5月9日、ロシアは対ドイツ戦勝70周年式典を行なった。そこにはG7からの首脳出席はなく、中国の周近平主席と並んだプーチン大統領の日本の軍国主義を批判する演説が日本に報道された。
その翌日、そのドイツからメルケル首相はロシアを訪れ、プーチン大統領と会談を行ない、ウクライナ問題について話し合った。また、対ドイツ戦で死亡した兵士の墓に献花した。このメルケル首相の柔軟な姿勢は、色んなことを教えてくれる。
一つは、G7が出席しない様に米国からの圧力には形式的には応じるという姿勢であり、それは米国の国際社会における重みが無くなって来たということである。第二に、第二次大戦は遠い過去の出来事であり、ドイツは完全にその歴史を消化し終わっているということである。
メルケル首相が日本に来た時、日本と東アジアとの歴史認識問題にふれて、日本に早期の解決を進言した。その時の発言を、日本軍の東アジアでの行為とナチスの行為を同レベルの戦争犯罪と看做した様な発言を行なったと非難する向きが多かった。
確かにメルケル氏には、例えば、従軍慰安婦問題に関する詳細な知識はないので、過敏に反応する現在の日本では、あのときのメルケル批判は仕方ないかもしれない。しかし、今回のメルケル氏のロシアに対する対応をあわせて、あのときの日本政府に対する進言をもう一度反芻すべきではないだろうか。
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