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2014年11月1日土曜日

日本人拉致問題は、大きな枠組みで解決策を考えるべき

 今週の週刊ニュース新書でゲスト出演した田中均氏は、拉致問題は東アジア全体の大きな絵の中で解決すべきという話をしていた。私も、今年5月のブログに書いた様に (http://rcbyspinmanipulation.blogspot.jp/2014/05/blog-post_6146.html)拉致問題は元々存在する6カ国協議のような大きな枠組みのなかでしか解決出来ないと考える。久しぶりにまともな話を聞いた気がする。

 今回の東アジア局長という事務方を北朝鮮に送る意図は、何か具体的な成果を目的としたのなら、全く理解出来ない。局長には政治的な話等出来る筈はないので、単に御用聞きの役割しか果たせない。最終的な打ち合わせの話なら兎も角、政治的な話が始まったばかりの現段階で、事務方を団長に送るのは時間稼ぎの為だけなら兎も角、意味がない。そして、この様な極めて困難な問題の解決に向けて、不思議な対応をする安倍内閣の意図をかりかね、北朝鮮の何らかの謀略に安倍内閣が乗った可能性を疑った事もあった。 (http://rcbyspinmanipulation.blogspot.jp/2014/07/blog-post_31.html

   私は、全くの素人ではあるが、官僚と政治家の役割における質的差位は理解しているつもりである。時間稼ぎの局長訪問だとしたら、北朝鮮も時間稼ぎの対応をするのは当然である。

   以前にも書いたが、北朝鮮に核兵器を完全放棄すれば、国家体制の現状維持、米国や日本などによる承認、そして、日本からの戦後賠償金に相当する経済協力金が得られるという包括的な解決策を作るべきであると思う。北朝鮮が、国家経済の立て直しと国際的地位の両方を手にすることが出来るという約束を手にすれば、米国や中国の支持で日本が追加事項として含ませる筈の、拉致問題の全面解決案もそのまま受け入れられるだろう。

 この場合、半島統一を国是としている韓国の困難な同意を得なければならない(注1)。それは、日本の出来る仕事ではない。「北朝鮮の核の脅威や東アジア全体の混乱を防ぐため」という、米国と中国の説得(つまり、強い圧力)がなければ実現しないだろう。日韓の壁は、経済的な民間交流、文化的交流と深めること、に加えて無限に近い時間が必要だろう。

注釈:
1)日韓関係では、日韓基本条約の中の「韓国を朝鮮半島における唯一の国家として承認する」という条項を改正しなければならない。

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