韓国と中国は、朝貢をする属国と宗主国の関係になりつつある。この東アジアでの国際環境の大きな変化の中で、どう日本が生き残るかを、最重要課題として政府は考えるべきである。
環太平洋地域へと視野を広げた場合、そして、その中での日中韓関係が将来どのような関係になるのか、そしてどうなるべきなのか、新しく構築されつつある中国と韓国の関係を考えて、日本は戦略を立てているのだろうか。
TPPは重要なステップになるだろうし、環太平洋諸国との良い関係の構築が益々重要になるだろう。そのためにも、今回の安保関連法可決は重要な環境整備となっただろう。
一方、韓国と中国が開催を決めた、日中韓の首脳会議については、日本は参加を含めて慎重に考えるべきであると思う。中国と韓国は、この件でどのような戦略(グランドデザイン)のもとに、何を具体的目的として会議を開こうとしているか、既に綿密に打ち合わせている筈である。日本は日中韓の間でどのような位置を占めるのか、三国間でどのよう利益を目指すことが可能なのか、どのような戦略で臨むのかなど、相手方が既に打ち合わせをしていることを前提に、戦略をたてるべきであると考える。複数回開くべきということにして、第一回目は時間を短くすべきではないだろうか。
今日の時事通信から配信されたニュースによると、中国系住民の提案による慰安婦像の設置が、サンフランシスコ市議会において全会一致で決まったようだ。(補足1)中国系住民は、移民となってどこに住んでも中国人である。中国人は、特に外国に住む中国人は、ある意味で純粋に中国の為に働くだろう。
つまり、今回のケースは、日本を共通の敵対国と考える方向で、中国が韓国と本格的に連携して、全世界でキャンペーンを始めたことを示していると思う。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150923-00000042-jij-n_ame
これまでこの件では、日本は歴史書や資料を示して、真実を主張するというスタンスで、韓国と対峙してきた。その方法は、この問題への実効的な対処法では結果としてなかったと思う。
多くの日本人は、真実は強いと考えている。そして、イギリスの諺「ペンは剣よりも強し」を引用する。確かにペンは剣より強いだろう。しかし、ペンは必ずしも真実を書かない。いやむしろ、嘘を書くために使われた例の方が多いだろう(補足2)。
その諺の意味は、剣は目前の相手に向かって用いる一時の武器であるが、ペンは無限の時間にわたって無限の人に対して効果を発揮する武器であるということである。その意味では、公園などに設置された慰安婦の像は、日々多くの人に対して、冤罪である筈の日本の汚らしい性犯罪を宣伝する武器である。そのような武器を用いる国に対して、まともな応対をする必要など全くないと思う。
つまり、慰安婦の像は、緻密な秦郁彦氏の検証論文より遥かに力を発揮し、真実ではなく嘘を世界史の中に定着させるだろう。そしてそれは、我々の子孫を超えて幾世代にもわたって、世界中の無知な人達による日本人に向けられた蔑視の眼差しをつくり続けるだろう。
この世界に、特に政治の世界に、真実など残ってはいない。力と嘘がこの世界を作り上げ、歴史として定着したのだから。
そのように考えて、再度韓国との関係、更に日中韓の三国関係を綿密にたててもらいたいと思う。例えば、独立行政法人・日本近代史研究所のようなものを設立して、集中的に明治以降の歴史を検証し、世界に開かれた学会を毎年開くなどの地道な活動や、政府が表裏を含めて360度の方向から、世界に向けて慰安婦の実像に関するキャンペーンを張るなどの努力も必要だと考える。
補足:
1)姉妹都市である大阪市の橋下市長が、先月27日付けでサンフランシスコ市議会に、慎重な対応を求める公開書簡を送るなど日本側から懸念の声も上がっていた。
2)歴史家、岡田英弘氏の本(歴史とは何か;文春新書)によれば、 最古の歴史書である史記は、秦の始皇帝が正統な中国の皇帝であると嘘を交えて書いたものである。勿論、日本書紀も同様の書物である。
<以上は、理系人間の考えであり、専門的な知識に裏打ちされたものではありません。批判等歓迎します。>
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