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2019年11月23日土曜日

ローマ法王は核廃絶を訴えるなら、米国、中国、ロシアなどの核保有国へ行くべき

1)ローマ法王の核兵器廃絶パーフォーマンスには別の目的がある?

今日、ローマ法王フランシスコが日本に来る。日本では、広島と長崎を訪問して、例のごとく核廃絶を口にするだろう。それは、「ピストルで殺された人の家族を訪問して、あなた方を始め世界の人類はピストルを持つべきではない」と言うに等しい。何故、ピストルを持つ殺人予備軍のところに行かないのか? それでも、広島と長崎の市民たちは、ローマ法王の核廃絶宣言を有難がるのか。

この件については既にブログ記事として書いている。ローマ法王が執拗に日本に来て、核廃絶プロパガンダを行うのには何か他に理由がありそうである。ローマ法王も十分知的な人物だろうから、日本で核廃絶を訴えることの無意味さや虚しさには気付いている筈である。https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2018/01/blog-post_3.html

それなのに、何故日本に来てそのようなパーフォーマンスをするのだろうか。私は、あの米国オバマ大統領による広島訪問を思い出す。核廃絶に努力すると言って、被爆者の方と抱擁する場面を感激的だとして称賛する人も多い。しかし、その前日か前々日、オバマは米国における核兵器開発予算の大幅増加する案に署名している。その記憶を明確に頭に置きながら、あのパーフォーマンスが出来るのである。(ワシントン在住の伊藤貫氏の講演)

その神経は、凄いとしかいいようがない。ローマ法王の核廃絶宣言も、それと同様の政治的プロパガンダだと考えて間違いない。何故なら、核廃絶など現在の世界の枠組みでは不可能だからだ。それは、ロシアとそれに引き続いて米国の中距離核の開発と増産を考えれば分かる。また、北朝鮮から核兵器が無くならないことでもわかる。あのカダフィの核放棄宣言と、その後彼が殺害されたことの関係を、金正恩は知っている。

ローマ法王フランシスコは、イエズス会のトップである。嘗てイエズス会は、16世紀に世界中にキリスト教を布教して、人々に神の愛を説き、キリスト教の足場を作った。その後、西欧の国々がそこを植民地にし、そこから奴隷を調達した。そのような奴隷商人への協力(未必の故意的協力)を日本でも行おうとしたことを、広島長崎の人たちも知るべきである。

16世紀の日本には、イエズス会のフランシスコ・ザビエル、その後ルイス・フロイスが来ている。彼らは直接日本人奴隷を南方のポルトガルの植民地に売買したのではないが、結果的であるにしても、そのシステムの最初の段階、つまり奴隷調達地での基地作りを、受け持ったことは事実である。秀吉がバテレン追放令を出した主な理由は日本人奴隷売買の事実を知って激怒したのである。https://ironna.jp/article/11884?p=1

今回の日本訪問も、バチカンの“営業活動”と関係がありそうに感じる。ヨーロッパではもはや布教余地の少ないバチカンは、アジア特に中国を布教可能地域と捉えているようである。中国と一旦トラブルを抱えたが、それでも法王フランシスコが和解したのも、その大きな市場への配慮である。つまり、ヨーロッパの中国宥和姿勢と同じ構図である。https://www.afpbb.com/articles/-/3194951?cx_part=search

バチカンは独立国である。金を稼がなくてはならない。歴史的遺産だけではやりくりが大変である。マネーロンダリングに利用されても、仕方がないと考えている可能性もある。それは受け身で悪事へ加担することだが、その姿勢はイエズス会の16世紀と共通すると思う。https://www.newsweekjapan.jp/column/ikegami/2012/03/post-483.php

2)バチカンは、中国のアジアでの覇権拡大の尖兵的役割をするのか?

上記のように、バチカンが中国を有望市場と捉えているという考え方は、共同通信の記事による。https://www.businessinsider.jp/post-177501 この通りだと、イエズス会が植民地拡大の尖兵となったことの歴史の繰り返しではないだろうか?

  上記記事では、日本でのパーフォーマンスを評価した習近平が、ローマ法王フランシスコの訪中を認める可能性があると考えているようだ。その理由の一つとして、台湾がヨーロッパで唯一の国交を持っている国がバチカンであり、そのバチカンを台湾から剥がすことを習近平は考えている可能性である。

習近平は中国の覇権を世界に広げる中世的皇帝である。チンギスハンやフビライ・ハンが描いたような壮大な夢を持っているのかもしれない。例えば、中国が水面下で狡猾(こうかつ)に組織的なスパイ活動と利益誘導を駆使してオーストラリア政治体制の「乗っ取り」を企てていると、オーストラリア保安情報機構の元トップが豪紙とのインタビューで警告した。https://www.afpbb.com/articles/-/3256136?cx_part=topstory

また、イタリアのネット新聞「PRPチャンネル」は、「ニュージーランドにおける中国の影響は機密通信を脅かす」と題する記事を掲載し、以下のように記している。

カナダのセキュリティ情報機関(CSIS)の専門家が作成した「中国との戦略的競争の時代」と題する報告書によると、中国は貿易交渉で利益を得ること、中国に対する否定的見解を抑え、スパイ活動を促進し、ニュージーランドの中国駐在員コミュニティの見解をコントロールすることを目指している。 結局のところ、北京は、ニュージーランドを地域的かつ世界的な影響力を主張するための手段としてとらえようとしている。

ローマ法王の姿勢は、香港問題についてどのように発言するかを見ればわかるだろう。日本のマスコミは記者会見があるのなら、是非その件を詳細にぶつけてもらいたい。

(EOF)

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