以下のほとんどは(とくに最初のセクション)馬渕睦夫氏の受け売りであるが、自分の頭の整理という意味で書く。
1)グローバリズム(補足1)は、人の流れと経済や政治における国境をなくするという考えである。経済のグローバリズムを進めると、製造業など既存の企業活動が人権費などの安い発展途上国へ流失し、その結果先進国では雇用減少や人件費低下などが起こり、デフレとなる。現在、EUや日本がデフレ傾向にある原因は、米国が中心になって進めた経済のグローバル化であることは明白である。
この(経済の)グローバル化は、植民地政策が国際的に許されなくなったので、その代わりに資本を途上国に投下し、安価な労働力を用いて物品を生産し、現地及び先進諸国に売りさばいて利潤を上げるという経済政策である。これは植民地政策と違って、現地の経済発展に寄与するという意味で互恵的である。(これとよく似た互恵的な経済進出として、日本の朝鮮と台湾の支配があるかもしれない。(補足2))
世界で貿易を拡大すべきだという政策とグローバリズムは似ているが、同じではない。何故なら、グローバリズムは国境の意味を無くすという明確な意図の下に一部の世界的資本が中心になって企画した策だからである。馬渕氏はその点を強調し、共産国家の建設もグローバリズム運動の一つだと言っている。
実際、ロシア革命は米国からロシアに渡った多くのユダヤ系市民を中心的勢力とし、ヤコフ・シフなどのユダヤ資本を資金源として(補足3)進められた。このニューヨークのユダヤ資本と共産党革命の関係は、アントニー・サットンという元フーバー研究所研究員によりまとめられている。(https://ja.wikipedia.org/wiki/アントニー・C・サットン;Antony C. Suttonの“WALL STREET AND THE BOLSHEVIK REVOLUTION”)また英米は、中国大陸で蒋介石に対して強力な支援を行って日本を追い出し、その後蒋介石を見捨てて毛沢東の共産革命を支援した。
このように、共産党革命を米国のユダヤ系資本が中心になって進めたということが、グロムイコ回顧録やジョセフ・マッカーシー米国上院議員(共和党)が書いた「共産中国はアメリカが作った」という本に指摘されているという。
つまり、米国の一部支配層は、最初は共産主義を使って、最近は経済のグローバル化とグローバル企業(を支配することで)を用いて世界支配を実現しようとしてきたというのである。民主主義の 模範生と米国が言及されることが多いが、米国支配層の政治的意思と米国国民一般の希望とは完全に別であり、それを可能にする巧妙なメカニズムが組み込まれているのである。
しかし、次の米国大統領候補のトランプ候補の主張は、米国の政治に市民一般の希望を取り入れるという改革を目指すというものである。そしてその主張が大きな支持を集めている事実は、米国が従来のグローバル化路線から離脱する大きな時代の流れを示しているのかもしれない。そして、日本の米国追従派評論家のトランプ氏を罵倒するような発言は、これまで米国の中心に居た勢力のための宣伝行為なのかもしれないのである。
米国でも大衆は政治に目覚めつつある。それを大統領顧問のブレジンスキーは、自分たちから実権が奪われるかもしれないと危惧して、過激な発言を思わずしている。https://www.youtube.com/watch?v=kVL7lzU44v4
2)日本における近代史:明治維新、日清日露戦争、二度の世界大戦、冷戦、グローバル化、の流れも、世界史の流れの中に完全に組み込まれている。西尾幹二氏は、これまでの歴史家と彼らが書いた歴史書は、日本史をローカルな視点でしか捉えていないという。つまり、英米露仏などが江戸末期に日本に現れたのは、世界史的な出来事の一端であるから、世界史全体を見る視点でなければ日本史もわからないというのである。
確かに、明治維新を薩長の志士という荒くれ男たちの業績にするのは、あまりにも杜撰な歴史解釈である。(本ブログでも何回かその点には触れた。http://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/42475174.html)当然、日本の近代化を英国の戦略の一環であったと考える方が自然である。また、日露戦争の勝敗を決めたのは、ヤコブ・シフによる資金貸与であることはよく知られている。それによりシフは勲一等を日本政府よりもらっている。従って、NHK大河ドラマの「竜馬が行く」や「花燃ゆ」のような理解では、日本の近代史はわからないし、日本の未来設計もできないと思う。
この近代の世界史の中心にユダヤ系資本が存在したという説は、十分説得力があるように思う。近代史専門の歴史家は、そのような大局観の存在を頭において、日本の将来のために近代史の構築をしてほしいものである(補足4)。https://www.youtube.com/watch?v=SfDaA0FfqgI
補足:
1)グローブ(globe)は地球の意味で、地球全体(つまり全世界)をその活動の範囲とすべきであるという主張をグローバリズム、グローバリズムを進めるべきだという意見の人々をグローバリストという。
2)朝鮮半島や台湾において、鉄道や道路の整備、帝国大学などの教育機関の設置など現地のインフラ整備から始めたので、日本によるこれらの国々の統治は、西欧的な意味での植民地支配ではなく、日本への同化政策である。しかし朝鮮には歓迎されなかったのかもしれない。或いは、朴正煕元大統領などが親日的であったことを考えると、韓国の反発はずる賢い後付け反発かもしれない。
3)日露戦争に関する部分、特にヤコブ・シフによる資金貸与はよく知られている。それによりシフは勲一等を日本政府よりもらっている。その延長上にロシア革命への支援があり、これにはロックフェラーが支援した(ウイキペディア参照)。
ロシアとユダヤとの関係の詳細についてかなり信頼性の高い記述は、以下のサイトに書かれている。
http://inri.client.jp/hexagon/floorA4F_ha/a4fhb500.html
4)半島一利 著の昭和史を読んだのだが、西尾幹二氏らはそれをGHQ史観としてこっぴどく批判している。
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