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2019年6月18日火曜日

言葉の進化論(解説)

「はじめに言葉があった。言葉は神とともにあった。言葉は神であった。この方は、初めに神とともにおられた。すべてのものは、これによってできた。」(In the beginning was the Word, and the Word was with God, and the Word was God. He was in the beginning with God. All things were made through Him.)

これは新約聖書の中の一節である。「言葉」はWord(大文字で始まる)の翻訳であり、神の言葉であり神自身でもある。また、創世記に「神の姿に似せて人を作り給うた」とあるので、人の言葉は神の言葉(Word)を原型として作られたことになるだろう。

この思想では、世界は言葉の具現化であり、従って世界とその変化等は、言葉で完全に記述できる筈である。従って、世界の全ての言葉は、音声や表現形式は異なっても、この世界の全てを同じ様に表現できる筈である。つまり、ほとんどの人はふさわしい通訳さえ雇えば、世界中の人は言葉で全てに関してコミュニケーションが可能であると考えているだろう。

しかしそれは、現実の世界を見ればなんとなく判るように、少し言葉を信じすぎである。(これを示したのがソシュールの言語学である。)翻訳さえあれば全ての人が理解できるように、この世界の全てを表現することができるのなら、世界にこれほどトラブルが存在する筈がないのではないのか?その疑問について考えている途中で思いついたのが、前回書いた言葉の進化論の内容である。詳細は: https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2019/06/blog-post_18.html

上記記事で言いたかったのは、言葉は上記聖書の記述のように完全なる言葉(The Word)をモデルにして作ったにしては、その基礎の部分から不完全すぎるということである。そして、言葉の生成モデルを以下のように考えたのである。

ヒトが社会を形成するプロセスの中でその管理維持のために、言葉の原型が猿の鳴声に似たホモ・サピエンス(人)の発声から生じた。その後、社会が大きく強く、そして言葉は複雑精緻化するという夫々のプロセスが、一緒に進行した。つまり、人が集合して社会をなし、その社会と不可分な形で言葉ができる。その社会が大きく複雑に成長する過程で、言葉も論理を得て現在のような言葉に進化したと考えたのである。

従って、その社会の進化のプロセスや形態が大きく違う民族の間では、翻訳者を介しても話題によっては言葉は完全には通じないだろう。(実際は、この世界の現状から遡って、上記モデルを考えたのである。)

このモデルを更に進めれば、人の進化論にまで至る。つまり、社会が大きく複雑になっていく段階で、人もその社会に順応していくだろう。その結果、人はルールに従う従順な生き物になったのである。そのプロセスについて書いたのが、以下の記事である。「文明により改造、家畜化される人間」: https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2015/03/blog-post_36.html

この二つの記事を正しいとするのなら、人の性質も民族により大きく異なることになる。例えば、文明の家畜化の度合いが浅い民族は、戦闘的で簡単に残酷な扱いを多民族に対して行うこともできるだろう。 そして、その行為を非難し、その根拠を指摘しても、言葉の深いところで通じないのである。(2019/6/18/19:00;ed:6/19/5:00)

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