1)GlobeScan という民間調査機関がイギリスのBBC (英国放送協会)のために世界24カ国で、各国の印象について世論調査している。2013/12/17から2014/4/28にかけて行った調査結果が、公開されている。その概略を以下に紹介する。
世界へのプラスの寄与をしたか、マイナスの寄与をしたか、それ以外の項目から選ぶ形式で、口頭または電話などで調査は行われた。調査が行われた国は24ヵ国であり、回答総数は245000人あまりで(各国おおよそ1000人位の数)、ブラジル、中国、インドネシア、ケニア、トルコでは都市部で、それ以外のアルゼンチン、オーストラリア、カナダ、チリ、フランス、ドイツ、ガーナ、インド、イスラエル、日本、メキシコ、ナイジェリア、パキスタン、ペルー、ロシア、韓国については全国で調査が行われた。
全世界平均で、プラスの寄与と答えた人の%からマイナスの寄与と答えた人の%を引いた値を、簡単に紹介すると、(ドイツ42、カナダ42、英国35、フランス28、EU20、日本19、ブラジル19、南アフリカ8、韓国4、米国3、インド2、ロシア-14、イスラエル-26、北朝鮮-38、パキスタン-42、イラン-44)の順でである。これを世界各国の好感度指数と考えると、ドイツとカナダの好感度が高く、パキスタン、イラン、北朝鮮の好感度が低いということになる。
日本の値は2年前は+36で、これら調査対象国中3位であったが、この2年で急落した。そのほかに、EU, 米国、インド、ロシアなどが急落国である。全体的にこの2年間でプラスの値が落ちているのは、世界の不安定化を示している。
中国はこの10年間ダラダラと35ポイント程低下しているのが注目される。明らかに政治的な出来事が反映しており、国際政治の中であまり話題に上がらないカナダは一貫して高いポイントを保っている。
2)日本に対する各国の印象を下図に示す。
中国と韓国の低い評価は予想通りであるが、ドイツが西欧諸国で最も低いのは意外であった。これについては、西尾幹二氏と川口マーン恵美氏共著の「膨張するドイツの衝撃」(ビジネス社、2015/7)と題する本で、西尾幹二氏が分析している。このBBCの統計も、この本で知りネット検索で見つけたものである。
ドイツ文学が専門の西尾氏によると、ドイツの新聞記者たちはほとんど反日であり、そして彼らに人気のある日本の有名人は、大江健三郎や小田実などの反日日本人だという。その心理は、ドイツは日本を第二次大戦における犯罪の同伴者に引き込みたいのだと分析している。つまり、ナチスの犯罪と同程度の犯罪を日本国が犯したということにしたい為、中国や韓国、そして上記反日日本人を利用しているのだという分析である。更に、自動車や工業製品などでの競合も、それを助ける環境だろう。
ドイツは2011年から中国と二国間政府サミットを定期的に開いているとのことである。最近もフォルクスワーゲン社の中国進出がニュースとなって流れていた。日本人はこの事実と西尾氏の分析を十分心得ておく必要があると思う。
もう一つ興味があるのは、自国が世界に貢献しているかというポイント(50)が日本で非常に低いことである。同時に、世界にマイナスの貢献をしているというポイント(5)も極めて少ない。これを(50-5)で表すと、中国(85-7)、韓国(68-26)、ドイツ(68-19)、インド(56-22)、フランス(70-22)、パキスタン(44-29)、カナダ(81-13)、英国(71-23)、ブラジル(66-18)、米国(66-27)、ロシア(77-6)、イスラエル(40-18)である。
この数値から、明らかに中国とロシアはナショナリズムが高揚していることがわかる。日本の数値は、逆に国家の重要性を考えていない人が大きことを示している。更に、イスラエルとパキスタンにおいて、自国民による自国のプラス評点が低く、マイナス評点がかなりあるのは、国内政治の深刻な乱れを示しているかもしれない。データの詳細は、http://downloads.bbc.co.uk/mediacentre/country-rating-poll.pdfを参照してください。
0 件のコメント:
コメントを投稿