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2015年1月22日木曜日

日本がイスラム国に強請られることになったプロセス:妄想かもしれないが

安倍総理の対中東外交とイスラム国による脅迫行為に対し、その背景など想像を交えて書く。引用の無い部分は、根拠のない一般市民(筆者)の妄想かもしれない。

最初に3つの項目を並べる:
1)安倍総理のイスラエルとの軍事的経済的協力姿勢、それに、エジプトにおける2億ドルのイスラム国対策費支援の表明には、違和感があった。それは、過去の日本政府には、“中東政治”には距離感を持って接するという姿勢があったからである。別サイトにも書いた様に、イスラム教、キリスト教、ユダヤ教の3つの宗教圏には、相互に複雑な歴史があり、その中に日本国が入り込むには、明確な根拠と相当の覚悟とがなければならないからである。(一昨日のブログ参照) 

2)今日、米国高官から“安倍晋三首相が戦後70年談話に第2次世界大戦への「反省」を盛り込む考えを表明したことについて「評価する」”との報道があった(発表は9日だが、報道は今日22日)。シャノン米国務長官顧問のこの発言は、表現はマイルドだが、米国の命令のように感じる。 http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM10H6U_Q5A110C1NNE000/

3)昨年4月の訪日で、“オバマ大統領が安倍首相との会談でビジネスライクな話だけしかしなかった”と、安倍総理が不満をもらしたという(複数のメディアから発信されている)。http://www.huffingtonpost.jp/2014/04/25/abe-obama_n_5216687.html

以上1)ー3)(特に1と2の間)は、互いに関連していると思う。

安倍総理は、一昨年、太平洋戦争における戦争責任者が中心的祭祀対象となっている靖国神社(注1)へ、総理としての重要課題の一つとして参拝したことにより(注2)、隣国による我国非難のきっかけを与えてしまった。また、それは欧米諸国に、歴史を掘り返す行為に映るらしく、特に米国の信頼を損ねる結果になった。

その結果、3)に書いた様に、オバマ大統領に話の出来ない(通じない)日本の首相という印象を与えた。そこで、元々の米国の意向を汲んで、そして安倍総理も3)の印象を払拭すべく、上記1)の違和感のある米国への同調路線をとったのではないだろうか。2)の戦後70年記念の談話については、安倍総理が独自の考えを表明する可能性を察知した米国が、先回りをして日本の担当者に圧力をかけた結果だろう。日本が独立国ならば本来、このような米国高官の発表は事前にしない筈である(注3)。中曽根弘文元外相から総理の意向を聞いても尚、この発表を敢えてしたのは、安倍総理が確実にこの内容で談話を発表する様に、圧力をかける意味があったのだろう。

ただ、「米国は無礼だ」と言うような反論や批判が出ないのは、日本が独立国ではないことを政府や報道機関も暗黙の了解事項としていることを示しており、国民の一人として寂しい限りである。1)と2)の様な政策を出して、米国にひたすら屈する姿勢を示すのなら、「(第一次安倍内閣の時)靖国神社参拝出来なかったのは、痛恨の極みだ」と発言し、勇ましく靖国へ参拝するようなことは、しなければよかったと思う。

そして、1)の米国へ殊更同調する姿勢(注4)が、今回の人質をたてに脅迫されることになった原因の一つだろうと思う。今後、このような脅迫行為が、日本国を対象として内外で起こる可能性がある。日本国は、平和と人命に無限大の価値を置く“宗教”に支配されているので、脅しに屈する可能性がおおきいとかもしれない。もしそのようになれば、日本は西側陣営の中にあって、ISISの戦闘(テロ)行為を経済的に支援する国になるかもしれない。

注釈:

1)神社の祭祀対象は古来、富士山、御岳山、白山などの自然や、大きな仕事をした皇族、侍、軍人の霊などであった。靖国神社は、明治政府の創った国家神道の施設であるが、一般兵士の霊を神とするには、神社側に違和感があったと想像する。それが、戦犯とされた戦時内閣のメンバーを合祀した理由だと私は思う。一般兵士の霊なら、国立墓地に祀るのが妥当だろう。関連事項:http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n238661

2)文中に書いた様に、「第一次安倍内閣の時、靖国神社参拝出来なかったのは、痛恨の極みだ」と発言しているのが、その証拠である。

3)独立国の首相がその国の歴史上の重大事について談話を発表する際、その内容に他国の政府関係者が事前に公式発言するのは、たいへん失礼である。(もちろん、裏で事前に擦り合わせを行なうことは、全く問題ない)

4)安倍総理の言葉で言えば、積極的平和主義ということになるのだろう。しかし、積極的に世界の平和に関与するには、日本国の体制と国際社会の体制の両方とも、整っていないと思う。国内では、憲法9条の二項などの改正がなければ、金だけ出すことになる。また、国際社会で”積極的平和主義”の為の組織は国際連合だろうが、国連は未だに戦勝国連合であり、積極的平和主義の旗の下に世界の国々が参集する為の体制になっていないと考える。例えば、五つの常任理事国の反対があれば、安全保障理事会が国連軍を組織できない。

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