1)このブログでも、市販の水素水に体内で発生した活性酸素を除去する能力はゼロに等しいとブログで書いた。http://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/42686335.html
問題は、このような商売を行政が長期間許すことである。今日の産経新聞のネット記事で、消費者庁はこの3月、「がんに効く」などとうたって水素水を販売した事業者に対して、商品の効能に関する不実告知(実際は認められていないのに告知すること)などを理由に一部業務停止命令を出したという。
しかし、販売した商品を買った人たちの損害にたいする責任をどう取るのか? 裁判すればよいだろうが、数万円程度の損害でいちいち消費者は裁判など出来無い。全く行政の怠慢である。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160514-00000526-san-life 納得でき無いのは、体内を還元雰囲気にするという類の宣伝で、販売が許されることである。
上記記事によると、水素水にはアルカリイオン水と水素ガスを直接溶かした水の両方のタイプがあるらしい。支持電解質(例えば食塩;補足1)を入れなければ、アルカリ性にならないので、陰極付近で水素がわずかに溶け込んだ苛性ソーダ水のようなものだろう。水素は疎水性なので、ほとんど水に解けず、濃度は薄いだろう。従って、そのような水素水を飲むことは苛性ソーダの薄い溶液を飲むのと同じだろう。そんなものに高い金を支払うのは馬鹿げている。
もう一つのタイプはボンベから高圧水素を吹き込むタイプらしい。前のブログにも書いたと思うが、この場合ナノメートルレベルの気泡なら、かなりの時間水中に存在するだろう。おそらく、シクロデキストリンなどの存在下では、その時間は一層伸びるだろう(補足2)。しかし、それも効果を確かめたのちでなければ、健康食品として販売すべきでないと思う。
2)消費者庁に専門的知識がないなどという言い訳はゆるされ無い。少しでも自然科学を学んだものなら、この種のものは怪しいと分かる筈である。数多く存在する独立行政法人を動員して体制を整えれば、研究時間を少しだけ融通するだけでその種の判断はできる筈である。
根本的問題は、健康食品に関する法整備が不十分なことである。効果が無いと実証されなければ、規制出来無いと考えるのではなく、効果があると実証されたもののみ、販売を許可すべきである。なぜなら、害がないという証明を厳密にしていない以上、健康にマイナスの可能性もあるからである。
不景気風が吹き出した今日、家計の節約をしながらこの種のインチキ商品を国民が買うのは、金をドブにすてるようなものであり、経済効果も全くない。勿体無い限りである。
3)更に気になるのは、昨今の健康ブームの異常さである。テレビ番組でも健康問題を扱ったものが、政治問題を扱ったものより圧倒的に多い。自分が健康であれば、日本国が不健康でも良いと考えているのだろうか?
この10年で、世界の形が随分変化するだろう。米国は内向きになるだろうし、中国は益々東アジアの覇権を目指すだろう。韓国は中国の朝貢国的になり、台湾は中国の支配下になる可能性が高いと思う。
すでに、オーストラリアは日本への潜水艦発注を止めて、技術レベルの低いフランスから導入することで、反日を国是とする中国へ配慮した。フィリピンの新しい大統領も親中姿勢を示すだろうし、東南アジア全体も何れ、中国の衛星国的になる可能性が高い。
米国の保守派は、日本、豪州、韓国などが、対中国の覇権拡大に抵抗する勢力としたかっただろうが、豪州に日本のそうりゅう型潜水艦の発注を強く要請しなかったことから、すでに諦めたようだ。孤立する日本は、やがて中国の植民地になるという人も多くいる。ウイグルやチベットなどを見れば、それはどういう意味を持つか?
健康食品などに金と神経をつかっている場合ではないのだ。
補足:
1)電気分解するには、水が電気を通さなければならない。水の電離度が低いため、通常は水の中でイオンになる塩などを添加し、その物質を支持電解質と呼ぶ。
2)気泡は互いに融合して泡を形成するまで、水の中に存在する。従って、ナノメートルレベルの小さい気泡であれば、水分子が取り囲む形で存在し、かなり長期間水中に存在するだろう。シクロデキストリンの効果は実験したことがないので断定できないが、水中で疎水的なガス分子を抱きこむ可能性が大と予想する。
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