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2014年5月26日月曜日

時事放談での野中広務氏の発言について

 日曜の朝、何時もの様に時事放談を見た。冒頭野中広務氏は、米国オバマ大統領が日本などを訪問した時に、(1)プルトニウムや濃縮ウランを日本から米国に移送したいと言った件について、オバマ氏が安倍日本の軍国主義への方向転換を危惧したものだと解釈している。野中氏は、その解釈を安倍さんの右傾化を批判するために用い、(2)戦後70年間の平和は、日本が平和憲法下で軍事的でなかったからである;また、その(3)安倍さんの最近の姿勢は世界での孤立の原因になりつつあると、議論している。これらの話を聞いて、昔優秀なる政治家であった野中氏が、老齢故か、まともな考察が出来ない様になったと思った。
 先ず(3)について:集団的自衛権行使を現行憲法内で可能だとする所謂解釈改憲は、安倍総理は普通の国にしたいという考えからのものであり、決して軍国主義や右傾化を目指したものでないと思う。それは、日本に住むまともな感性の人なら判る筈である。
(2)について:戦後の平和と日本国憲法とは直接関係ないと思う。戦後の平和は日米安保条約の存在と、周辺諸国が脅威と言える程に、巨大な軍事力を持つに至っていないからである。もちろん、野中氏が自衛隊員戦死ゼロを平和の定義とされるなら、話は別である。つまり、憲法9条を改訂して自衛隊が自衛軍と呼ばれていれば、湾岸戦争等の時に何人か犠牲者がでていたかもしれないからである。(注1)
(1)について:オバマ氏も日本が直ぐに軍国主義に進み米国の脅威になるとは思っていないだろう。むしろ、尖閣諸島は安保条約5条の対象であるという発言が中国を刺激しない様に、そして、米国が中国と対立することを望んで言っているのではないことの証明として、中国にとっての将来的脅威:日本の核武装には、米国も反対であるとの意志表示だと思う。
 世界は混乱の時代に入ろうとしている。そこでは、世界のリーダーとなる数カ国が、将来消滅させるべき国を悪の枢軸国というラベルを貼って孤立させる戦略をとる。(注2)そこで最も選ばれる順位が高いのは、経済的に大きく世界の資源を多く消費する国で、且つ軍事小国である。つまり、日本が最有力候補だろう。世界のリーダーとなる国とは、核保有国であり強大な軍事力をもつ国である。
  野中氏は過去優秀な政治家であっただろうが、老化とともに戦争での恐怖体験が脳を占有する状態になっているのだろう。そして、今憲法改訂してまともな国にならなければ、数十年先になるかもしれないが、日本が直面するであろう困難な情況を、想像することさえ出来なくなっているのだろう。
(5/25ヤフーブログに投稿;5/26修正ここに投稿;こちらも老齢故、文章になっていない部分がありました。)
注釈:
1)自衛隊は、英語でself defense force、つまり自衛軍である。”自衛軍において殉死ゼロでなければならない”と考えるのは、論理矛盾である。それは、警察官に殉死者が多数でていることからも明らかだと思う。
2)ローマクラブの出版した2冊の本における指摘を待つまでもなく、世界の人口が現在の72億人でも、平和裏に生活するには地球は狭すぎる。有限な資源の奪い合いが、いろんな形で起こる筈である。その中で最も普遍的な構図は、強者が弱者に悪のラベルを張り、殲滅することである。

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