核保有五大国が共同声明 爆発を伴う核実験の停止
(産経新聞 9月16日(金)11時10分配信)【ニューヨーク=上塚真由】米国やロシア、英国、フランス、中国の核保有五大国は15日、9月で採択から20年となった包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効に取り組むとした共同声明を発表した。声明では、爆発を伴う核実験の一時停止継続を確認し、他国にも同様の措置を要求。今世紀に入り、唯一、核実験を強行する北朝鮮を牽制した形だ。
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上記共同声明は根本的におかしい。それは、核実験や核保有を考えなくても”すべての国が核攻撃に晒されることは無い”と、完全に且つ具体的に約束され後(それが明確になったのち)に出されるべきであるからだ。その約束は、①核5大国の核兵器廃絶、又は、②核兵器の国際的軍事組織への移管などの、世界政府的体制が整う、などの条件が成立しなければ現実的ではない。例えば、遠くない過去において、国際法を順守しなかった国々が、核保有5大国の中に複数存在したこと、そして、それらの国々が核兵器の大量保有を維持していることを考えると、今後も核5大国の核の脅威に多くの周辺国は怯えなければならないことになる。また、言うまでもなく、国連がこれら核5大国に独占的権利を与えている以上、国連は世界政府的な体制樹立には役立たない。
従って上記提案は、北朝鮮の核の脅威を利用して、核5大国とその他弱小国との二分化を完成する画策であると見なしうる。 因みに、北朝鮮の核の脅威を取り除くには、制裁や脅迫では上手く行くはずがない。却って問題を複雑且つ解決困難にし、最後は核5大国による国際法に反した強行手段で解決することになるのだろう。
それよりも、北朝鮮と米国や中国という朝鮮戦争の当事国が戦争を終決し、米国、日本、韓国などが北朝鮮を承認し、そのプロセスと同時進行的に北朝鮮に核兵器放棄を迫るべきである。その約束ができたのなら、核5大国は強力な力で約束実行を迫ることができる。
もし、20年前にそのような方向に舵を切っていたなら、このようなことにはならなかった。これらの責任はすべて、核5大国の一つ米国にあると思う。朝鮮戦争の当事者でありながら、北朝鮮との直接的な話し合いを持たずに、当事国でない日本などを入れた6カ国協議という訳のわからない組織に丸投げしたのは、何か別の目的があったのだろう。
兎に角、核5大国がそれにふさわしい責任を完全に果たすのでなければ、他国の核実験を禁止する権利はない。それは、国際法を完全に守る体制、世界の法治体制、核の脅威からすべての国家を守る体制などを、この5大国が中心になって完成してからの話の筈である。 南シナ海での核5大国の一つによる国際法に反する行為を放置しておきながら、何を言っているのかと言いたい。
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