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人類史の本流は中華秩序なのか、それとも西欧型秩序なのか

1)米国が露呈させた中国共産党政権の真の姿と日本の課題   日本が抱えている最重要な課題は、コロナ問題や拉致問題等ではなく、表題の問に対して明確な答えと姿勢を持つことである。短期的な経済的利益に囚われないで、現在が世界の歴史の方向が決定される時なのかどうかを考えるべきである。...

2021年5月24日月曜日

中国虎の尾を踏んだ民主主義体制を支える米国アトラス

人権重視や法治の原則を歴史の中で育てたことのない中国は、太古からの基本的価値である「利益」を追求する上で、民主国の様な縛りがない。今日の世界秩序は、それら人権重視や法治の原則を中心的価値におく民主主義体制で成り立っているので、その政治経済の付き合いの中に中国を招き入れるのには無理がある。巨大化した中国共産党支配の中国(CCP)が存在感を増すにつれ、民主主義体制諸国からなる世界の危機が次第に大きくなっている。

 

この危機にある民主主義世界を支えるギリシャ神話のアトラスのような役割を、米国は担わざるを得ない。神話によると、天空を支えるアトラスはその重荷に耐えているが、何とか他者にその役割を代わってもらおうと画策する。

 

1)米軍の台湾軍への深い浸透

 

昨日のYou TuberHanaro Timesさんは、米陸軍の兵が台湾軍の中に入って米軍との連携を深めているというニュースを紹介した。 このことは米国からなかなか公表されないので、台湾が意図的にある兵の愚痴を公開する形で、民主国台湾の防衛に協力する米国の姿を世界に知らしめたようだ。(補足1)

 

現在、多くの国が知っている米国の台湾軍への「テコ入れ」を、CCP外交部が知らない筈はない。従って、CCPの沈黙は、それに対する対策の準備が出来ていないのだろうと、Harano Timesさんは話す。https://www.youtube.com/watch?v=qDPStSa6krg

 

 

 

また、512日にブリンケン米国務長官は、CCPの法輪功弾圧を専門とする秘密警察組織「610弁公室」の主任を制裁した。更にアメリカ独立出版社協会(IBPA;アメリカ最大の出版社協会)は514日の授賞式で、明慧出版センターが出版した英語書籍『明慧レポート法輪功が中国で迫害された20年間』がベンジャミン・フランクリン賞を受賞したことを発表した。(補足2)

https://jp.minghui.org/2021/05/20/75870.html

 

これらの人権無視の中国を国際社会に周知する米国の措置は、トランプ政権の対中国政策の延長上にある。しかし、それは共和党だけの姿勢ではない。民主党を含めて米国議会全体の姿勢であることは、民主党の下院議長ナンシー・ペロシが、CCPのウイグル等での人権無視を攻撃し、「米国は北京オリンピックへ選手以外の派遣をしないようにすべき」と主張したことでもわかる。https://www.bbc.com/japanese/57166910

 

更に、米国政治の支配層の中心部分に位置すると考えられる大富豪ジョージ・ソロスが、2019年のダボス会議で中国と習近平国家主席を非難し、世界は「これまでにない危険」に直面していると聴衆(世界)に警告した。以上から、一部グローバル企業を除いて米国の殆どは、中国を敵国であるという意志を明確にしている。https://www.businessinsider.jp/post-183960

 

Harano Timesさんが言うように、米軍の台湾軍への深い浸透は、このような米国の姿勢の一環である。ここで重要なのは、台湾軍への明確な協力は、CCPが設定しているレッドラインであることである。それを踏んだにも拘らず沈黙するのは、上に書いたように、CCPが米国の統一した意志を怖れて、身動きが取れない状態なのだろうと分析する。

 

レッドラインを超えた米国に対して反応するなら、非常に強い反発でなければならない。そして、それは台湾侵攻レベルの強い行動であるべきである。しかし勝算がなければ、この米国の強烈な敵対行為に対して知らない振りをする以外にない。

 

台湾に侵攻すれば、それは真珠湾攻撃をした日本の結末を再現することになる。つまり、日本を敗戦後の共産革命に導こうとしたと思われる山本五十六のような存在がなければ、中国共産党による台湾侵攻は無いということだろう。

 

2)今後の米国の戦略:

 

民主主義国家群のリーダーである米国には、世界の民主国を束ねて中国共産党政権(CCP)の弱体化或いは体制転覆を、粘り強く待つ以外に手はない。ただ、米国の国力の相対的低下を考慮すれば、他の先進民主国の共同作戦レベルの参加がなくてはならない。つまり、米国が今後進めていく戦略は、世界の各地域に軍事的拠点を置き、その地域の有力国の力を利用してそれを運営することだろう。

 

CCPが崩壊するまで、その体制強化が続くだろう。アジア太平洋地域では日本がその中心的役割を果たす様期待されている。

 

米中軍事衝突シナリオとアジアの同盟体制:(上野英詞)

 

しかし、オーストラリアなど多くの先進国が感じる「民主体制の危機の感覚」を平和ボケの日本及び日本国民はは共有できていない。そして、日本はこの一人前の国家になるチャンスを逸し、最後までCCPに対する曖昧な姿勢を続けるのではないだろうか。

 

日本政府がCCPに対する忖度を続けるのは、自民党幹事長の周辺や公明党などの親中勢力だろう。この日本の姿勢が続く結果、日本の民主国の中での地位低下或いは孤立に繋がる。

 

中国への忖度の例として、私は菅政権が東京オリンピック開催に拘っていることを考える。習近平主席は、2022北京冬季五輪を国際的地位や評判を高める機会と捉え期待している。そのため、コロナ肺炎でオリンピックが中止になることを警戒し、東京での開催も支持している。菅政権のオリンピック開催に拘る姿勢は、その中国に対する上記親中派の忖度が反映した結果だと思う。(補足3)

 

このままでは、孫正義氏が心配するように、コロナの蔓延に苦しむ日本は、東京オリンピックの開催という重荷を抱え込み、パンデミックからの立ち直りを遅らせるだろう。

 

 

そして、西欧型先進国群の中で、経済的停滞の中に取り残される代表的な国となる可能性が高い。

(25日6時編集、最終稿)

 

補足:

 

1)Harano Times さんによると、台湾軍のある兵が「最近キッチンの仕事が増え昼もろくに休めない」とか、「米兵は牛乳なのに我々は粉ミルクしかもらえない」などという愚痴をSNSに上げたことで、最近米兵が相当数台湾軍の中に入っていることが明らかになったと言う。それはバイデン政権が、明確に米軍と台湾軍の連携に言及しないので、台湾側からリークした可能性が高いと分析される。

 

2)中共批判の最前線にあるEpoch Times(大紀元時報)は法輪功 (Falun Gong) のメディアである。Falun Dafa (Falun Gong)運営の米国Minghui Net19996月に設立された。主な目的は、中国本土からの直接の情報を使用して、CCPによる法輪功への迫害を明らかにし、法輪功についての真実を明らかにすることと、自己紹介している。日本では2001年に明慧ネットが開設された。

 

3)何故菅政権が東京オリンピックに拘るのかは、大きな謎である。開催中止によりIOCに損害を生じても、パンデミックが日本の責任でない以上賠償責任は無いはず。恐らく、二階氏や公明党が、中国の意向を汲んで菅総理に働きかけているからだろう。それ以外に考えられない。

 

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