タイの政変は上記表題の構図で起こっているようである。そして、それは政治的混乱の普遍的な一つの構図でもある。タイの場合、選挙で多数派を占める側が披抑圧者である点が、現代では特異であり、混乱の原因をより判りやすくしている。つまり、江戸時代の農民一揆とよく似ている。
ウイグルでのテロリズムの場合は、人種や宗教が中国の他の地域と異なるウイグル人が被抑圧者であり、それを大きく包含する中国の支配層漢民族が抑圧者である。タイの場合はクーデターと言い、ウイグルの場合は、中国首脳部がテロリズムと呼ぶ。しかし、両者とも同じ構図で説明できる。
テロリズムという言葉に、英米は悪のラベルを張ることに成功しているように見えるが、その根本を考えれば、非抑圧者の絶望的な反抗であることが判る。(注釈1)テロリズムを悪と呼ぶなら、それは瞬間的になされる"反作用としての悪"である。一方、その犯人を作り上げた抑圧は長期にわたる”作用としての悪"といえる筈である。ただ、瞬間的な出来事は強烈な印象を与えるので、悪のラベルを貼って宣伝するのが容易である。作用がなければ反作用が無いのは、物理学的真理である。(注釈2)
ある者(或いは国)の”生存とその為の欲望”が、他の者(或いは国)の”生存とその為の欲望”が同じ空間で両立しない場合、両者に争いがおこる。既に多くを手に入れた方が当然強い力を持つ。そして、弱い方が更に抑圧され、最後には滅びる。勝者は、テロリストを滅ぼした、或いは、邪悪な国家を殲滅したと、善の勝利として歴史に一頁を加えその子孫に残す。これが有史以来の人類の姿である。
注釈:
1)クーデターは、外国の力を借りた政変の場合もある。テロは、クーデターと異なり、一般に政権を獲ることを目的に計画されたものではなく、もっと絶望的且つアングラ的な行為である。弱いものほど無計画&無差別な反抗をする。
2)別のブログサイト参照:http://rcbyspinmanipulation.blogspot.jp/2013/12/blog-post_5.html
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