注目の投稿

人類史の本流は中華秩序なのか、それとも西欧型秩序なのか

1)米国が露呈させた中国共産党政権の真の姿と日本の課題   日本が抱えている最重要な課題は、コロナ問題や拉致問題等ではなく、表題の問に対して明確な答えと姿勢を持つことである。短期的な経済的利益に囚われないで、現在が世界の歴史の方向が決定される時なのかどうかを考えるべきである。...

2019年10月7日月曜日

トランプのウクライナ疑惑とバイデン父子によるウクライナ政変時の不正蓄財疑惑

1)ウクライナでのバイデン父子の疑惑

この件、2014年2月のウクライナ危機が発端にある。2013年11月にヤヌコビッチ・ウクライナ大統領がEUとの連合協定交渉の棚上げを発表したことに反発した民主野党や市民・学生らが、首都キエフで抗議運動を開始したのが切掛だった。

当時、国際政治評論家の田中宇氏は、ウクライナを欧米圏に近づける為に、米国などは反ヤヌコビッチのデモを支援していたと、欧米マスコミ記事などを引用し、主張していた。(http://tanakanews.com/)オレンジ革命や2014年の政変は、ウクライナでの親露派と反露派の対立を明確にし、国家としては不安定化した。

米国オバマ政権で副大統領だったバイデン氏は、ウクライナ問題を担当していた。つまり、2014年のクーデターにも深く関与していた筈であり、この件の米国側の主役だったのだ。https://tanakanews.com/e1130ukraine.htm

当時のヤヌコヴッチ大統領はクーデターの結果、ウクライナから逃亡し(2月22日)た。そのクーデター直後にウクライナに乗り込んだバイデンは、腐敗を克服しなければならないと言っていた。まるで、ヤヌコヴィッチが大統領に適さないのは、汚職で私腹を肥やすからだと言いたいのだろう。ウクライナのソ連崩壊後を継続してみていれば、明らかに親露か反露かにしか関心がなかった筈である。 (chukaのブログ;https://83k2ho1ux7ti.blog.fc2.com/blog-entry-294.htmlに引用の米国ABC放送)

その後のウクライナの政権だが、3ヶ月あまりの暫定政権(トゥルチノフ大統領代行、6月7日まで)の後、2019年5月20日までポロシェンコが大統領を務め、現在ゼレンスキーが大統領である。

ウクライナのクーデターの直後(2014年4月18日)に、バイデン副大統領の息子のハンター氏は、資格も経験もないままウクライナのガス会社(ブリスマ)の役員となった。ハンターは、少なくとも85万ドルの報酬を得、更にブリスマはハンターの会社に300万ドル以上支払っているという。

上で触れたように、バイデンはウクライナに乗り込んだときの記者会見と思われる場面で、「貴方がた(つまりウクライナ)は腐敗というガンと戦わなければならない」と言いながら(上記動画、1分のところ)、自分たち親子は私服を肥やしていたのである。ブリスマからの収賄などに関心があったとすれば、ヤヌコヴィッチ政権の中にいた人たちを掃除するためだろう。

2015年2月に、ブリスマのオーナーに融和姿勢を示していた検事総長に代わって、新しく検事総長になったヴィクトル・ショーキンは、ハンターを含むブリスマの取締役全員の捜査する計画を進めた。しかし、2016年3月に当時のポロシェンコ大統領は、突然に検事総長の解任を命じた。

その背後には、ハンターの父、ジョー・バイデンがいた。ショーキンを解任しなければ、米国は支援をしないと脅したのだという。(ジュリアーニ氏ら)ハンターの行為は上記ABCの動画でも言及されていたように、バイデンが承知の上で演らせた可能性があり、それは米国にとっての利益相反になる。

ショーキンはヤヌコヴィッチや新興財閥寄りで、腐敗が疑われる複数の人物を立件しようとしないから、改革を求める米国政府が圧力をかけただけと言う人もいる。ショーキンに代わって検事総長になったユーリー・ルツェンコは、後に公的にブリスマは捜査の対象ではなく、バイデン父子の不法行為はなかったとした。
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019092700005.html?page=2(日本の論座というネット記事、2019/9/30の記事)
https://www.bbc.com/japanese/49874817 (2019/9/30のBBCの記事)

疑いが山程ある新興ガス会社とバイデン父子の関係を、簡単に不法行為はなかったというのは、ルツェンコはバイデンの意を受けてウクライナの検事総長になったからだろう。

2)トランプ大統領に不正があるかどうかの鍵

外国の政変を画策することは重大な国際法(国際慣例)違反である。政変を理由に外国が干渉することも同様である。ただし、クーデターへの介入が、米国の利益に基づくのなら、国際慣例(国際法)からみて犯罪的であっても、米国での犯罪にならない。

しかし、クライナの一部から、理由なく巨額の金品を、そこに出向いた米国副大統領一族が受け取ったとしたら、それは米国の利益にならないので、犯罪である(利益相反行為)。

その捜査を、現在米国の指導者トランプが催促するのは、ノーマルな行為である。もし、その米国の利益に反する行為の主が一般人なら、誰しも反対はしないだろう。

嫌疑の主が将来の大統領候補になる可能性があるということだが、それが理由で、大統領の犯罪だというのはおかしい。その捜査に対する催促は、将来のトランプの選挙への間接的援助になる可能性はある。しかし、捜査の依頼は現在の直接的な国家の行政の一部だからである。

もし、その疑惑が晴れたのなら、バイデンが大統領候補になった場合、安心してバイデンに投票できるだろう。それは、トランプには不利である。つまり、トランプ批判の人たちは、詳細に捜査すればバイデン父子の罪が暴かれるという前提で批判しているように見える。

トランプに不正があるとした場合、それは大統領がウクライナへのその要請が、ウクライナへの軍事費支援という現在の行政に直接関係したかどうかの点だろう。しかし、米国の利益のために、米国が行う援助を取引材料にするのは普通のことではないのか?

尚、米国のトランプ大統領を応援する理由は、筆者にはない。(補足1)しかし、現在米国で起こっている、民主党を中心としたトランプ降ろしは何か変だと思う。それは、孤立主義的なトランプが、従来の米国支配層とそれに支持されている民主党にとって有害だという考えに基づいているのだろう。

補足:

1)トランプ氏が東アジアからの撤退を共和党の誰よりも考えている可能性が高い。しかも、トランプ氏は北朝鮮の中距離核ミサイルには無関心である。現在の日本の情況では、米国の東アジアからの撤退は致命的な影響が考えられる。

0 件のコメント:

コメントを投稿