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2019年11月7日木曜日

頭を悪くする日本の教育: 入試を改革しても何も解決しない

1)T大出身の官僚と政治家

日本の母親たちは、勉強すると頭がよくなると思っている。しかし、本当は逆である場合が多い。日本の進学校を良い成績で卒業して、T大学に入学すると、いろんな知識を得てクイズ番組に出て恥をかかないようにはなる。

毎日ほどテレビ放送されているクイズ番組だが、その幾つかで、その大学の学生数人がクイズが得意だということで、T大王という名前で登場している。王なんて称号で呼ばれて恥ずかしくないのだろうか?彼らはきっと、そのような感覚など無くしていて、ただナイーブにその呼び名を歓迎しているのだろう。

T大とは、日本の無能な官僚を大量生産している大学のことである。戦後、GHQの政策により、最も適さない彼らが政治家になり、日本人を今や世界の絶滅危惧種にしている。(補足1)

以上は、多少モジってはいるが、ワシントン在住の国際政治・金融コンサルタントの伊藤貫さんの意見でもある。伊藤貫氏は、そのT大経済学部を卒業し、米国のコーネル大で米国政治史・国際関係論を学んだ人である。伊藤氏によると、日本の官僚や政治家は、致命的と言えるほど思考力が弱いというのである。https://www.youtube.com/watch?v=pwDkY3uOA_Y

伊藤貫さんは、日本に帰ってきた時、西部邁さん(昨年死去)などと議論をして、日本外交の現状を指摘してきた人である。私も、彼の話がもっとも分かりやすいので、数回ブログで紹介した。その伊藤さんは、上記日本の官僚の弱点の原因について、以下のように話している。

私は18、9才のころ、同級生と付き合っていて、「彼らの大部分は、すでに思考能力を破壊されているな」と感じました。彼らは記憶力や計算力は抜群だけれども、自分で考えないのです。

  日本の中学と高校の教育課程で、「自分で疑問を持つ、人のつくった回答に満足しないで、納得できるまで自分で考えてみる」という能力をすでにすり潰されているのです。だから彼らに、「大学に入ったのだから、主体的にものを考えろ。知的創造性を発揮せよ」などと要求しても、もう遅いのです。

  その時点で彼らの大部分には、模範解答を丸暗記する能力しか残っていない。 そんな模範解答丸暗記型の秀才がキャリア官僚になるわけですから、米中ロのタフで柔軟で冷酷なバランスオブパワー外交なんか、とても対応できません。日本の外交政策と国防政策は、いつまで経っても米中ロに弄ばれ続けるのです。

  これほど明快に日本社会の弱点が指摘されているのに、国会ではその解決策など何も考えないで、大学入試の英語民間試験を採用するとかなんとか、馬鹿な議論をしている。 学校で英語教育をもっとしないといけないという類のミクロな話では、教育改革なんか出来はしない。そうではなく、T大卒のラベルよりも、その個人の大学でつけた実力が、社会で評価されるようにしなければならないのだ。そのような日本にどのようにして改革するかを、国会議員は議論すべきなのだが、そんな事が分かる政治家はいない。

その名門XX大卒というラベルを得ることが、入試だけで決定され、馬鹿でもそのラベルが貼られていれば、高給と高い地位が約束される。そんな社会が健全な筈がない。何でもラベルで判断される社会は、全体主義社会である。そのような社会を持つ国には、破滅しか約束されていない。

日本の教育が如何に日本人を馬鹿にしているかを、2つの例をあげて示す。

2)日本外交の大失敗

日本が、まともな国にひとっ飛びで成れるチャンスを逃した政治家の話である。私も既にブログに書いている。T大卒の官僚政治家、佐藤栄作がその主人公である。(補足2)米国大統領だったニクソンが日本に核武装と東アジアで指導的役割を果たすように進言した。https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2017/01/blog-post_12.html

伊藤貫氏は、最初に引用の動画で(9分30秒あたりから)、次のように語っている。ニクソンが実際に佐藤栄作に会ってみたら、あまりにも頭が悪く、しかも国際政治に対して完全に無知で鈍感なので、「こんなヤツはダメだ。全く相手にならない」ということになった。高坂正堯のような、憲法9条と吉田外交(吉田茂の対米従属外交)を支持した日和見主義的なコラボレーショにストをブレインにしていた佐藤首相と、ニクソンがマッチョなバランス・オブ・パワーゲームをやろうとしても、それは無理というものである。

そして、ニクソンは「もうジャップなんか相手にするな」と公言するようになった。その結果、現在の日本の運命が決定されたようなものである。現在、仮に朝鮮半島が核武装しても日本にだけは核武装させないという。(上記動画の8分位)その確固とした米国の方針は、米中の密約でもある。その米中密約は、ワシントンでの公然の秘密だという。(一定の核拡散の必要性については既に議論している=>https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2019/02/blog-post.html

その中国は、あの対中戦争においてプライドを傷つけた日本に、その埋め合わせをさせる時期を75年後の今日も、待っているというのである。その時は近くまで来てしまったようだ。(10月末と11月最初のブログ記事)

米国の著名な政治学者のジョン・ミアシャイマーやケネス・ウォルツらは、国際政治は三千年前から本質的に無政府状態であると言っている。そして、国家にとって頼りになるのは、自国だけであり、国際法や同盟関係が国家を救ってくれる訳ではないと言っている。

いつも私がブログに書いている「国家の作る社会は、野生の原理が支配する」ということである。何故理系の元研究者の私にわかるのか?それには、伊藤さんが明確に答えている。高校生でも分かることだと。日本のT大卒の官僚や政治家(元官僚)の無能は、国を滅ぼすことになる。佐藤栄作や吉田茂、更に大勲位中曽根康弘は、その筆頭容疑者達だろう。宮沢喜一?思考能力がないという点では筆頭だろう。飛び抜けてT大の秀才だったというのだから。

3)二つ目の例:馬鹿にされる日本の労働者

どこの大学を出た、どの家系に生まれた、どの民族に生まれたなど、何かの最初が問題の社会を“入口社会”と呼ぶことにする。(補足3)もっと庶民的な話でも、上記“入口社会”の欠陥は指摘する。それは、日本の経済力の逓減である。

それを明確に表す図がある。下に示す。

これが日本の賃金の推移である。この賃金は、例えばトヨタの各国の賃金を例にとっても同じだという。トヨタは英国や米国などにも工場を持っている。(私の車も、英国製のトヨタ車である。)そこでの賃金も、このように推移しているというのだ。つまり、日本の給与が低いのはデフレのためであるというのは、少なくとも国際的な企業では嘘である。

その指摘をしているのが、以下のニュースサイトの記事である。https://www.mag2.com/p/news/408545

このような調査は、少し真剣になれば誰にでもできる。しかし、それすらやらないで、テレビなどに出ている日本の政治経済評論家は、日本はデフレで給与が上がらないと言っている。名門大学を出ても、この体たらくである。

上記記事では、日本の労働者は馬鹿にされていると書いている。その通りだろう。その原因だが、私が何度もブログで書いた様に、日本が入口社会だからである。入口社会では、「給料が安ければ、自分の実力を正当に評価してくれる他の会社に行けば良い」ということには成らないのである。

それを労働流動性が悪い、或いは、労働市場の流動性が極めて悪いと言う。名門T大学を出て(「入学したのだから」が正しい;補足3)、XX株式会社に奉公することになったのだから、滅私奉公が本来の日本人のあり方だという態度である。本当はそうでないのだが、自分の頭で考える能力を無くしているので、“その本当”に気が付かないのである。

結び:

最後に一言。これも最近ブログで書いたことだが、ジム・ロジャーズという米国のユダヤ系大金持ちが、若者は日本から逃げるべきだと言っている。あの韓国よりも、日本に将来性がないというのである。それは、お前たちユダヤ系金融資本家の所為だろうと、馬渕睦夫元ウクライナ大使は言うが、被害妄想の類かもしれない。何故なら、自分のことは自分で決められるからである。

ユダヤ系が握る米国が日本を破壊しようとしているというのなら、今からでも、戦えば良い。伊藤貫氏が言うように、「日米安保が信じられないので、独自外交をして軍事力と核を保持する。経済制裁刷るならしろ」といえば良い。北朝鮮は立派に核武装したではないのか? 

補足:

1)次の動画でも、GHQによる財閥解体の結果、特殊法人が増殖したこと、更に、戦前には官僚出身の政治家はあまりいなかったことが語られている。それが官僚出身の政治家を育てる土壌になったことは明白だろう。https://www.youtube.com/watch?v=dpq-_e0Og4Y

2)主人公は国民ですという声が上がるかもしれない。しかし、国民に佐藤栄作を総理にする事が出来たか?答えは明らかにNOである。しかし、佐藤栄作氏は総理に成らない選択は出来た。それだけで十分だろう。因みに私の日本改革諸案の内の一つは、上記質問をYESにすること、つまり、共和制への移行である。

3)大学の授業は、教授連中が給与のためにしゃべるだけである。学生は、ただそれを眺めるだけであり、その間を静寂が支配している。 補足1に引用の動画は、日本の大事件を喋っているある大学の授業風景だが、学生の存在が感じられない。サンデル教授の熱血授業は、日本中の話題になった。しかし、日本人はそこから何も学んでいない。

習熟度テストはあるのだが、一夜漬けで何かを書けば良い。教授は、それに5段階か4段階で点をつけるが、一定の割合しか落第点はつけられない。自分の仕事が増えるだけだからである。一部の国家資格を受けるために大学に入る学生たちを除いての話だが、彼らは卒業証書がほしいだけである。授業が聴きたいわけではないし、況してや何かを学びたいわけではない。

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