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2016年9月10日土曜日

日本の高い自殺率に対する一考察

ここ数年ある程度減少したものの、日本は非常に自殺率の高い国であることに間違いはない。そこで、すこしその原因などについて考えてみることにした。

ウイキペディアの記事によれば、日本の人口10万人あたりの自殺者数は18.5人であり、OECD加盟国では旧共産圏を除いて、韓国(28.7)についで二番目の高い水準にある。自殺率が必ずしも国家の経済力と単純には関係しないことは、ギリシャ(3.8)、スペイン(5.1)やメキシコ(4.2)などの自殺率が低いことから明らかである。大きな理由の一つは、これらキリスト教圏の神(エホバ神)が自殺を禁じているからだろう。その結果か原因かわからないが、これらの国々の様子をテレビなどで見ると、日本にくらべて楽観的な人が多いような印象をうける。(補足1)

自殺が人生における選択肢の中に無いとすれば、逆説的だが、生きる上で大きな手助けとなると思う。人は生涯に苦しい時期を何度も経験するだろう。それらには自分に避ける手段などなく、運命的或いは遺伝的な原因による場合も多いだろう。その場合、自分という存在を否定する道も選択の中に入れる場合と、神による創造には無駄などあり得ないと自分の存在価値を考えるのとでは、生きる勇気の上に大きな差が出るだろう。

また、仏教圏であるタイ(11.4)やミャンマー(13.1)の方が、日本や韓国よりも経済的に豊かではないにも拘らず、自殺率がかなり低い。これも、敬虔な仏教徒の心の目には、弥陀の救いが見えているのなら、生きる勇気が湧くだろうと考えればわかるような気がする。

一方、神や来世(天国、極楽、etc)は、夢想の産物だとしか考えない場合、現世で取り得る手段は広がるだろうし、現世で大きな経済的“利益”が得られるかもしれない。その目に見えるものしか信じない性格が脳を染めれば、目に見えるものにたまたま恵まれなくなった人には、生きる空間が無くなる(補足2)。神と天国(極楽)の無い国、それが韓国や日本の精神的風土だろう。

補足: 1) キリスト教でも仏教でも、先進国では宗教は単に儀式的なものに変質しつつあるように思う。特に高い教育レベルにある人ほど、その傾向は強いだろう。また、その国家に特有のトラブル(例えば人種や宗教の混在などによるもの)を持つ場合、当然自殺率が増加するだろう。 2) 

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