朝日新聞元記者で、従軍慰安婦の件で誤った記事を書いた人が、北星学院大学で非常勤講師として学生に歴史を教えているという。それに不満を抱いた者が、その元記者を首にしなければ、大学の学生を傷つけると大学を強迫した。http://ja.wikipedia.org/wiki/北星学園大学脅迫事件
今夜のNHKニュースによると、大学の自治或いは学問の自由という観点から、この強迫に屈するべきではないとの意見があるものの、大学は警備を強化するための予算が嵩み、経営上困っているという。
この件について、大学の方々は学問の自由の観点から、強迫に屈するべきではないとの意見が全国から寄せられているという。しかし、私はこのような意見を持つ方々は学問の自由という意味がわかっていないのではないかと思う。
つまり、この大学の方々は、学問の自由という観点から、従軍慰安婦問題についてその人が書いた記事を正しいと考えて、その考えや思想をまもりたいのだろうか?(注釈1) もしそうでないのなら、その非常勤講師の、或いは、大学の研究や研究上の思想の何処に政治的圧力がかかっているのか?
これらの質問にはまともに答えられないだろう。つまり、その方を雇用するかしないかは学問の自由と何ら関係のないことなのだ。
学生の安全を確保するのは大学の義務である。また、強迫は犯罪であるから、警察は全力で捜査し、出来るだけ早急に犯人を逮捕すべきである。しかし、警察が強迫した者を逮捕するまでは、緊急避難としてその非常勤講師を解雇しても何ら問題はない。
例えば、熊がキャンパスにくるので、講義を中止し学生を一時非難させることは学問の自由と何ら関係がないのだ。もしその講師を、インチキ記事を書いた経歴はあるものの、学者或いは教育者として評価するのなら、犯人逮捕後再度雇用すれば良い。
注釈:
1)”学問の自由を護ること”とは、研究者の研究(&発表)の方向が、政治的圧力の影響を受けないようにすることである。この場合、研究者やそのグループに対して、真実に最高の価値を置くという善意の仮定がある。つまり、政治的意図をもって捏造記事を書いた人については、この仮定は成立しない。従って、その人の学者としての地位を、その件に関して総括或いは処分が未定の状態で、学問の自由の名の下に護ることは学問の自由にむしろ反することである。
更に追加:「OさんのST細胞捏造が明らかになったのだから、早く首にしないとR研職員が怪我をすることになるぞ」と強迫があったとする。その場合、兎に角急いでOさんを首にするとR研理事長が言ったとしても、学問の自由を盾に反対できない。そもそも、Oさんに学問の自由を訴える資格はないからである。
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