今朝の中日新聞の一面トップ記事の表題は、「増税延期、解散きょう表明」である。しかし、安倍総理はこの記事が書かれる段階で、解散や消費税について公にしていないのである。そして、今夕の19:00からのNHKニュースにおいて、安倍総理の上記表題通りの表明がなされ、記者会見があった。このような報道と発表の時間的逆転現象はいつものことであり、日本人は何の疑問も抱かない。
これまでにこの種の記事で、間違っていたことはほとんどないので、一寸頭を使えば、今朝の記事は明らかに官邸からのリークに基づいて書いていることが判る。ずっと前の読売系テレビ番組「たかじんのそこまで言って委員会」で、現在内閣参与である飯島勲氏により、この総選挙の情報が私的メモという形で明らかにされており、一部にニュースとして流された(1)。
何故、日本国政府はそのようなリークを新聞社にするのか。それは、マスコミが政府による抱き込みを、リークを餌に許しているのである。この近代社会の政府とマスコミの関係としてあるまじきことが、日本では完全に慣例化しているのだ。日頃、民主主義とか人権とか言うマスコミが、安易に情報を政府からのリークに頼っているのである。なんという情けない国か。あの戦争時のことをわすれたのか?大東亜共栄圏とかいう活字で国民をたぶらかし、敗戦が近くなったら、本土決戦一億玉砕などの表題の記事を、筈かしげもなく書いたことから何も学んでいない。
このようなインチキ民主主義の国家に発展などある筈がない。マスコミは国民と政府などの機関との間にあって、健全な両者の関係を支える社会的役割がある筈なのだが、全くそれを自ら放棄している。現在もっともまともなメディアは、NHKや新聞各紙ではなく、エロ記事も載っている週刊誌である。今週発売の習慣ポストに、ウォルフレン氏(「人間を幸福にしない日本というシステム」、1994毎日新聞刊、の著者)による、この3年間ほどの日本政治のインチキを暴いた記事が載っている。(2)
補足:
1)その時同時に、横田めぐみさんの遺骨として北朝鮮から送られた骨の鑑定について、日本政府が三流大学の講師に捏造させたことが飯島氏により暴露された。噂はあったが、政府の人間から明らかにされたのはこれが初めてであると思う。飯島氏によるとその鑑定を行なったとされる大学の教官が、警視庁に(鑑識部門にスカウトされて)“隔離されている”とのことであった。これがニュースにならないのだ。日本のマスコミには、これがニュースに値するという感覚などないのだ。これについては、以前のブログに書いている。
2)その中で、ウクライナ問題について、日本の報道と全く異なる側面にふれている。それは、既にブログで指摘した内容とかなり重なる。
12/19/7:00 ウォルフレン氏の紹介部分と補足2を追加
0 件のコメント:
コメントを投稿