、他分野の元研究者の文章です。訂正すべきことがありましたら、ご指摘お願いします。>
注釈:
(1)コーネル大のページ(下のアドレス参照)には、この方法を実施する際の重要なことが書かれている。
a)TESEを行う前に、無精子症が治療可能かどうか完全な原因調査と健康診断を行う。
b)また、TESEを決める前に、女性側の妊娠可能性の評価を行わなければならない。そして、ここでは排卵サイクルを考えてTESEを実施している。
c)このTESE-ICSIでの妊娠確率は20%程度でる。
https://www.cornellurology.com/clinical-conditions/male-infertility/sperm-retrieval-techniques/non-obstructive-azoospermia-and-tese/
(2)障害児出産の確率は、外国での研究報告がいくつかある。この種の治療は、データが揃ってから行うべきであることを強く訴えたい。http://keywalker.afpbb.com/headline/search?q=%22ICSI%22&sort=date&type=text 注釈:

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