1)グレタ・トゥーンベリさんの国連での演説
9月23日に「国連気候アクション・サミット2019」がニューヨークで開催された。そこで、スウェーデンの16歳の少女グレタ・トゥーンベリさんの演説が話題になった。(補足1)翌日私は、この運動に否定的なブログ記事を書いた。https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2019/09/blog-post_24.html
国連の名によって、地球温暖化防止の為に行う大々的な経済プログラムを、企画し、実行するための花火の役割を担ったのが、あの少女だろう。https://president.jp/articles/-/30179
それは、少なくともある段階から、綿密な大人の企画に基づいた行動の筈である。その企画とは、少女をその方向にそれとなく誘導し、その道を整備することである。
国連の上記会議で、演説する資格を彼女に付与する妥当性を演出するために、グレタさんらは化石燃料を使わないモナコのレース用高速ヨット「マリツィア2号」(全長約18メートル)を用い、ロンドンからニューヨークに到着した。
その資金とヨットでの航海技術など、彼女が用意できるわけがないので、冷静に考えれば背後に誰か有力な団体などがあるのは明白である。それは、イラク戦争の時のナイラという在米クウェート大使の娘の演説と似て居る。(ウイキペディアのナイラ証言参照)
地球温暖化説は早い段階から、経済活動の側面が強く見られていた。勿論、二酸化炭素の増加による地球温暖化のメカニズムは明確に説明されている。しかし、それが定性的に確認されていても、定量的な確認には至っていない。また、その危機のレベルも今ひとつ明白ではない。
2)グレタ・トゥーンベリさんの背後に居るのは誰か?
あの少女の活動は、世界的な金融資本家たちの集まりに影響を与えた、或いは、その一部と密接な関係にありそうである。つまり、国際的な金融資本家などの世界のお金持ちが、地球温暖化防止運動に乗じて、世界経済を支配しようと考えているように思える。そして、その動きに日本が遅れているという指摘がある。
今月19日の現代ビジネスというサイトに掲載された、「グレタさん演説のウラで、日本メディアが報じない”ヤバすぎる現実」と題する記事である。https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191019-00067794-gendaibiz-int&p=1
ダボス会議で有名な「世界経済フォーラム」は9月23日、CO2排出量の多い重工業で、2050年までにCO2排出量をゼロにするミッションを背負った活動を8つも発足した。対象となったのは、トラック・バス、海運、航空、アルミニウム、セメント、自動車、総合科学、鉄鋼の8業界。各々には、先進企業自身が自主的に加盟し、活動を率いていく。
残念ながら日本企業からのリーダーシップはないが、欧米企業が競うように参加を表明している。
つまり、世界経済フォーラムに参加する人たちが、世界の政治を動かし、CO2の排出規制を行い、それに遅れた企業を没落させ、そのビジネス独占しようと考えて居ると思われる。既存の条件で支配的になった企業に代わって、自分たちが新しい支配権を得ようとする際に、地球温暖化説を前面に出すことが非常に有効である。
世界経済フォーラムは、経済を議論する場だった筈である。しかし、その中で新しい産業や企業を“羽化”させる場に変化したのだろう。
この時間的一致から、彼ら世界経済フォーラムに参加する資本の一部が、国連で発言した子どもたちを支援した可能性がある。
この地球温暖化を攻撃する子どもたちの背後に、もう一つの(本命かもしれない)勢力がある。海外の中国反体制派メディア「大紀元」の記事がそれについて書いている。(補足2)
「大紀元」の記事は以下のように書いている。
ヨットで英国から大西洋を横断して米ニューヨークに渡り、国連総会の関連パネルで怒りのスピーチを披露した16歳の環境活動家グレタ・トーンベリさんについて、英字の主要メディアはこぞって取り上げた。彼女の登壇を調整した環境団体は、以前、米国委員会により、中国共産党政府の代理人の疑いがあると指摘されている。
https://www.epochtimes.jp/p/2019/09/47700.html
9月23日、国連総会開催に合わせて開かれた気候変動サミットに、世界12カ国から集まった16人の8歳から17歳までの環境保護活動に関心を置く子どもたちが参加した。16人は、国連子どもの権利委員会に対して、気候変動に関する政府の行動の欠如に抗議する非難声明を提出した。
ユニセフによると、グレタ・トーンベリさんら16人は世界的な法律事務所ハウスフィールドLLP(Hausfeld LLP)および環境保護系の法律事務所アースジャスティス(Earthjustice)の公式代表であり、両法律事務所がその声明を準備した。https://www.unicef.org/press-releases/16-children-including-greta-thunberg-file-landmark-complaint-united-nations
そして、米下院天然資源委員会は、アースジャスティスが中国政府に都合がよく、逆に米国に不都合な活動を、米国内外で展開していると指摘している。(補足3)
また、大紀元によれば、ワシントンDCにある環境問題のシンクタンク、世界資源研究所(WRI、World Resources Institute)は北京公安局と中国生態環境省の「指導と監督」の下で機能しているという。
3)私の推測:
地球温暖化の問題が意識されだしたのは、1980年代である。1985年にオーストリアのフィラハで開催された地球温暖化に関する初めての世界会議(フィラハ会議)をきっかけに、二酸化炭素による地球温暖化の問題が 大きくとりあげられるようになった。
二酸化炭素の増加による地球温暖化のメカニズムは良く分かっているが、その定量的把握は出来ていない。人類にとって問題であることは事実なので、二酸化炭素の大削減計画を打ち上げ、それに乗じて既存の企業を追い落とす事ができれば、一挙両得である。上記「世界経済フォーラム」主要メンバーは、その世界の動きをリードすることで、世界経済の中での地位を拡大する計画だろう。
一方、そのような動きで最も強い影響を受ける可能性のある国は、世界一の一次エネルギー(石炭、石油、天然ガスなど)消費国中国である。(補足4)中国当局はグレタさんが参加する国際シンポジウムなどを、提携する法律事務所を通じて監視する一方、グレタさんの環境保護活動を内外両面から支援している疑いが浮かび上がってくる。
潰すことができない以上、その運動に資金を与えて抱き込むことの方が、その影響力を最小に抑えられる可能性が高くなる。中国が温暖化ガス問題でやり玉に挙げられる時、大きく育てたグレタさんらの影響力を、主に米国等の先進国に向け、CO2削減義務を負わせる様その主張を誘導するのである。
それを裏付ける様に、グレタさんが睨むのはトランプであり、世界一の二酸化炭素産生国中国の代表ではない。https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/09/92316.php
つまり、仮にグレタさんらの少年や少女の運動が最初自発的であったとしても、現在既に彼ら大人の支配下に入っているのである。最初には自分の意思で運動できると思っても、大人の介入を許した段階で、その方向は歪められ、運動は迷走することになる。
補足:
1)グレタ・トゥーンベリさんの国連での演説の日本語訳は以下のサイトにある。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201909/CK2019092502100025.html
2)その記事は、言論プラットホームのアゴラにおいて、長谷川良氏が紹介しているhttp://agora-web.jp/archives/2041857.html
3)米国下院の天然資源委員会は、アースジャスティスに中国政府との関連を問いただす質問状を送付した。しかし、その回答はないようだ。このアースジャスティスは、沖縄辺野古沖のジュゴンを護る訴訟を米国で代行したということである。
4)世界のエネルギー消費の増加分の半分程度は、中国による。しかも、二酸化炭素発生を多く伴う石炭の消費が多い。 資源エネルギー庁の委託調査では、中国が2015年に人工的に発生點せった二酸化炭素は約90億トンである。https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/H29FY/000219.pdf
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