2014年5月21日水曜日

新しい冷戦構造の萌芽、日本に比べて賢明な韓国の対応

 最近、国際関係が非常に流動的になって来たと感じる。昨日の習近平とプーチンとの会談も、その流れの中にあり、世界に新しい冷戦構造を創る切掛となる可能性が高いと思う。一方の米国は、経済的な停滞と同期して、ヨーロッパからもアジアからも引き下がる姿勢であると言われている。

 日本は、戦後米国の披保護国的な立場にあって、自国軍抜きで平和を維持できた。そのような時代はもうすぐ終わりになるだろう。米国は、その後日本が繁栄するのではなく、むしろ、衰退或いは消滅するのを望んでいる筈である。(注1)日本はこの30年経済的に米国の競争相手であったし、歴史的には米国の敵国であった。そして日本という存在は、原爆投下や都市部無差別爆撃という人類史上稀な米国の犯罪に対する“告発書”だからである。「日本に対しては戦後80年間十分面倒を見て来た。後は、自立してくれ」という米国支配層の陰での台詞と供に、日米安全保障条約は実質的に終焉を迎えると考える。それに対する日本の準備は、上記のような理由で、なるべくさせない様に米国は企むだろう。

 安倍総理は、多くの国に出かけ外交活動に熱心に見えるが、今後最も外交上重要になる日中関係を悪くしたことで、収支はマイナスである。ロシアとの関係強化は2月のウクライナ政変までは進みそうだったが、ナヤヌコビッチ大統領が追放されてからは、米国の圧力で安倍総理は原点に戻ることを選択した。もし、ウクライナ政府転覆に対して、米国の関与があり(注2)、それは主に西欧とロシアの間に、そして付録的に日本とロシアの間に、楔を打ち込む意図があったとの読みがあったのなら、もう少し別の対応がとれたと思う。その間、日本は如何に優秀な米国の保護児童になるかという事について、具体的には集団的自衛権という問題で、政府与党が議論している。堂々と、憲法を改訂して自衛隊を現状に合わせ国防軍とするという、当たり前のことが議論出来ないのは、安倍政権や自民党の実力の無さを示している。

 韓国の朴大統領は、既に新しい冷戦構造の萌芽に気付いており、その為の布石を着々と進めている様に見える。韓国は新冷戦構造においては大陸側に入り、草狩り場と予想する日本に、先頭をきって対峙する道を選んだのではないか。そうすることで、北朝鮮との統一も容易になり、核兵器保持国の仲間入りも出来、中国、ロシア、朝鮮の強力な同盟関係が出来る。中国が共産党一党独裁から、議会制民主主義的国家に生まれ変わらなければ、ロシアにとっても韓国にとって心地よい同盟関係ではないだろう。ロシアも国家としての繁栄の道を(或いはプーチン政権の安定の道を)、国際環境の変化に対応して模索しなければならないのである。中国もまた、共産党の旗印のかわりに、反日本という幻であれ3国共通の旗印ができれば、その後議会制民主主義への転換が可能かもしれない。

 一方、日本政府はいつまでも歴史に拘る韓国や中国という批難をするが、第一次内閣の時に靖国参拝が出来なかったことを「痛恨の極み」と言った安倍総理も、同様に歴史に強く拘っているのではないか。靖国に祀られている多くの兵士は、子孫の安寧を願って戦死したのであり、徒に核兵器を持つ国ややがて核兵器を持つ国との関係を悪化させて、国の将来を危うくすることのきっかけにはなりたくない筈である。いったい総理の靖国参拝にどういうメリットがあるのか、さっぱり判らない。(注3)日本は、薄くなった米国の影を埋める様な存在感のあるASEAN諸国やインドとの関係を作り上げなければならないが、リーダーシップを執るだけの外交的存在感の無い日本には無理なように思う。インドには、そのような繋がりのリーダーとなるだけの理由はない。
 我々国民はこのような問題を表に出して、世論に混乱の渦を起こす様に声を大きくして議論し、その渦の中に無能な政治家を落とし入れ、その渦の中心を培地にして、日本の新しいリーダーを育てなければならないと考える。霞ヶ関の古い頭では、今後の日本が非常に心配である。

注釈:
1)英国がインドから撤退するときに、紛争のたねをインドとパキスタンに残したと言われている。これを手本として、米国が沖縄を返還する時に、尖閣諸島を日中間の棘として残したと言う説が常識化している。米国が日本から徐々に撤退して行く時、同じ様な戦略をとるのではないだろうか。自国の国益は、一般に他の要因を抜きにすれば、他国の国益と対立する。
2)米国のウクライナクーデターにおける関与(http://sun.ap.teacup.com/souun/13850.html)
3)靖国参拝に対する反対意見はブログに何回か書きました。(http://bolgs.yahoo.co.jp/mopyesr/41369336.html; http://rcbyspinmanipulation.blogspot.jp/2013/12/blog-post_26.html)

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