毎日新聞がネットに配信した今日の社説に、翁長雄志(おなが・たけし)知事による辺野古の埋め立て承認取消についての解説があった。そこに、”今回のことは、安倍政権が県の主張に耳を傾けず、移設を強行しようとした結果ではないか。県の取り消し判断はやむを得ないものと考える。”と書いている。翁長知事が国の主張に耳を傾けなかった件については何も書いていない。従って、この書き方は県政は国政に優先するという、とんでもない論理に基づいている。
http://mainichi.jp/opinion/news/20151014k0000m070179000c.html
翁長知事側は、前知事による埋め立て承認に「瑕疵(かし)があった」ことを取消理由としている。もちろん、重大な瑕疵があれば取消の根拠にはなり得る。しかし、その様な瑕疵がどこにあるのかについて、この社説は明確には書いていない。その代わり、「翁長氏が知事に就任して10カ月の間、安倍政権は辺野古移設計画を進めるにあたり、県の意向をくみ取ろうとする姿勢に乏しかった」と、その瑕疵と関係のないことを書いている。
更に、社説には次の様な記述がある。
”県は、取り消しの通知書とともに、15ページにわたって理由を記した文書を政府側に提出した。「普天間が他の都道府県に移転しても、沖縄には依然として米軍や自衛隊の基地があり、抑止力が許容できない程度にまで低下することはない」など、辺野古移設への疑問が列挙されている。”
つまり、「」内の”普天間基地を県外に移設しても抑止力があまり低下しない”のに、前知事は辺野古への移設を承認したことが、瑕疵にあたると言っているのかもしれない。つまり、沖縄県は内閣よりも防衛には詳しいので、国の防衛構想はまちがっていると言っているのかもしれない。
国家の防衛は、日本国民1億3000万人の安全を考えて、内閣が責任をもってあたる筈である。一つの県には、そのような国家の最重要課題について、政策の可否を判断する能力も資格もない。瑕疵があるのは、翁長知事の取消決定ではないのか。
毎日新聞は何を考えて、このような社説を書くのか?
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