集団的自衛権行使への憲法解釈変更の危険性=追加
安倍政権が目論んでいる憲法解釈を変更して、集団的自衛権行使を可能にすることは、憲法改正して自衛軍を持つことよりも危ない方向にある。何故なら、憲法改正して自衛軍を持つことで国の形をかえれば、日米安保条約をかなり対等な関係に近づけることができる。しかし、現状での憲法解釈変更だけでは、安全保障を米国に依存した国の形のまま、米国の善悪や損得の判断によって、日本の自衛隊が紛争地に派遣される危険性が高くなるからである。
安倍政権は、わざわざ中国との緊張関係を高めるという、裏板から我国の米国従属の性質を補強するという、捨身の戦略をとっている。そして、それを近隣諸国や世界に宣伝している。それで、安倍さんは一人前の国に近づくことになると考えているのだろうか。本当に一人前になるのは、独立国として持つべきものを全て持つことであり、その中には諸外国に対する独自の友好敵対の判断を持つことも含まれる。安倍日本は、アジアやアフリカに広がる嫌米国を敵にまわす愚かなことをしようとしている。
従って、日本が一人前の国になる為には、米国との友好関係を維持しながら、中国と出来るだけ良い関係を築き、その上で憲法改正して独自軍を持つことである。この難しい問題を解ける人以外は総理大臣になるべきではないし、総理はそれ以外の方向に進むべきではない。そして、尖閣諸島は今回の様に急いで集団的自衛権行使を姑息とも言える方法で可能にしてでも、中国から守り通すほどの大きな価値のある島ではないと思う。また、このような事態になった経緯を検討して、米国と中国の真意をつかみ取るべきである。つまり、石原氏は米国の罠にはまったと言う説(注1)もあるし、野田氏が中国の罠にはまって国有化宣言をしたとの説(注2)もある。両国が何を狙っているかのモデルを今の政府は持って、今回のような早急な対策を打ち出しているのだろうか。北朝鮮の暴発モデルによる、邦人保護との関連で集団的自衛権を議論するのは、国民の支持を得たいための芝居だと思う。
尖閣諸島問題では、野田元総理大臣は決定的なミスをしたので、その尻拭いはしなくてはいけない。私は、中国の了解を得ていない国有化決断は、“めくら蛇に怖じず”であるとヤフーの知恵袋に書いた。(注3)その尻拭いは、尖閣諸島は係争中であることを認めることであり、鄧小平の「将来の者の智慧に委ねる」まで、日本は後退しなければならないと思う。それが、今となっては日本がすべき中国への譲歩だろう。しかし、その前に安倍氏は総理の席から降りるべきである。ミスをしながら、居直ってしまうことが出来るのは、核保有国の軍事大国である。実力のない者が、大男に喧嘩を売れば、命を無くする可能性すら生じることを知らないのかと言いたい。このようなことは、喧嘩したことの無い育ちの良い人にはわからんかもしれない。安倍氏が、”正義の国米国”なんて妄想を抱いているとしたら、そして、そんなのに日本国民を付き合わせるとしたら、それは歴史的罪であると思う。
やがて中国は経済的困難に直面しするだろう。それは、中国の経済発展は、安い賃金という先進諸国にとっての魅力があったからであり、独自の技術もブランドもないからである。そして、若者の減少や荒れた金融政策の弱点が露出したとき、大混乱になるかもしれない。その時の爆風を逃がす口として、日本を利用することに、安倍総理は協力している様に見える。
(これは理系人間の素人考えです。ご批判歓迎します。)
(6/23/am; 18:00改訂)
注釈
1)田中宇氏のブログ2012/9/13:日本の政治騒乱と尖閣問題
2)これは多くのサイトが書いている、中国の下級官僚との約束を日本側が鵜呑みにしたとう説である。
3)この時、最初のうちは大きなデモがおこったものの、中国政府は対応を決める為か冷静だった。そこで、打ち合わせ済みかと思ったが、そうではなかった。従って、この智慧ノートの最後の文章が結論となる。野田氏が中国に騙されたという説もある。(http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n116087)
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