土曜日の石原良純氏がホストを務めている激論コロシアムにおいて、三橋氏からだと記憶するが、韓国貧困層の経済的困難が指摘された。この指摘に対して、何時も偏見に満ちた日本非難をする金慶珠女史(注1)が、韓国と日本のジニ指数の値に大差ないので、貧富の差は日韓で大差ないという趣旨の発言をした。金慶珠氏は、何時も“韓国は正常で日本は卑怯”的発言をする人である。その金氏であるから、詳細は三橋氏の指摘通りであることを知りながらも、韓国は正常であると、韓国政権を擁護する趣旨で発言をしているのだと思った。
調べて見ると、ジニ係数だけでは本当の貧困層の悲惨さは、相対的にも判断できないことが判る。ジニ係数の算出方法は簡単で、以下の通りである。先ず、横軸に所得の低い順番に家計の割合をとり、縦軸に所得の積算値の割合をとったグラフを作る。グラフの範囲は両軸とも0〜1.0である。そのグラフは考案者の名前に因んで、ローレンツ曲線(注2)と呼ばれる。この曲線とy=xという直線が囲む面積を2倍したのがジニ係数である。100倍して%で表わす場合もある。
上図とジニ係数の定義から明らかな様に、貧困層の経済的情況はローレンツ曲線の形を無視するジニ指数だけでは判らない。つまり、貧困層への所得分配はローレンツ曲線の原点付近の勾配で判断される。
それに近いデータとして、下位10%の貧困層の消費が全体の何%の消費に当たるかという統計がある。NationMasterという定評のあるサイトが発表しているデータを見ると、その値は日本では4.8%であるのに対して、韓国は2.9%である。従って、金女史の抗弁は正しくないのである(注3)。三橋氏には、その番組で間髪を入れずに、反論して欲しかった。
経済だけでなく、今やいろんな指数が幅を利かしている。指数は中身の複雑な計算をしないで、何かの傾向を知ることができるので便利である。しかし、重要な条件を殆どの利用者が忘れている。それは、1)指数とそれが表わす実態の間にかなりの乖離がある場合が殆どであるということ; 2)その求め方を知らない人を対象にした場面では、その指数は屢々悪用されるということである。
注釈:
1)東海大の先生をしているのだが、堀プロ所属のタレントでもある。田嶋陽子さんと同じで、日本の悪口を言う役柄を受け持っているという捉え方もある。ただ、頭は相当良い。
2)統計分布のLorentz曲線とは別物である。
3)このような議論には、その他に一人当たりGDP(韓国は日本の63%程度)と物価が不可欠である。物価ではビッグマックの値段は同程度であるが、その他は韓国での方がかなり安いそうである。
0 件のコメント:
コメントを投稿